あらすじ:リストラされたサラリーマン笹野(役所広司)は人生の先輩と慕っていたインテリ路上生活者タロウ(北村和夫)が死ぬ前に教えてくれた宝物を探しに北陸の赤い橋の近くにある家を訪れた。タロウの言っていた家には老婆(倍賞美津子)と若い女サエコ(清水美砂)が住んでいた。サエコに誘われるままに関係を持ってしまう笹野だったが、彼女は男と交わらないと身体の中に水がたまってしまうという奇病に悩まされていたのだった。それ以来、笹野はサエコの身体に水がたまる度に赤い橋の近くの家を訪れるようになるのだが・・・。
7年くらい前の公開でカンヌにも出品された作品です。あらすじを読んでお分かりの通り、ちょっとエロティックな内容の映画なのですが、インモラル、淫靡、官能、エロス、と言うよりはスコーンと突き抜けた、民話のようなエロさですね。そして、とてもユーモラスです。セックスしないと身体中に水がたまってしまう女からどんどん流れ出る水、水、水・・・。家から流れ出し川へと注ぐ水。「赤い橋の下のぬるい水」ってこういうことだったんですね。
そんな女を可愛らしく演じきった清水美砂も素晴らしいけど、いやー役所広司っていい男だなあ!!水がたまった彼女のもとへダッシュでかけつける広司(アフリカ人マラソンランナーを抜く!)、リストラされ漁師デビューして船酔いしつつも頑張って網を引く広司、ちょっと北陸なまりを喋ってみる広司、哲学者なタロウさんの家で人生相談を体育すわりで聞く広司、素っ裸で雄大な立山連峰を望む窓辺にぶらさがる広司・・・すべて最高です!!(でも演技は「Shall we ダンス?」と同じだ!!)
あと、いい味出していたのが若い漁師役の北村有起哉(タロウ役の北村和夫さんの息子さんだそうです)。見た目チンピラで血の気が多そうだけど面倒見のいい男の役で、なんかパッと見さえないけどなんかこの人、すげーいい演技するなあ~と思い調べてみたら「バックダンサーズ!」でDJケンちゃんの役をやっていた俳優さんだったんですね。このケンちゃんもすごくいい味だしてました。
同じく今村監督作品で清水美砂、役所広司コンビの「うなぎ」という映画も要チェケらなければ・・・。