今月はあまり本を読んでないな・・・と思ったら,きっと『名探偵ポワロ DVD』を観ていたせいですね。
ポワロの原作はアガサ・クリスティですが,今月読んだ本は,偶然にもモンブラン作家シリーズの顔ぶれが揃いました。
あの万年筆の蛇は,自分的にはアルフォンス・ミュシャが描く 「サラ・ベルナールが演じるメデア」 のポスターを連想させます。
もし手に入ったら,蛇を活かしつつリフォームしたいです。
〈洋書〉
Quattro drammi sul mare : Alexandre Dumas
海に乗り出した男たちを主人公に,海難事故あり,原住民との争いありの短編集。
デュマといえば,史実を元に歴史の隙間を自由自在に飛び回る,恋あり陰謀あり冒険ありの長編ドラマが真骨頂ですが,ドキュメンタリータッチの短編も緊張感にあふれていて好きです。
船舶用語などが頻出で読むのは大変。
ボートで漂流中,食物も飲み水もなく・・・のなか,カモメの大群が来襲。
手づかみでカモメを取り放題,生で貪り食うシーンには思わず吹き出してしまった。
モンブランのアレクサンドル・デュマは軸のマーブルが好きですが,ちょっと太軸ですよね・・・
〈和書〉
ウィンダミア卿夫人の扇 : オスカー・ワイルド 著, 西村 孝次 訳(新潮文庫)
先月チャンネル銀河で放映されて,録画したまま放置してあった「理想の女」(スカーレット・ヨハンソン主演)が「ウィンダミア卿夫人の扇」を下敷きにしたものだったので,20年振りくらいに本棚から取り出して読んでみました。
ワイルドらしい機知に溢れた戯曲。
映画の方の原題は"A Good Woman"で,これは原作の方にも台詞として出てきますが,この言葉の解釈の仕方が,映画の方はちょっと薄っぺらいような・・・。
モンブランのオスカー・ワイルドは軸のマーブルが好きですが,ちょっと太・・・
バルザック芸術/狂気小説選集〈3〉文学と狂気篇 バルザック 著, 加藤尚宏 他訳(水声社)
バルザックほどの文豪が,作家シリーズにまだ取り上げられていないなんて・・・。
『田舎のミューズ』
美貌に恵まれ,才気にあふれながら,(そしてそれを自覚しながら),田舎に埋もれていくことに不満を覚える女。解説にもあるけど,ボヴァリー夫人を思い出します。
『ド・カディニャン公妃の秘密』
バルザックの 「人間喜劇」 の登場人物が次々と回想シーンに登場。
公妃に関わった男性は皆不幸になっている・・・。
バルザック芸術/狂気小説選集〈4〉科学と狂気篇 バルザック 著, 私市保彦 訳(水声社)
『絶対の探求』
財産もなにもかも研究に注ぎ込んでしまう狂気の化学者。
でもこの小説の本当の主役はその妻と娘。
取り付かれたように次々万年筆を買ってしまう父あるいは夫がいたら・・・と置き換えると怖い。
『赤い宿屋』
他の出版社の文庫にも収録されていて,比較的入手容易なので,見つけたら読んでみてください。
百年文庫 <6> 心 (ポプラ社)
ドストエフスキー 『正直な泥棒』
ドストエフスキーも作家シリーズにありましたよね。作品イメージとは全く関連ないデザインだけど・・・。
この短編は子供たちに読み聞かせてあげたい。
芥川龍之介 『秋』
どんなに正直に自分の気持ちを日記などに綴ろうとしても,文章として表現するのは不可能と感じることはあるけれど,逆にこうやって複雑な心理を目の前に文章で提示されるとハッとします。
女性ならどなたでも,一度は読んでみて欲しいです。
プレヴォー 『田舎』
期せずとも,ここにもう一人のボヴァリー夫人が・・・。
しかし,こちらの女性主人公とった決断が一番心を打ちます。
この百年文庫シリーズ,てっきり新書サイズだと思っていたら微妙に縦が長い。
革小物好きの私でも,さすがにこのサイズのブックカバーは持ってませんでした。
鼻のある男-イギリス女流作家怪奇小説選 : ローダ・ブロートン 他著, 梅田 正彦 訳(鳥影社)
先月からの流れで,メイ・シンクレアの作品「仲介者」が目当て。
8人の女性作家の怪奇小説が納められていますが,やはりこのシンクレアの作品が傑出しています。
ストーリー展開やシチュエーションが怖いのではなく,その恐怖がどこから生まれてきたのか(例えば人間の歪んだ心とか)を考えさせられる作品。
後藤さん
ディケンズ,長尺ですからねえ・・・
でも歴代の顔触れをみるとボルテールって異質ですね。自分も岩波文庫で数冊読んだだけですが。
啓蒙思想家としての硬いイメージしかないけど,意外とアメリカあたりでは,バーンスタイン『カンディード』の原作者ぐらいにしか思われてなかったりして・・・。
葉や花をモチーフにした金・銀装飾が好きなので,万年筆の方はデザイン的には好みです。(2011.02.27 21:02:03)