東京の池袋で犬の靴のファッションショーが初めて開催された。カラフルな靴を履いたワンちゃんたちが続々と登場したようだ。ペット犬関連市場で、「靴」は最後の必需アイテムとの位置づけだとのこと。( 読売新聞05/10/20)。
愛犬たちの立場で犬の服や靴について考えてみる。
真夏の気温が35度以上もあるような酷暑の街や公園で、洋服を着せられている犬を見ると、かわいそうになる。
見ているだけで、こちらの方まで暑くなる。自分本位の飼い主に飼われて、お付き合いするのも大変だねと、その犬にねぎらいの言葉をかけたい気持ちになる。
涼しそうな浴衣でしょうと、ブログで自慢している人もいる。花火大会に連れて行ったら、多くの人から声をかけられたと喜んでいる。蒸し暑い人混みの中で、浴衣を着せられて、引きずり回された愛犬の気持ちは無視されている。
浴衣を着ないで、自然の姿の方が良かったと、愛犬は思ったかもしれない。犬は苦情を言わないから、賛同していると、その飼い主は身勝手に思い込んでいる。
愛犬のパピヨンのパナには先代の登山犬初代が愛用したお下がりの防寒用の皮コ-トがあるが、冬山の雪の中でも着るのをいやがる。自然の姿のままが好きで、寒くないようだ。
手作りで高級感のある皮コ-トなので、寒い日に公園などに出かけるときは、他人に自慢したいような気になり、着せると、着たまま動かない。歩きだしても、歩きにくそうに歩く。自転車にのり、一人先に行くと、走りだすので、物理的に歩けないわけではない。不要なものを着るのが嫌なのだ。
その愛犬のパナに浴衣を着せることなど夢にも思ったことがない。暑いのに、純毛の毛皮を着て、口をあけて荒い息をしているのに、その上に綿とは言え、服を着せる気にはなれない。つまり、真夏に愛犬に服を着せる人の気が知れない。犬の健康を考えないで、自分の好みだけで犬を飼っているように思える。
犬の靴についても、パピヨン登山犬初代の頃に、犬の登山靴についていろいろ考案した。
というのは市販の犬の靴では登山に向かない。サイズがびったり合う靴が見つからない。サイズがあわないと、犬の足を痛める。
ゴム付きの軍手の指を切り、それを広げるようにして、愛犬の足にはめて、ビニ-ルテ-プで巻き付けてやると、犬の足にびったり合う。一日、登山しても穴はあかない。
ただし、富士登山には工業用ゴム手袋を材料にすることが必要だ。詳細は「
愛犬の登山技術 高山200回以上の教訓」 に記述してある。結論だけいうと、冬でも夏でも、富士登山以外は犬の靴は不要だ。
前記の新聞情報に「人気の小型犬は、真夏の焼けたアスファルトなどで足の裏をやけどしてしまう。散歩時に靴を履けば大丈夫」と主催者は靴のPRをしているようだが、犬のことをよくわかっていようだ。
靴をはかせて歩かなければならないほど暑いアスファルトの上を犬が歩くと熱中症になる。犬は背が低いので、アスファルトの輻射熱をもろに浴びる。街でも山でも経験がある。真夏の高山の草のない裸尾根で愛犬が輻射熱でバテたことがある。直ぐ抱きあげて、地面から離すことが大切だ。
愛犬たちの服や靴を売り込む商売が繁盛するのを愛犬たちは、歓迎しているだろうか、それとも、迷惑千万だと思っているだろうか。
参考随想
犬に靴!?熱中症で死ぬことも!
犬に有害無益な浴衣と熱中症の危険!
愛犬に服を着せたい気持ちはわかるが!?
東京の公園で会った愛犬達の写真集です。お時間のある方はどうぞ。
公園でノ-リ-ドで遊ぶ愛犬たちや珍しい愛犬たちの写真集