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地球人として生きる

地球人として生きる

Moroccoその1

Casablanca, Kingdom of Moroccoその1







2006年訪問。

さて今回はモロッコ、カサブランカです。 ドバイ訪問のついで(とてもついでという距離ではないが)に訪問することにしました。 ドバイからだと8時間以上もかかるので日本からモロッコへ行く人は普通ヨーロッパ経由にするでしょうね。 日本からヨーロッパへ飛ぶのとドバイへ飛ぶのとではほぼ同じ時間かかりますが、ヨーロッパからモロッコへは3時間程度でいけるのです。 今回はドバイで仕事があったのでこのような移動になってしまったが、近ごろテロ関連の物騒なニュースが多いなかテロの標的には絶対にならないはずのエミレーツ航空はストレスも無くなかなか快適です。

モロッコは日本人の観光客も多く訪れる国であるせいか入国審査官も「コニチワ」と日本語で挨拶してくれました。 それほど時間もかからずスムーズに入国。 “憧れの国”モロッコへ到着した。 どうして憧れかというと、古くからモロッコを舞台とした映画の名作が多く、なかでも「カサブランカ」は私の一番好きな映画でいつかはカサブランカへ行ってみたいと思いを馳せていたからです。 60年も前に撮影された映画のイメージをそのまま期待するのは自分ながらどうかしているとしか思えませんが、映画はさておき「モロッコ」、「カサブランカ」という響きに何となくロマンスを感じてしまう人は私だけではないでしょう。

こうなるともう宿泊先は当然HYATT Regencyです。 映画「カサブランカ」の舞台となったレストラン、Rick’s Cafe Americaがホテルの1階に再現されているらしいのです。 そうと聞いてはここに泊まるしかありません。 おかげで今回のホテル選びは一瞬で決まりました。 

ドバイ経由の長いフライトの後なのでかなり疲れてはいますが、ホテルへ直行せずに少しカサブランカの郊外へ寄り道して街の様子を伺ってみることにしました。 空港からカサブランカ市街へは車で40分程度。 ハイウェイのまわりに乾いた土地が延々と続いています。 高速道路は整備されており車の量も多くありません。 市内へ入るとやたらタクシーが目に付きます。 20年落ちのベンツ(全て白色)やプジョー205(赤に塗装)、それにFIAT UNO(同じく赤)が多く走っています。 その他やはりフランス車が多数を占めています。 ちなみにカイロではタクシーは白と黒に塗り分けられ、70年代~80年代前半のプジョーとFIATがほとんどでした。 ただカイロで走っている車はかなりボロでメーターはどの車もついていたものの動いているものは見たことがありませんでした。 料金は行き先を告げて事前交渉するのです。 それに比べカサブランカのタクシーはほんの少し新しいし、きちんとメーターも動いていて随分近代的です。 値段も格安でいちいち交渉する必要はないのですが車内は相当不潔で蚤だらけ! BEAWARE。

運転マナーははっきり言って悪いです。 左折しようと交差点に入って待っていても(道路は右側通行である)普通に横から被せられます。 レーン数以上に車が並び秩序やマナーというものはありません。 「なんだ、カラブランカって言ったって結局ただのアラブの街一つか・・・。」 現実に引き戻された気がしました。 それでも全てにおいてカイロよりはかなりマシで、ここでも何列にも車が並んで横入りのし合いっこをしているとはいえレーンを分けている白線が消えてしまうほどひどくはありません。 カイロでは完全にレーンのラインは消えており道路はテカテカになっていました。


Casablanca



Casablanca




カサブランカの郊外は最近多くの高級住宅地が造成されおり、デザインも西欧の高級住宅とあまり変わらない感じです。 この部分だけを見るとここがアラブの街であることを感じさせるものはありません。 外壁は基本的にセメントで塗られているのですが、ここカサブランカの土の色がベージュであるのでどの家もデザインはともかく外壁は同じようなベージュ色となっています。 ここ数年不動産バブルだそうで市内の中心地とこのような高級レジデンシャルエリアは土地が高騰しており、住宅の値段も一戸あたり数億円は下らない物件ばかりだそうです。 そういえばEMARRの看板がそこいらにあります。 EMARRとはドバイの有力者(王族)がオーナーの大企業で、不動産デベロッパーです。 ドバイへ行くとそこかしこにEMARRの広告が見られます。 モロッコにも進出してきて積極的に開発しているようですね。 彼らが進出してきているなら不動産価格の高騰も納得できる気がします。 アラブの王族という絶対的な人脈を生かして優位に開発を進めているに違いありません。


Casablanca



Casablanca




予想通りこの国も貧富の差が激しくいわゆる中間層が存在しないようです。 超金持ちの層と超貧しい層の二極化がどんどん進行しておりその差は拡がる一方です。 一般的にイスラム国家は犯罪にたいする刑罰は厳しく、モロッコでも泥棒をすると終身刑を喰らうこともある(被害者が警察や政府にコネがあると大変)そうです。 しかしそれでも泥棒が増えているそうです。 


Casablanca




さて、ホテルへチェックインしてまずがっかりだったのは、Café Americaは改装中で休業していたことです。 しかも休業期間は4ヶ月。 「長すぎるやろ!」 一般的にアラブ人はLazyと言われるがいくらなんでも4ヶ月は・・・。 ホテルの宿泊客以外も多く訪れるBarなのだからこんなに長期に休業するのは経営上大きなロスだと思うのですが。 長旅の疲れをここで葉巻でもやりながら癒そうと心待ちにしていたのがすっかり裏切られてしまい、そのまま夕方まで部屋でフテ寝することにしました。

夕方お客様がホテルへ迎えに来てくれ、一緒に食事に出かけました。 着いたレストランはなんと”Rick’s Cafe”! 映画「カサブランカ」のレストランじゃないか。 思わず小躍りしてしまうほど嬉しかったミーハーな私。 中へ入ってみると映画ほど大きなレストランではないものの内装は同じ雰囲気(フォトギャラリーに画像あり)。 2Fもあり奥では映画「カサブランカ」をながしている。 こんなお店があったのですね。 ガイドにも載っていない。 一気に気分良くなりました。

しかし今はラマダン真っ最中。 モスリムたちは断食しているのです。 と言っても夜6時になると家族や親戚同士で集まり毎晩大宴会を催すのですが。 これが明け方近くまで続きその間2回も3回も食事を摂るのです。 そして翌朝は10時過ぎまで寝ている。 もちろんビジネスアワーもいつもより遅く始まります。 これがラマダンの実態です。 「どこが断食やねん!」 このためラマダンの期間、日中は昼間開業しているレストランは殆ど無く私たち非モスリムは困るのです。 Rick’s Caféもこれにならっており8時半まではサラダとドリンクしか出していません。 仕方ないので飲みながら暫く待つことに。 地元のビールでCasablancaというのがあるのでトライしてみました。 海外のビールによくあるあっさり味でそれ以外特にコメントすべき点の無い極めて「普通」のビールでした。

ところで、このレストランのオーナーはアメリカ人の女性で、ご主人は元在日アメリカ大使館の駐在員だったそうです。 このため日本で数年暮らした経験があるそうです。 少しお話する時間があったので日本での生活について話しを聞かせていただきました。 とにかく日本語が難しかったようで挨拶程度までしか結局話せずじまいだったそう。 私たちにとっても英語は難しいですからね。 同じことなのでしょう。

さてメインの料理はカジキのソテーを頼んでみました。 海の幸が豊富な国であるので新鮮なものが出てくるだろうと期待していたのですが残念ながら若干Over Cooking気味。 海外では良くあることなのでまぁこんなもんでしょう。 気にせずいただきます。 味付けそのものは悪くないので満足です。 素材の新鮮さを生かして調理するというのはやはり日本人の得意技と言わざるを得ませんね。 

このレストランではHYATTのBar Casablancaでやっているような少々過剰気味の演出(ウエイターがトレンチコートを着てボギーよろしくオーダーを取りに来る)などはなく、ピアノの生演奏もありませんが、映画で見た内装に似た落ち着いた雰囲気と抑え目のライティングのおかげで居心地はすごくぶ良いです。 HYATTからすぐ近くなのでこちらも訪れてみることをお薦めします。 ゆっくりと初日を過ごし、明日からは仕事モード全開です。


Casablanca, Kingdom of Morocco その2に続く



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