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ドクターイワタの認知症ブログ~東海エリア最高の治療実績~

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Jun 7, 2015
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長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト​

香流川沿い散歩

20150607@ガクアジサイ
ガクアジサイ
20150607@オオキンケイギク
オオキンケイギク
20150607@タイサンボク
タイサンボク
20150607@クワの実
クワの実
20150607@ツリガネソウ
ツリガネソウ
20150607@ハグロトンボ
ハグロトンボ

症例報告

20150607@5362@441
知り合いからの紹介である。物忘れ、易興奮、甘い物好き、収集癖、腕組みからレビースコア:0.5 ピックスコア:4。頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.前頭葉萎縮中等度、3.左側頭葉萎縮軽度、4.海馬萎縮なし、5.両側基底核ラクナ脳梗塞数カ所、6.その他 左>右脳室拡大軽度。以上から、前頭側頭葉変性症として治療を開始した。中核症状は改訂長谷川式: 19/30、近時記憶1/6と軽度低下していた。認知機能および前頭葉機能回復のためフェルガード100M朝2包夕1包を勧めた。1ヶ月後は周辺症状および中核症状は不変だった。易興奮に対してウインタミン4mg夕を追加処方した。4ヶ月後、上記周辺症状はほぼ消失しており、改訂長谷川式:23/30(+5)、近時記憶6/6(+6)と著明改善した。御家族の判断でウインタミンは内服していなかった。7か月後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+7)、近時記憶6/6(+-)と治癒状態となり、上記周辺症状は消失した。

20150607@5505@442
グループホームからの紹介である。前医からメマリー10mgが処方されていた。物忘れ、アパシー、せん妄、帰宅願望、徘徊、夜間不眠、死にたい、自傷行為、語義失語からレビースコア:2、ピックスコア:9。頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.前頭葉萎縮軽度、3.左>右側頭葉萎縮中等度、4.左>右海馬萎縮軽度、5.境界領域梗塞、6.その他 両側淡蒼球石灰化、ピック切痕。以上から、前頭側頭葉変性症(FTLD)を呈するDNTC類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト: 1/9、改訂長谷川式: 3/30、近時記憶0/6と高度低下しており、意味性認知症の状態だった。認知機能低下にレミニール4mg/ナウゼリン10mgを開始、フェルガード100M2包を勧めた。易興奮のため前医からのメマリー10mg中止、グラマリール25mgを開始した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:4/30(+1)、近時記憶1/6(+1)とやや改善、周辺症状は語義失語以外すべて消失した。4か月後、中核症状は改訂長谷川式:6/30(+1)、近時記憶1/6(+-)と更に改善した。易興奮なくグラマリール25mgを中止した。7か月後、易興奮 帰宅願望 徘徊が再出現したためグラマリール25mgを再開した。

20150607@5634@443
有料老人ホームからの紹介である。往診医からアムロジン、メトグルコ、セイブルが処方されていた。既往歴:H26/4頭部外傷。H26/7正常圧水頭症疑い、タップテスト陰性。H26/8ドネペジル3mg→下痢中止。物忘れ、嚥下困難、易転倒、薬物過敏(ドネペジル3mg下痢中止)、語義失語、振戦、小刻み歩行、歯車様固縮からレビースコア:5.5、ピックスコア:2。頭部CT:1.頭頂葉萎縮な、2.前頭葉萎縮なし、3.側頭葉萎縮軽度、4.海馬萎縮中等度、5.両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域脳梗塞、5.その他 脳室拡大。以上から、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト: 1/9、改訂長谷川式:4/30、近時記憶0/6と高度低下していた。認知機能低下にリバスタッチパッチ4.5mgを開始、NewフェルガードLA粒4錠を勧めた。VDに対してプレタール100mgおよびサアミオン10mgを開始、プロルベインDR4Capを勧めた。歯車様固縮にドパコール100mgを開始、グルタチオン2000mg/Vit.C2g/Vit.B12=1Ap/ソルコセリル4mL、せん妄にシチコリン1000mgを勧めた。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:4/30(+-)、近時記憶1/6(+1)とやや改善、初診時のP104/70からBP82/46に低下しており、往診医からのアムロジンを中止するように指示した。 歯車様固縮にドパコール100mgから300mgへ、グルタチオン2000mgから2800mgへ増量した。4か月後、中核症状は改訂長谷川式:5/30(+1)、近時記憶2/6(+1)と更に改善した。

20150607@5559@444
知り合いからの紹介である。他院からアムロジンなど。物忘れ、薬物過敏(インターフェロンで壁が迫ってきた)、ドネペジル3-5mgで変化なしからレビースコア:2、ピックスコア:2。 頭部CT: 1.頭頂葉萎縮なし、2.右>左前頭葉萎縮軽度、3.右側頭葉萎縮軽度、4.右海馬萎縮軽度、5.両側基底核ラクナ脳梗塞数カ所、6.その他 右ピック切痕、右>左脳室拡大。以上から、レビー小体型認知症(DLB)として治療を開始した。中核症状は改訂長谷川式: 23/30、近時記憶3/6とやや低下していた。認知機能低下にレミニール4mg /ナウゼリン10mgを開始、NewフェルガードLA粒4錠を勧めた。脳血管性認知症はないが、アムロジン中止してプロルベインD2Capを勧めた。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:19.5/30(-3.5)、近時記憶3/6(+-)と低下した。アムロジンを中止したにも関わらず、初診時のBP150/84からBP140/64へ低下していた。認知機能低下にレミニール4mgから8mgへ増量した。御家族の希望によりプロルベイン210Capで中止され、アムロジン再開した。4か月後、中核症状は改訂長谷川式:23/30(+3.5)、近時記憶4/6(+1)と回復した。7か月後、改訂長谷川式:24/30(+1)、近時記憶6/6(+2)へ更に改善した。
 
20150607@4564@445
インターネット検索で来院された。物忘れ、昼間傾眠、夜間不眠、甘い物好きからレビースコア:3、ピックスコア:3。 頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.前頭葉萎縮軽度、3.側頭葉萎縮軽度、4.海馬萎縮軽度、5.両側基底核および深部白質ラクナ脳梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビー小体型認知症として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:27/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にドネペジル1.5mgを開始、Newフェルガード2包を勧めた。脳血管性認知症に前医からのエパデール維持、サアミオン10mgを開始した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:18/30(-9)、近時記憶4/6(-1)と著明低下した。認知機能低下にドネペジル1.67-2.5mgに漸増 、メマリー5mg を開始、昼間傾眠にシチコリン1000mgを開始した。1年後、改訂長谷川式:24/30(+6)、近時記憶6/6(+2)まで回復した。1年半後、中核症状が改訂長谷川式:13/30(-11)、近時記憶0/6(-6)と再度著明低下した。認知機能低下にメマリー5mgから10mgへ増量、脳血管性認知症にプレタール50mgを開始した。2年後、中核症状は改訂長谷川式:26/30(+12)、近時記憶4/6(+3)へ舞い戻った。


基底核に石灰化のある認知症の病状と治療反応性―DNTC類似疾患の認知症状、臨床病型、治療法―

考察(前半)
DNTCは神経病理学的分類であり、神経原線維変化のみが見られ、アルツハイマー病に分布する老人斑が見られないことを特徴としている。そのため確定診断は剖検を待たなければならず、DNTCの初期の報告は日本からの剖検例に限られていた1-3)。しかし、その後の報告では臨床的にPick病様症状およびDLB様症状を呈する初老期認知症であり、神経放射線学的に前頭側頭葉萎縮および両側基底核石灰化を呈していれば臨床的にDNTCと診断してよいとしている4,5,7)。1994年Kosakaの病理学的DNTC16例の報告の中には臨床病型としてATD4例を含んでいると報告しており3)、臨床的DNTCと病理学的DNTCが必ずしも一致するとは限らない。従って、筆者は基底核石灰化を伴う認知症をDNTC類似疾患と総称することにした。
2013年Yamadaらは岐阜大学および新潟大学で行った65歳以上の頭部CT施行患者において両側基底核に点状石灰化28%、斑状石灰化2.6%と報告している17)。残念ながら基底核の石灰化と認知症の関連については検討されていない。今回、当クリニック認知症外来に初診患者として来院された患者さんの中で、頭部CTで基底核に石灰化のある患者50名について、基底核石灰化分布、認知症の病状、臨床病型、治療法、治療反応性を検討した。
基底核に石灰化を伴うDNTC類似疾患50例の頭部CT上の基底核石灰化分布と臨床病型を比較検討すると、認知症外来で頭部CT上基底核石灰化を認めたら90%が非ATDであり、その中でFTLD系(FTLDおよびLPC)が72%(約3/4)、DLB系(DLBおよびLPC)が52%(約1/2)ということが分かった。これらの結果は、臨床的DNTC診断を提唱するグループの報告4,5,7)、1994年Kosakaが病理学的DNTC診断の中にATDを含むという事実に合致する3)。今回の結果から点状石灰化(直径5mm未満)はDLB系(DLBおよびLPC)に多く、斑状石灰化(直径5mm以上)はFTLD系(FTLDおよびLPC)に多いことがわかり、非対称性石灰化はFTLD系(FTLDおよびLPC)に多く、石灰化側の大脳半球萎縮を伴う傾向が見られた。認知症外来において頭部CT上基底核石灰化を認めた場合、基底核石灰化分布の観察は正しい診断のために大切である。
DNTC類似疾患50例の臨床病型と認知症治療薬4種の比較検討を行い、認知症治療薬4種の至適用量について検討したところ、FTLDはレミニール4-8mg、DLB系(DLBおよびLPC)はリバスタッチパッチ2.25-9mg、ATDはドネペジル2.5-5mgが至適用量であった。リバスタッチパッチ発売開始前はDLB系(DLBおよびLPC)に対してドネペジル1-1.67mg投与していた。経過観察中、認知機能悪化が見られたDLB1例、ATD1例にメマリー5mg投与した。いずれの認知症治療薬の至適用量も添付文書の増量規定に比較して少量投与が必須であった。認知症治療薬は用量依存性ではないので少量から投与を開始して認知機能が回復したら、その用量で留めておき、認知機能が低下した際に漸増することが大切である。
DNTC類似疾患50例の臨床病型とフェルガード類の選択について検討したところ、FTLD系(FTLDおよびLPC)はフェル100M2包、DLBおよびADで穏やかなタイプにはNewフェル2包を選択した。FTLD系でも意味性認知症(SD)はNewフェル2包を選択した。今回のDNTC類似疾患50例の検討では、治療前後のHDS-Rスコアおよび遅延再生が有意に回復した。これらの事実は、認知症治療薬の少量投与およびフェルガード類併用療法の有効性を示すものである。





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Last updated  Jun 18, 2023 05:11:44 PM
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