カテゴリ:避妊去勢
ニュージャージー州立ラトガース大学獣医学部が犬の避妊・去勢手術の弊害について公表した学術論文をブログ「愛犬問題」で全文を翻訳して紹介した。その随想集が次にある。避妊去勢手術の健康上の弊害!万病の元凶! 米国獣医学論文の翻訳集
その調査研究を主導した研究者が、大学としての立場を離れて、個人の考えとして、ネット上に犬の避妊・去勢手術の弊害について記述した文書がある。研究結果について研究者個人の思いがよく表れている。貴重な情報なので、一般愛犬家にも理解しやすいように意訳して紹介する。 英文の学術論文を読解できる人は原文の熟読をお勧めする。 原文 Health Risks and Benefits Associated with Spay/Neuter in Dogs アメリカの犬の飼主は、健康上の理由を挙げて、愛犬に避妊・去勢手術を頻繁に勧められている。獣医は、健康上のメリットをいろいろあげているが、その健康上のメリットに関する証拠は示してないのが一般的である。獣医は、避妊・去勢手術が犬の健康に与える影響を論じるときに多くの場合、健康上のリスクについては言及しない。 時折、わずかなリスクについて言及することはあるが、最も酷いリスクについては言及しないのが常である。 この論文は、犬の避妊・去勢手術に関して長期の健康上の観点から、そのリスクとメリットをまとめたものである。 この論文では、犬の産児制限の問題と避妊去勢手術が犬の行動に与える影響については論じてない。 この論文でまとめた避妊・去勢手術の健康上のリスクとメリットのほぼすべてが、幾世代も溯った疫学的な調査研究結果に基づく所見である。つまり、この論文は、時を溯って潜在的な可能性を調査したものである。 概要 この論文の目的は、犬の避妊・去勢手術について長期的な観点から見た犬の健康上のリスクとメリットの複雑な状況を明らかにすることである。 具体的な証拠を挙げて、犬の避妊・去勢手術が犬の健康に良い効果と悪い効果があることを示してある。と同時に、私たちが、この問題について実際はまだ十分には理解してないことも示唆している。 この論文全体を見て、結論を先に書くと、雄犬には去勢手術を強要してはいけない。特に、幼い雄犬には将来の健康問題の発生を防ぐために去勢手術をしてはいけない。 ほとんどの事例で、去勢手術による健康問題のほうが、去勢手術によるメリットよりも上回っている可能性が高い。 去勢手術のメリットとしては 精巣癌で死ぬわずかな(おそらく1%以下)リスクを除去できる。 癌性ではない前立腺障害になるリスクが低下する。 肛門周囲線腫瘍リスクが低下する。 糖尿病になるリスクを低下(データが十分でない)させるかもしれない。 一方、去勢手術のデメリットとしては、 去勢した犬は、特に成犬になる前に去勢した犬は、骨の癌である骨肉腫になるリスクが3,8倍になる。骨肉腫は治療効果の低い癌であり、中型や大型犬に一般的に発生している癌である。 心臓の血管肉腫になるリスクが1,6倍になる。 この心臓の血管肉腫は、犬に普通に発症する癌であり、犬種によっては死亡の主因になっている。 甲状腺機能低下症になるリスクが3倍になる。 加齢性の認知症になるリスクが上昇する。 肥満になるリスクが3倍になる。 前立腺癌になるわずか0,6%以下のリスクが4倍に上昇する。 尿路癌になる1%以下のリスクを2倍にする。 肢体障害のリスクが上昇する。 ワクチンの予防接種に対する副作用のリスクが増加する。 雌犬の避妊手術の場合は状況はかなり複雑である。 雌犬の避妊の場合は、若干の(全てでない)症例を見ると、避妊手術による健康上の問題よりも、健康上のメリットのほうがまさることがありうる。 結局のところ、避妊手術が犬の健康全体を良くする確率が大きくなるか、小さくなるかは、雌犬の年齢に依存している。また、異なる犬種間で発症しているいろんな病気との相対的なリスクに依存している。 卵巣切除のメリットとしては 生後2歳半以前に避妊手術をすると、乳腺腫瘍になるリスクが大きく低下する。その乳腺腫瘍は雌犬に最も多く発症する悪性の腫瘍である。 子宮留膿腫になるリスクをほとんどなくする。 雌犬の約1%は、子宮留膿腫で死亡している。 肛門周囲瘻孔になるリスクを低減する。 子宮、頸部および卵巣の腫瘍になる極めて少ないリスク(0,5%)を低減する。 避妊手術した雌犬のデメリット 成犬になる前に避妊手術をすると、骨肉腫になるリスクが3.1倍に増加する。その骨肉腫は大型犬で一般的に発症するものであり、治療しにくい癌である。 脾臓の血管肉腫になるリスクが2.2倍になる。 心臓の血管肉腫になるリスクが5倍以上になる。血管肉腫は一般的な癌であり、犬種によっては死亡の主因である。 甲状腺機能低下症になるリスクが3倍になる。 肥満になるリスクが1.6~2.0倍になる。 犬の肥満は、いろんな多くの健康問題に関係している一般的な健康問題である。 避妊手術による尿失禁問題が4~20%の雌犬で発生している。 尿路感染症のリスクが3~4倍になる。尿路感染症は一度感染すると、しつこく再発しやすい病気である。 外陰部の皮膚炎や膣炎のリスクが増加する。特に思春期以前に卵巣を除去された雌犬はリスクが大きくなる。 尿路腫瘍になる1%以下のわずかなリスクが2倍になる。 肢体障害のリスクが増加する。 ワクチンの予防接種に対する副作用のリスクが増加する。 明白なことが一つある。 それは、一般愛犬家が入手できる避妊・去勢手術に関する情報の多くは、いい加減なものであり、誇張されたものであり、証拠によって裏付けられたものではないということである。 犬の避妊・去勢手術の健康上のリスクとメリットに関するそれらの情報の多くは、愛犬家の啓蒙に資するというよりも、むしろ、社会全体に誤解を与えることに大きく関与している。 生後6ヵ月で避妊・去勢手術をするという伝統的な考えも、幼犬の時に避妊・去勢手術をするという現代の診療も、犬を健康上のリスクに追い込んでいる素因を作っている。 犬が肉体的に成犬になるのを待たないで、避妊・去勢手術をしている。 あるいは、医学的な必要性は全くないのに先走って避妊・去勢手術を強要している。 特に、多くの雄犬の場合は、そのような無理強いが行われていると見ている。 長期的な観点から見た避妊・去勢手術の健康上のリスクとメリットのバランスは、個々の犬によって変わってくる。 獣医学の文献に報告されている沢山の調査研究結果が、すべての犬に一様に適用でき、推奨できるというものではない。 日本の獣医界は獣医大学や学部も含めて隠蔽体質だ。「臭いものには蓋をする」のが当たり前になっている。つまり、国民に避妊・去勢手術の弊害の真実を知らせてない。詐欺商法が常道化している。 個々の開業獣医は避妊・去勢手術のメリットだけを強調して、手術を勧誘している。悪魔の詐欺商法だ。 日本の獣医界には、飼い主に正しい説明をして同意を得るというインフォームド・コンセントの意識がない。獣医が儲けるためだけの理由で犬の健康に有害無用な治療をしている。詳細は獣医は飼い主に説明責任を果たしてない! インフォームド・コンセント違反の犯罪!にある。 獣医大学や学部も含めて、日本の獣医界は白衣を着たカネの亡者の詐欺集団だ。犬の天敵集団だ。 教授連も物事を科学的に正しく考えることを放棄した低俗愚劣な集団だ。その連中は、獣医の社会的な地位を上げるには、国民をだましてでも、獣医が儲けることが大切だと思い込んでいる。つまり、獣医大学は詐欺師の養成学校だ。詳細は獣医大学や学部は詐欺師の養成学校だ! 非科学的なウソの講義で学生を洗脳!にある。 日本の愛犬家は犬に関する知識武装をすることが肝要だ。獣医任せの犬の診療では「泥棒に鍵を預ける」ようなものだ。獣医に無用な出費を強いられるだけでなく、愛犬が健康被害を受けたり、早死にすることになる。つまり、白衣を着た妖怪の金儲けの犠牲になり、飼い主もその愛犬も心身ともに苦汁を強いられる。 言い換えると、愛犬の健康と幸せを守れるのは、飼い主のあなただけだ。機会があるごとに、犬に関する勉強をして知識武装をすることが大切だ。 ブログ「愛犬問題」はそのお手伝いをしているだけだ。引用・転載などすべて無料だ。ブログ開設者の許可了解は一切不要。その理由は、いかに多くの訪問者に無断使用されてもブログ「愛犬問題」の内容は全く減らないからだ。ハイ。 この「つづき」は去勢すると前立腺癌のリスクが4倍になる! 米国獣医大学の研究報告を翻訳紹介 その2にある。 上記本文記載以外の関連随想集 ← トップページへ ボクの頭をコンコンしてワン! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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