|
カテゴリ:土づくり 編
ECメーターだけの検査では、心もとない。K
本年の01月後半のこと。 「自分のECメーターで測った土の測定値が1.00 に近かっ たので、慣行の元肥の施肥量を半分にして、メロンを定植した ところ・・・生育が思わしくないので診てくれないか」 と、おっしゃる農家さんからの依頼を受けて、メロンハウスに お邪魔しました。 そのハウスのメロンの典型的な症状がこちら。 定植から3週間近く経過しているというのに、たしかに 先端部の葉色が薄く、下葉はすでに黄色 という、あきらかに肥料切れの症状になっておりました。そこで このハウスの土を再検査することにし、さらに土の診断結果がで るまでのあいだに〔あきらかに肥料切れの状態なので〕 チッソ入りの液肥〔8-3-3〕を3日おきに3回ほど葉面散布 してもらうことにしました。 土の検査結果で、このハウスの肥料分が少ないようなら、すぐに 追肥してもらわねばなりません。しかし、土の検査結果がでるま でに2週間ほどかかりますので、そのあいだの応急処置的な対策 として、液肥の散布という方法をとった というわけですね。 その後の、このハウスの、最初の日、そしてその1週間後と2週 間後の メロンのようすは こちら となります。 列でみるとこんな具合になりますけれど、メロンに勢いが出て順 調に生育し始めましたよ。 のの ということで、メロンの生育の状態からみれば、たしかに ハウスの土が肥料不足であった ことがわかります。では、農家さんの「ECメーターで測った土の測 定値が1.00あった」という話しは、まちがっていたのでしょうか。 たとえば 農家さんのECメーターを使った判定方法に ■ 土の採取場所に問題があった ■ 土を採取した場所が一箇所であった ■ 手持ちの機械が壊れていた ■ 蒸留水ではなく、水道水で測定した といった検査数値が間違いやすいような初歩的なミスによる不都合が あったとでもいうのでしょうか。 いえ、そうではありませんでした。 01月後半にお伺いしたときに、わたくしが採取した土の検査結果でも、 土のEC測定値は、0.8という数値が、たしかにでたのです。 それでは〔ECメーターが土の肥料分があることを示しているにもか かわらず〕なぜ、メロンが肥料切れになったというのでしょうか。 ・・・じつはですね、ECメーターは、ハウスの土のなかのある成分 に化かされているのです〔このあとの1週間ごとの写真とあわせ ての解説は次回へと〕。こちらへ と つづく。 余談ですが・・・ECメーターを自分なりに使いこなすには、 同じハウス内であっても、作物の生育と照らし合わせながら いろいろな場所やいろいろな深さの土を自ら採取して自分で 測定してみることが大切です。 なんといっても、10アールの面積であっても〔10センチ の深さがあれば30トンちかくにもなる〕膨大な土の量を、 わずか数グラムの土で測定しようというのですからね。作物 の助けを借りなければ、正しい診断はなかなかできません。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 29, 2018 02:57:27 PM
[土づくり 編] カテゴリの最新記事
|