カテゴリ:世の中の話題から
相変わらずワイドショー的な報道が続いているこの問題。
ちょっと気になるのが、JR西日本をこういう状態(効率化の追求&過密ダイヤ&スピード化対応)に追い込んでいるひとつの大きな原因は乗客である我々なのだ、ということに対する根本的な認識が欠けてますよね、みんな(マスコミも含めて)。例えば、 1)「効率化を求めた経営が原因」: ・カネの無駄遣いを止め、効率的な経営を善しとさせるために民営化させ、「贅肉を落とした体質」になり、「お役所仕事ではないサービスの基本を身に着けた」ことを「民営化のお手本」として多くのマスコミが評価していた、というのは忘れたのか? ・大体、この事故が起こる前に、社員の年齢構成のいびつさを(事故につながる要因になるとして)指摘していた人はいったい何人いるのだろう? 2)「時間の正確性と過密ダイヤ」: ・確かに、自分の命よりは少しくらい時間が遅れるほうがいいのは当たり前なんだけど。 ・この福知山線にしても、阪神間にしても、阪急や阪神などの私鉄と競合しているエリアなわけで、そういった地域(もちろん、首都圏も含む)に住んでいる人が、「JRは安全性を最優先にするために電車の本数を減らし、時刻表よりも数分遅れることを善しとします」なんて言われた時に、果たして「私はそれに賛同するのでその状態でJRに乗り続ける」なんていう人がいるのだろうか? ・どの輸送機関でも「安全性は最優先で対応しています」というのは簡単だけど、本当にどこまで対応できているのか、に関しては素人である我々にはわからない問題だし、たとえ国が安全基準を作ったところで、それが絶対大丈夫、なんて訳はない(国が作った基準でもいくらでも間違いは生じる)。他社はたまたま事故が起きていないだけ、なのかも知れないし。 3)「JR特有の問題?」: ・半官半民、という形態をとっているからなのかもしれないが、メディアのバッシングは熾烈を極めている。 ・もちろん100名以上の方の命が失われた、ということ自体はとんでもないことではあるのだが、果たして上記の「職員の年齢構成」やら「ダイヤの過密状況やオーバーランなどの実態(報告ベースではなく、実際の状況)」などに関し、各地で競合している私鉄の実態を調査し、比較して話をしているメディアはどれだけあるのだろうか? テレビのニュースでよく出ている「街頭インタビュー」のコメントを聞いていると、自分たちこそが(そういう状況を要求し、そうさせている)当事者であるのだ、という認識があまりにもない、無責任な発言が多いのにとても悲しく、情けなくなるのでした。 結局は自分でどれだけリスクをとるのか、という自覚だと思うんですけどね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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