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テーマ:旅のあれこれ(10090)
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![]() 山田暁生(やまだあきお)先生 ■プロフィール ■これまでの記事 ■ムービー ■「子どもの個性をつぶす親・伸ばす親」(Z会『zigzag time』2006年7月号特別企画) 南米編(その5) 日本にも人間の力と英知の偉大さを知らされる遺跡はたくさんありますが、海外にもその規模の大きさには感心を超えて驚嘆すらする遺跡がたくさんあります。それは、日本の遺跡では考えられない“超”巨大な規模なんです。 その代表的なものがエジプトのピラミッドなどですが、私が訪ねたアフリカ・ジンバブエの“グレート・ジンバブエ遺跡”、トルコ・ネムルート山頂の遺跡、中米のジャングルに無数に点在するマヤ遺跡などなど、それはもう数え切れないほどあります。 運搬機械や掘削機器など全くなかった時代によくもまあこんなものがこんな場所に構築できたものだと、見上げ、中に入ってその造りを見たとき、驚きの声さえ出ないほどのことを古き昔の人々がやってのけているのです。その力の大きさは実物を前にした時、初めて実感できます。どんなに良くできた映像も絶対かないません。実物の迫力というのでしょうか。 こんなことをその場で感じた時、お金と時間をかけてわざわざ“ここまで足を運んで来た苦労”は一挙に吹っ飛んでしまいます。 全ての遺跡に言えることですが、特に私を引きつけるのは、それを築き上げた“技術”です。 ナスカの地上絵観光を終え、ペルーは首都リマから飛行機でアンデス山脈を越え、インカ帝国時代の首都・高地(約3400m)クスコに降り立ち、遺跡観光を始めました ![]()
いきなり赤褐色の屋根が連なるインカ都市に入り込んだ私はその時代に引き込まれた気分になり、その雰囲気に酔っていると、これまた今までに見たことのないすばらしい石垣を目の当たりにしました。これといって工作機械が何もない時代にカミソリ1枚通さないこんな精緻な石垣を築いている事実を見せ付けられたのです。現代なら精密な工作機械がありますから、こういう細工も可能でしょう。しかし、鉄の道具すら見つからないこの時代、この地で、どうしてこんな工事ができたのでしょうか。石を適当に削り、できたすき間を目張りするようないい加減な造りではないのです。隣の石とぴったり奥まで合うように削り、石垣が縦に揺れようが、横に揺れようが絶対ズレが来ないように組み重ね、少々の地震などではビクともしない造りになっているのです。誰でも思うことですが、「これ、本当に石垣の奥までカミソリ1枚通さない造りになっているのだろうか。表だけじゃないのか」と。私にもそんな気持が起きてきました。 スペイン人が黄金を目当てにインカ帝国にやってきた時、やはり同じように思ったらしく、1部を壊して調べたようです。なんと石垣の奥の奥までピタリと石を削り、作ってあったということでした。インカの人たちの“美”へのこだわりは薄っぺらな表だけの見栄えではなかったんですね。そのインカの人々の美意識に私はとても共感しました。 「写真展」なのにきょうは私の思いを皆さんに伝えたくて、ことばの多い1ページとなってしまいました。次回はことば少なにし、クスコの石垣をたっぷりお見せしましょう。 ![]()
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