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「いや〜〜有意義でした」
昨日、我ら八王子工房2階で不等分律における音楽的な効果の検証を、次の工房コンサートのテーマを決める為に行なった。 メンバーは末永さん、稲岡さんに内藤さんが加わった。 いろんな意見があると思うが、モーツアルトはミーントーンという、耳につく多くの長三度の唸りをできるだけ多く純正にした調律法だ。 純正律とは違う。 友人の岡本君(西脇市)が言う所の神様の悪戯。でも、その悪戯が音楽的な効果を生み出す。この事に現代人の多くは残念な事に気付いていない。 ミーントーンの概念を理解する為に、純正長三度と純正五度のズレ、シントニックコンマを理解したい C(ド)から5度を4回重ねると2オクターブ上のE(ミ)音になる。そのミを2Oct.下げたピタゴラス長3度(純正五度音程を重ね合わせ生じる三度音程)と、自然倍音の長三度との間にズレが生じる。そのズレをシントニックコンマと言う。 計算式で言うと: 純正五度の音程比は3/2になるので、五度を4回重ねると言う事は3/2を4回掛ける事になる 3/2 x 3/2 x 3/2 x 3/2 = 81/16 この2オクターブ上にできた音程を2オクターブ下げるとピタゴラス長三度(純正五度音程を重ね合わせ生じる三度音程)になる 81/16を2/1 で2回割ると2オクターブ下のミとドの音程、すなわちピタゴラス長三度の音程比を求める事ができる ピタゴラス長三度 81/16 ÷ 2/1÷ 2/1 = 81/64 自然倍音の長三度の音程比は = 5/4 = 80/64 ピタゴラス長三度と自然倍音の長三度の差(シントニックコンマ) 81/64 ÷ 80/64 = 81/80 になる 音程比をセントという単位にすると 1200 * log2 81/80 ≒ 21.51cent これを解決させる為に、このシントニックコンマの約22centを、一オクターブの中の12個ある五度の内の4つに分配する。 純正五度 約701.95cent (=1200 * log2 3/2) 概算:702cent – (22cent/4) 純正より5.5cent狭いミーントーン五度 696.5cent x 4を作る事で、自然倍音の長三度と適合させている。 この調律法は調号で言うと♭も♯も3つ迄でないと、非常に汚い響きが和音の中に出てきてしまう。 また、半音階も平均律に馴染んだ我々の耳には音痴に聞こえる。 が、フォルテピアノのミーントーンでモーツアルトの楽曲を奏でると、その響きの違和感が曲に適合する。 ミーントーンはルネサンス期に生まれた調律法で、モーツアルトの生きた時代は、既にミーントーンを程よく分配した、バッハの言う所の“Wohtemperierte(独)、The Well-Tempered(英)”Klavier と様々な不等分律が生まれている。 が、一度極端なミーントーンで奏でると、モーツアルトの作曲上の計算に、不協和を意図的に利用していたのではないかと感じてしまうわけだ。 現代のピアノ(良いピアノ)はタッチで様々な音色を作れる。なので、現代のピアノで極端な調律を行なう事を推奨したいわけではない。 ただ、文字通り温故知新であり、現代ピアノのベヒシュタインで、特にその古きを覗く可能性を強く感じる。 このテーマでレクチャーコンサートを考えたい。一般の音楽愛好家に広く感じていただきたいテーマなのです。 どういう形で発信すると効果的か、アイデア募集中です お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
ウルフやその影響を受ける三度を生かした作曲技法の研究は、とても興味深いです。
そこが解れば、いろいろな事が浮き彫りになりそうですね。 モーツァルトがそれを利用したとは、予想外でした。 楽しみにしています。 (2013.08.13 22:48:32)
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