バービカンシアターでハムレット
ロンドン旅行の大目的。バービカンシアターでのハムレット(8/28、31、9/3)。すでに2カ月経っているのでかなりぼんやりした感想になりますが、ぼちぼち思い出しながらメモしてみます。というのもNational Live theatre で上映された映像が、今年11/6には、日本でも上映されることになったのです。それを観る予定なので、上書きされる前に、ということです。Moorgate駅から歩いて10分くらい。楽屋口の隣から建物に入ります。大きなポスターと特設売店も。ソワレは19:15開演だというのに、はりきり過ぎて15:30頃着。中はWi-Fiもフリーで使えるし、広い建物をうろうろしてなんとか時間をつぶしました。↓後ろの売店で3回ともお惣菜を買って食事録画、録音、写真撮影禁止としつこく注意されます。チケットボックスでの引き換えでは身分証明書が必要でしたが、もぎり(実際には日本と違ってもぎりません。確認するだけ)の場所ではとくに何もチェックされませんでした。バービカンシアターは2012年の「シンベリン」ぶり。ここ上手から下手まで通路なしの1列で、幅も広い。途中でトイレに行きたくなったら悲劇です・・・。ここから感想ランダムメモ。ネタバレあり!!・いきなりベネディクトハムレット登場。心の準備する時間なし。(原作では見張りの歩哨の場面から始まる)原作の冒頭の台詞をハムレットが発し、私混乱。一回目の観劇ではこの混乱が後をひき、冷静ではいられませんでした。が、二回目は「そんなもの」とわかっていたので楽しめました。(プレビューではto be or not to beが冒頭にきていたそうだから大幅な修正があったらしい)・狂気がわかりやすい。見ただけで狂気を装っているのがわかる。テーブルの上を、兵隊の格好で面白おかしく歩くとか。原作を知らなくても、英語の台詞がわからなくても、これは狂っているんだと観客はわかります。・楽しみにしていた旅役者の台詞かなりカット。ハムレットの独白は周りの役者の動きがスローになるので、頭の中での思い(独白)が一瞬であることがわかる。これは効果的、なのかな?冗長にならずリズム感が生まれていた。・オフィーリアがカメラ女子設定。ここでは現代に舞台を持ってきた意味が理解できた。(その他の場面ではなぜその設定にしたのかいちいちひっかかったりして(笑))オフィーリアは魅力的でかわいい。死の理由は自殺であることがガートルートの芝居でわかる。(去るオフィーリアを見て、はっとした表情で追いかけるガートルート。この演出はジーンとくる)。これまで観た同作品ではさらっと流していた場面だったが、ベネレットでは、この前後の場面がとても印象的。・オフィーリア兄妹の仲のよさをピアノを一緒に弾くことで演出。これはよかったなあ。あの場面はオフィーリア家族の最後の楽しいひととき。次の再会では悲劇のまっただなか。ピアノは効果的に使われていたと思う。・舞台上手はそうでもないが、下手の見切れはヒドイ。今回はお屋敷の舞台装置が本格的。下手の席からは階段上バルコニー?での大事な場面(懺悔する叔父を殺そうとする、など)が声はすれど姿は見えず状態。残念。ざっくりいうと、カンバーバッチの魅力で若い観客にもシェイクスピアの世界をわかりやすく伝える舞台。舞台が広すぎ、美術が豪華なため、視界の邪魔というか集中できない箇所も。音楽は効果的だったし、役者は上手いので、3時間はあっという間でした。観劇後は事前に調べていた楽屋口へ。ベネディクトが対応をしてくれることもTwitterなどで情報収集していたので半分野次馬根性。そして・・・ラッキーなことにチケットにサインしてもらえました(二回目の観劇後)。最前列に並ばないともらえない状態だったのですが、親切なファン(たぶんティーンエイジャーの男性)が私がチケットをひらひらさせていたのを見て「もらってあげるよ♪」って。ああ、なんて親切な方!サインをもらって、生のベネさんの顔を拝んで、天にも昇る幸福感に満たされながら、ホテルへと戻ったのでした。