胴長短足のミニチュア・ダックスなどのダックス系の愛犬が椎間板ヘルニアになりやすい。その他にはビーグル、シー・ズー、ヨークシャー・テリア、トイ・プードル、柴犬などだ。
椎間板とは、背骨の骨と骨の間にあって、緩衝材的な役目を果たしている軟骨のことだ。ヘルニアとはラテン語で「飛び出す」の意味だ。
つまり、椎間板ヘルニアとは、骨と骨との間にある軟骨の椎間板が所定の位置から飛び出している病気だ。飛び出している椎間板が神経に触れて痛む。
愛犬の背中に触ったり、抱こうとすると痛がる。歩く時、足がふらついたり、のろのろ歩きになったりする。ソファや階段などへの昇り降りを嫌がるようだ。
重症になると、歩行困難になる。
原因は先天的に軟骨の形成が異常で、若いころから椎間板が固く、もろい犬種がいる。ダックスのように胴長の場合は脊椎への負荷が大きい。さらに、室内でも元気よく跳んだり、駆けたり、ほえたりしがちで、脊椎に無理な力がかかり、椎間板を傷めやすい。
予防としては無理な動作や運動をさせないことと肥満を避けることだ。
昨日の随想「
愛犬にサプリメントは不要!?」への投稿の中に椎間板ヘルニアを恐れている愛犬家が多かった。サプリメントを食べさせていたり、予防のために食べさせた方がよいと誤解していたとの記述があった。
グルコサミンやコンドロイチンが入っているサプリメントに関する投稿だ。
グルコサミンとはブドウ糖(glucose)の一部にアミノ基(amine)が付いた化学構造をしている。人も犬も自分の体内で作って皮膚や軟骨の成分としている物質だ。
グルコサミンはカニ、エビなどの甲殻類の外皮を形成するキチン質に多く含まれていて、20年ほど前に工業生産できるようになった。
コンドロイチンも体内で作られる。その化学構造はグルクロン酸とガラクトサミンが交互に数珠のように何百と連結した形をしている。主に軟骨、関節、眼球、角膜等に分布している。
もともと体内で自分で生成している物質なので、本来は補給の必要のない物質だ。
ビタミンやミネラルは体内では生成できないので、不足したら、補給しないと、健康を害する。だから、ビタミンやミネラルの供給源として野菜類は大切だ。
ただし、犬は自分の体内でビタミンCを合成できるので、肉類だけを食べても生きていける。
しかし、グルコサミンやコンドロイチンはもともと供給しなくてもよいものだ。
なぜ、サプリメントとして愛犬に食べさせないといけないのか。その愛犬がグルコサミンやコンドロイチンを自分の体内では生成できないと言う科学的な証拠があるのかと聞きたい。
登山中に自分の持ち物と同じ食べ物をあげると勧められても、荷物になるだけで迷惑だ。
工業的に安く製造できたからといって、体が必要としてない工業製品を愛犬に与えるのは、愛犬の体が迷惑する。工業製品のビタミンも多く摂取すると、健康を害するというのは常識だ。野菜や果物などの天然のものなら、その心配はない。
グルコサミンとコンドロイチンは人の椎間板ヘルニアの治療薬としても予防薬としても認可されてない。
サプリメントの宣伝販売は花盛りだ。踊らされて、必要でもないサプリメントを愛犬に与えないことが大切だ。余分なものは、何事であれ、害をもたらす。
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