テーマ:ブランドシティ奈良(51)
カテゴリ:「ならまち」を考える
かつての流通メインロード「中街道」の町家です。今回は「登録」のあるものを紹介します。 東城戸町の故井田(上村)康子先生宅です。先生は奈良女子大附属中高の教官のあと佐保短大でも高村光太郎や源氏物語などの研究・教育に精励されました。直接の血縁がなかったようで、生前からその資産を地域に寄贈されてきました。東城戸「大国社」の拝殿や東大寺二月堂北側の手水所、さらに佐保短大「井田康子賞」奨学基金などに名前が残っています。この自宅についても「自身の死後は奈良市に寄付する」ということで、文化庁の「登録有形文化財」のプレートが取り付けられていました。 ところが、この写真を撮影した今年1月には、あったはずのプレートがみあたりません。先生の遺志があったとはいえ、何らかの処分がされるのではと危惧されていました。 しかし今日、前を通った時に撮影したのが下の写真です。プレートが復活しています。やれやれ。 もう一つ、近くの松寿堂さんの前を通ると、こんなディスプレイがされていました。
「ならまちまちかど博物館」ということだそうです。ちょっと写真だと格子で見にくいのですが。 次に、「ならまち大通り」を渡った先、南城戸町の二軒も紹介します。
「和ロウソク」の製造販売を行っていたという「細川家」の建物は県指定の文化財。 そして細川家の隠居部屋として作られたというのが、お隣の「森家」でこちらは奈良市指定文化財。
こちらの当主は、先の松寿堂さんとは先々代同士がご兄弟だそうです。美しく修復されたのをそのままにするのはもったいないと、このところ土曜日曜には公開して来客にお茶を出したりされています。入ってすぐの「みせの間」は、茶室風の造りで、網代天井がみごとです。ちなみにこのお向かいのアパートの一室には「五想庵」というデザイナーさんのプライベートギャラリー(こちらも土日にオープン)があったりして、新旧のデザインを楽しむことができます。 今回は「登録」されたものだけですが、その他にも、趣のある町家が中街道周辺にはたくさんあります。元興寺周辺のいわゆる「ならまち」だけではない奈良の町の面白さを感じていただければと思います。 追記)井田邸は、売却予定かと。 |
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