農林水産省・動物医薬品検査所の薬事法第77条第4項の2の規定による「副作用情報データベース」が公開されている。http://www.nval.go.jp/asp/se_search.asp
その中にミルベマイシンについてはH16~19年に4件の医療事故報告がある。死亡3件、回復1件。
死亡事例のうち、1件だけが犬の死亡とミルベマイシンの因果関係があると農水省が意見を公表している。
残り2件は「原因不明」や「因果関係がないと考えられる」としている。因果関係があると見るのが順当だ。
その一つの事故例について記述する。
死亡例 ミルベマイシン投与から1時間未満で 死亡
農水省の意見
因果関係がないと考えられる
獣医師の意見
ミルベマイシンに関しては安全性が高い薬剤であると認識しているが、エコー診断していない為不確定であるが、先天的に肝機能異常があった場合、ミルベマイシン投与によって有害事象が起こった可能性も否定できない。よって因果関係は不明である。
製造業者等の意見
本症例の有害事象と本剤投与との因果関係はないものと判断致します。
1 臨床兆候の発現時期が早く(投与後1時間)、ミルベマイシンの血中動態を考慮すると、薬剤との因果関係が考えにくいこと。
2 過去に今回の臨床症状(失禁・意識朦朧・血便)により死亡した例の発生が見られず、本剤の薬理学的作用からは当該症状との関連性が考えにくいこと。
3 過去に本剤の投与歴があるにもかかわらず、過去の投与時には同様の症状が発生していないこと。
獣医師の意見は科学的でもないし、論理も飛躍していて支離滅裂だ。因果関係を否定する根拠にならない。
製造業者等の意見は因果関係を否定するための詭弁だ。
理由1,3については
アナフィラキシーショック死について無知蒙昧すぎる。医療従事者としてはお粗末だ。
なお、ミルベマイシン投与から1時間未満 で 犬が死亡 した他の獣医の事故例にはアナフィラキシー反応があったと記述されている。農水省も因果関係があると意見している。
アナフィラキシーとは薬剤等の投与後きわめて短時間(数分~30分以内)に呼吸困難や血圧低下などの全身的な反応を起こし、生死に関わる重篤な症状を示すうものをいう。
アメリカの動物病院協会(AAHA)は犬のアナフィラキシー・ショック死に注意を払うように警告を出している。
詳細は
愛犬がワクチンでアナフィラキシー急死! に記述してある。
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