カテゴリ:星雲
20140502PrawnNebula L2-Sat17-CSL-tone_filteredL2-IMG_9970-L-TRI-H posted by (C)ホシミスト_3013 天体写真の画像処理ソフトは無料でも手に入る と題して、以前はフリーソフトである DeepSkyStackerやNeatImageを中心に御紹介しました。 しかし、その時に最後の仕上げに使ったのは Adobe Photoshop Elements 6 で、これは無料では手に入りません。 今回は、そのPhotoshopを無料で!という話です ・・・と書いてみても、その実態は こちらのブログにおんぶにだっこなのですが。 http://netbe.jp/adobemuryou/ 単純に書けば、Adobeに無料のユーザー登録をすれば、 フォトショップCS2が無料でダウンロードできてしまう、 ということです。 古いソフトなのでサポートが終了していることから、 Adobe自体は、あまり使用はお勧めしない、と言いつつも、 無料で公開しているようです。 これで気に入ったら新しいフォトショップを有料で使ってね、もっとすごいから という広告的な意味があるのでしょう。 けっして海賊版や、あやしいダウンロードサイトではありません。 Adobeの正規のページからのダウンロードになります。 私の場合、Elementsでユーザー登録しているので、 新たに登録する必要もなく、ダウンロードするだけでした。 Elementsを持っているのに、なぜバージョンの古いCS2?? それはCS2ならトーンカーブが使えるからです。 なるほど古いだけあって、Elements6より画面構成がやや使いにくいですが、 トーンカーブという強い味方を得て、画像がだいぶ変わってきましたよ。 天体写真をフォトショップで画像処理したらきれいになるんだろうけど、買えないよ~~ とお思いの方は覗いてみてはいかがですか?? で、なんで、そんなにトーンカーブにこだわるの?? というのをここから先、ご紹介します(笑) 2014年5月に撮影したPrawn Nebula を紹介してみたいと思います。 撮影当時は画像処理ソフトはPhotoshopElements6(PSE6)と ステライメージ7(SI7)しか持っていなかった頃です。 ですので、私の画像処理の変遷がよくわかると思います。 02-画像処理の変化 posted by (C)ホシミスト_3013 左 がステライメージでRAW現像して、2枚コンポジットしたもの 中央がDSSで2枚をコンポジットした後、PSEでレベル補正したもの 右 がDSSで2枚をコンポジットした後、PSCS2でトーンカーブ補正したもの です 元画像に近い形でレベル補正を行うより、 DSSの方が背景の空の抜けがよくコントラストがつき トーンカーブをいじると淡い部分もずいぶんと見えてくる、という印象でしょうか? カメラから取り出したJPEG画像を、PhotoshopCS2(PSCS2)に取り込んだところです↓ 03-JPEG1枚元 posted by (C)ホシミスト_3013 これを、ヒストグラムを見ながら、レベル補正します↓ 04-JPEG1枚レベル補正 posted by (C)ホシミスト_3013 そうやって出力された画像がこちら↓ 05-PSE出力 posted by (C)ホシミスト_3013 JPEG1枚ものでは、ノイズも多いです。 星雲の濃い部分は飽和、淡い部分はもちあがらず、背景の空の抜けも悪いですね・・・ 周辺減光もはっきりですし、画像の下の方にはミラーボックスケラレも。 ノイズはNeatImageで、周辺減光はSI7で、補正してみました↓ 06-さらにSIとNI posted by (C)ホシミスト_3013 周辺減光はどうにか目立たなくできましたが、 ミラーボックスケラレはどうしようもありません。 星雲自体ものっぺりした感じで、濃淡は出ませんね。 くじゅうに出かけてもこの程度か、ととても残念に思っていたのですが、 この後、DeepSkyStackerと出会いました。 霞が濃くて、ガイド星のロストを繰り返したので、2コマしかないのですが とにかくDSSで処理してみようと思ったのですが、 DSSに惚れこんだのは、この星雲の処理であまりに別世界の画像ができ上がったから と言っても過言ではない、と思っています。 まずはDSSで処理し、TIFFで保存した画像をPSCS2に取り込んだところです↓ 07-DSSスタック posted by (C)ホシミスト_3013 その当時はPSE6しか持っていなかったので、当時を再現して ヒストグラムを見ながらの補正だけだとどうなるか、を紹介します↓ 08-DSSCSL posted by (C)ホシミスト_3013 で、ちょっと極端すぎますが、もう少し手を加えて出力した画像がこちら↓ 09-DSS-CSL-レベル補正のみ posted by (C)ホシミスト_3013 (PSE6しか持っていなかった頃の画像は、上の3枚組写真の真ん中をご覧ください) 背景の空と星雲のコントラストがついて、すっきりとなったと思います。 最近は、PSCS2を使うことによって、トーンカーブも使えますから、 今回、トーンカーブを使ってもう一度処理しなおしてみました↓ 10-DSS-トーンカーブ posted by (C)ホシミスト_3013 トーンカーブを使うことによって、明るい部分をどぎつくせず、 淡い部分を持ち上げることができるようになるんです これはちょっと極端ですが・・・↓ 11-トーンカーブのみ posted by (C)ホシミスト_3013 これに、ヒストグラムを見ながらの補正も加えてこんな感じに↓ 12-トーンカーブCSLレベル補正 posted by (C)ホシミスト_3013 今回処理しなおした画像を3枚組で↓ 14-極端ですがJPEG-レベル補正-トーンカーブ補正の違い posted by (C)ホシミスト_3013 どれもやや極端な処理をしたものばかりですが、 左 がJPEG1枚 中央がDSSとPSCS2レベル補正のみ 右 がDSSとPSCS2トーンカーブ補正追加、です。 トーンカーブまで使った方が、淡い部分を明るくできますよね?? 今回の処理は、雑&極端 ですね・・・ もっと上手に使いこなせるようになりたいものです DSSを使うと、何故、JPEGや、ステライメージでの処理より、 輝度が上がって抜けがよくなるのか?? たとえば80枚とかコンポジットすることによって、 すこしずつ輝部と暗部のレベルの差を増幅して行く、と思っていましたが 2枚のコンポジットでもずいぶん差が出てしまいました。 コンポジットはノイスリダクションの意味合いが強く、 コントラストの差は、DSS内部で処理されるのこの↓トーンカーブ によるところが大きいのでしょうね。 13-DSS-画面 posted by (C)ホシミスト_3013 要するにわずかな明るさの差を、大きな差としてモニターに表現する、 というカーブになっているんですね。 ヒストグラムをその差が大きくなる所にもってくれば、 その画像の暗部と輝部の差を大きくしてコントラストがつくというわけです。 PSCS2の中でのトーンカーブは、DSSの処理ではコントラストがついて レベルが上がりきれなかった淡い部分を持ち上げる、ということをやっているのでしょう。 トーンカーブをもっとうまく使いこなせるようになれたら、 DSSの中での処理だけでも十分になるのかもしれませんが(^^ゞ ところで、前回の処理の話の時に、自分の画像は赤過ぎる、と気付きました。 そこで・・・もう少し手を加えて、Rを減らし、GとBを持ち上げる というチャンネルごとのレベル補正を加えたのがこちら↓です。 15-今回の完成形 posted by (C)ホシミスト_3013 Takahashi SKY90(D90f407RD) Astronomik CLS CCD EOS clip Canon EOS Kiss X4(Ir) ISO3200 8分(RAW) ×2コマ Vixen SXD + Celestron NexGuide + Takahashi FC60(D60f500)オートガイド 2014.05/02 26:48 小田の池レストハウス駐車場にて DSSスタック、PSCS2、NeatImage トリミングあり 一応↑これが今回の最終処理、としました。 カメラから取り出したばかりのJPEG画像は↓こんなのですから、 16-JPEG元 posted by (C)ホシミスト_3013 画像処理って面白いですよね・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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