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地球人として生きる

地球人として生きる

Mozambique その1

Maputo, Republic of Mozambique その1










Mozambique






2005年6月訪問。

実はモザンビークは日本と密接な間柄なんですよね。 日本は私の大好物である“海老”を大量にモザンビークより輸入しています。 スーパーへ行ったら海老のパックを確認していただきたい。 「モザンビーク産」と記載されているものが多いことに気がつかれることでしょう。 しかし正直なところ海老以外について私はこの国のことは殆ど知りません。 なので市場調査を兼ねて訪問することに。 こんなことでもなければモザンビークについて調査するようなことはないでしょう。 仕事のお陰でまた勉強させてもらう機会を得ました。

アフリカの殆どの国はヨーロッパ各国の植民地支配を経験しているわけですが、モザンビークは17世紀にポルトガルの支配権が確立していました。 ですのでこの国の言葉はポルトガル語です。 1975年に独立を果たしますが、それまでに様々な抵抗運動やクーデターなどが勃発。 独立後も旱魃、内戦が続き’90年代初頭には国連の平和維持活動が要請されました。 日本の自衛隊も’93年に派遣されたが、これは自衛隊にとって初めてのアフリカ派遣です。

1994年に初の複数政党制議会及び大統領選挙が実施され12月に新政府が発足しました。 しかしその後も不安定な情勢が続き日本が首都Maputoに大使館を開設したのは2000年になってからのことです。 その後たびたび洪水に見舞われ被災者総数は数百万人にも上っている・・・。 とても大雑把ですが、これから見るだけでもこの国はかなり悲惨な経験をしています。

しかし内戦終結から10年ほどで高い経済発展をとげ世界最貧国から抜け出します。 この「モザンビークの奇跡」と呼ばれた経済成長の原動力になったのが政府の外資導入による製造業振興策です。 中でもモザール・アルミニウム精錬工場は最大規模を誇り、イギリス、オーストラリア、日本(三菱商事)、南ア、モザンビーク政府の共同出資で2000年に操業を開始しました。 この精錬工場だけでGDPの7%を稼ぎ出しているという試算もあるほどです。

これが実現したのは’92年の内戦終結以降の安定した国状によるところが大きいとされています。 反政府勢力であった「モザンビーク民族抵抗運動」の武装解除も順調に進み、かられは今や国会で議席を占める政党に生まれ変わっています。 さらに過去3度の大統領選、議会選は民主的に行なわれこれは国際社会から高く評価されています。

このようにマクロ的には順風満帆に思える現在のモザンビークですが、一個人として実際に現地へ行ってみるとどうなんでしょう?
今回ひょんなことから南アフリカから車で陸路モザンビークへの入国をすることになってしまいました。 行程上仕方ないとはいえ「陸路」で、しかも乗用車でこのような国へ入国するのはあまり気持ちが良くありません。 まるでNHKスペシャルの取材班になったような気分です。

起点は南アフリカのNelspruitという小さな町です。 ここからモザンビークの首都Maputoを目指します。 Maputoはモザンビークの最南部に位置し、南アフリカとの国境からすぐのところに位置します。 国境へ向かう途中あの有名なクルーガー国立公園をかすめて行くことになります。 でも時間がないのでGame Driveは今回お預け。 国境までいくつか小さな町に立ち寄り本業の“営業”をやります。 さすがにこんなところに日本からわざわざやって来たというだけあって皆さん歓迎してくれる。

さて国境ではいろいろな手続きが必要となるようです。 乗用車に営業ツールであるコンピュータやプロジェクター等が満載されているため、これらは商品ではなく「ビジネスツール」であることをOfficerに納得してもらわなければなりません 。 関税逃れ目的に商品が隠されていないか車体をくまなくチェックされます。 商品を密輸して売りさばく輩が多いためチェック体制は大変厳しいのですが賄賂でどうにでもなるようです。
税金を徴収するのではなく賄賂を取るために必死でチェックしているのかも?


Mozambique





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自動車にもモザンビーク内で有効な保険をかける必要があるそうです。 南ア人のビジネスパートナーは何度も車で越境しているのでこの辺の手続きは慣れた物です。 その間私は外であたりの様子を伺っていることにしました。 事務所の外には「賄賂は犯罪です」という看板が掲げてあります。 「・・・う~ん、かなりヤバそう・・・」 やはり陸路で国境を越える人たちは一様に怪しい、というか普通の風貌の人がいない。 当たり前ですが日本人は私一人だけ。 

次にパスポートを用意して入国手続きに進みます。 ここでは必ず“心付”を渡すことになっているそうで皆さんごく自然に係官に渡しておられる。 すかさず南ア人のビジネスパートナーが私の分を対応してくれる。 心強い友だ。 だが係官は査証を不思議そうに眺めている。 日本人がこんなところにいるのが不思議なのか? こういう時間が長引くと憂鬱になります。 



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結果的にはトラブルは無く無事入国を果たしました。 国境付近には浮浪者が物乞いに集まってきています。 粗末な小屋もまわりに見えます。 南アと変わらない風景です。 やはりこの国はまだまだ貧しいようです。 Maputoの市街はどんな様子なのでしょうか。 明日は客先を廻る予定なので街の様子もよくわかることでしょう。

Maputo, Republic of Mozambique その2に続く


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