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本日午前中に裁判所で協議が行なわれ、和解成立しました。
先日書いた通りの提示額。謝罪文はなしという条件のままです。 前日まで、本当にどのような決断をとるのが、家族や支えてくれる皆さん、 そしてこれからの医療にとって良い結果になるのか悩みました。 被告も、私が出した裁判所の提示額から2倍の条件提示を飲んできたことは、 それなりの努力があったかも知れないし、逆にそうしてまで和解してしまいた いという意図もあったかもしれない。 でも、どちらにせよ条件を飲んでもらったことには違いない。 それで、さらに条件提示をぶつけるのはどうか? とも思ったのですが、最後に2つの条件提示を裁判所と被告に提示することで 和解に応じることにしました。 (被告に対して) 1.みなさんから寄せられたメッセージを必読とすること。 2.謝罪文の代わりに、被告自らが証言した通り、 「この事件以来、被告はスタッフと話し合った結果、VBACを取り扱うことは 危険と判断し、今日までVBACの取り扱いを止めている。」 という文章を記載する。 (裁判所に対して) (1)みなさんから寄せられたメッセージを必読とすること。 (2)このメッセージを読んだ上で、今回の事件の和解に関する妥当性について コメントをつける。 それぞれにこの2つの条件を出しました。 結果は、裁判所については一応の対応を貰い、被告については(1)については快諾、(2)については拒否となりました。 私は、「開業医でのVBAC実施の危険性を知る、経験医として二度と同じことが 起きないように一緒に世の中へ警告するという意味で、母児に優しい産科医療の発 展を一緒に訴えて欲しい。」 とお願いしましたが、やっぱりこれは被告にとっては、 「罪を認める文言に該当してしまう、ランキング本でも上位ランクされるほどの 人気の医院だけにこれからも分娩を取り扱っていくことを考えても、できない。」 と言われました。 本当は、一つでも拒否されれば和解を蹴るつもりでいましたが、これ以上粘ることが 完全な正当主張であればそれもいいけれど、それが被害者感情からくるエゴであって はいけないと思って今回和解成立に運びました。 それにリスクを考えると、現段階で結果的に50%の賠償金が成立していることは、 十分に社会的影響を与える結果になっていると判断しました。 私はこの裁判で、常に被害者感情だけで主張しないようにと色々な角度から考えるよ うにしてきました。 今再び裁判を起した原点に戻ると、私自身は、 「VBACにガイドラインもなく、助産院で実施しても違法にならないという日本野放し状態の実態にメスを入れたい。」 と始めた裁判ですが、法の下の裁きをもって平等に裁くというのが裁判である以上、 被告の立場からすれば、「何も違反行為はしていない・・・。」という主張するのも当然だとも思いました。 そんな意味からも、裁判の性質上、今の状況で、これ以上粘る事は、決して双方にとっても有意性は少ないと判断しました。 私自身、恨み妬みで起した裁判ではないし、これが客観的に見ても妥当な和解であると、 裁判所や両弁護士も判断されているようなので素直に受け入れます。 確かに、和解金額は遺族からすれば、元々の請求額だって「これが妻の命の値段」と考えてしまうと、納得のいく数字ではなかったのだから、両手を挙げて喜べないのが本音です。 しかし、裁判所や弁護士の世界には相場観で客観的に見る金額があり、自分が感情的な主張をしているのか冷静に判断しなくてはならないとも思いました。 私はこの和解金が妻の命の値段という考え方を切り替えました。 このお金は、被告から勝ち取ったのではなく、妻が私達のために届けてくれた大切なお金なんだと考えれば、たとえ1円だって、宝くじで当てた3億円よりも私達家族にとって価値のあるお金に思えます。 そう考えたら、これまでの息苦しさがスーッと抜けた。 でも、それで楽になったとう訳ではない、妻からの返事がもらえない今、 「これで良かったのか?」って自問自答してしまうし、裁判が終わることへの不安 のようなもも、心のどこかに引っ掛かっているみたいです。 でも、裁判は幕を下ろす決断をしたのは私です。 だから気持ちを切り替えました。 帰り、裁判官や両弁護士に挨拶をして退出。 待合通路の前で、再び被告弁護士から声をかけられると、「今度是非店にも来てください。」と別れた。 裁判が終われば、原告被告敵味方なんて関係はもうない、縁はどうあれ人生で出会った人。これからは人と人との付き合いに変る。 そう考えたとき、自分の店で今度は店と客としてのつながりが始まるのも良いのではないかと思った。
Last updated
Mar 9, 2005 01:21:59 PM
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