カテゴリ:数学は芸術だ
参議院選挙の結果がでています。(くわしい結果は明日の新聞で見るとして)
全国区比例代表の定数48が「ドント方式」という計算で割り振りされる。 「比例」というと、ちゃんと比例配分される印象があるけれど、 割り当て数が「48」という整数であり、投票数が何千万であれば、最後には端数の始末になる。 計算例として、スケールを小さくして。 「定数16」をÅ:10万、B:5万、C:3万、D:2万、E:1万 の得票で配分した場合。 単純に投票数20万で定数16だから、頭割り比例配分すれば、 A:8.0議席、B:4.0議席、C:2.4議席、D:1.6議席、E0.8議席。 四捨五入すれば A:8議席、B:4議席、C:2議席、D:2議席、E:1議席 (1議席不足するから、Dに泣いてもらって0.6を切り捨て。) A:8議席、B:4議席、C:2議席、D:1議席、E:1議席 これが、ドント方式で配分すれば、 A:9議席、B:4議席、C:2議席、D:1議席、E:0議席 あれー? CDEの「端数」がすべて切り捨てられて、まるまる、「端数のなかったA」にいっちゃう。 【計算式】 (A:10万÷9≒1.1万) (B:5万÷4≒1.2万) (C:3万÷3=1.0万) (D:2万÷2=1.0万) (E:1万÷1=1.0万) ※Cの3人目、Dの2人目、Eの1人目の「1.0」より、Aの9人目の「1.1」が優先。 (Bの5人目、Aの10人目も「1.0」。定数が20あれば、1万票ごとに1議席。) もともと、参議院全国区が「完全個人票」だったとき、 たとえばA党候補の実力にばらつきがあって、一人が大量得票したら他の何人かが共倒れ、 というのを防ぐために作られたような歴史で、 「比例配分」が原点でないのが、いまの「比例代表制」のしくみ。 その良し悪しは別にして、そういうことであれば、 「比例」という名前を使ってほしくないなあ。 「山分け方式」とか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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