カテゴリ:とくに、干拓問題など
「八ッ場ダム」に比べると、ニュースの扱いは小さいが、
以前も話題にしたことがある、 広島県・福山市の「鞆の浦」埋め立て・架橋計画をめぐる、住民側「差し止め訴訟」で 広島地裁が「埋め立て差し止め」を命じる判決(2009/10/1毎日) 【能勢裁判長はまず、景観利益について、最高裁判決などをもとに、「法律上保護に値するもの」と認定。鞆の浦の景観を「歴史的、文化的価値を有するもので、国民の財産」などと評価し、「工事が完成した後に復元することはまず不可能」と指摘した。 そのうえで、公水法や関連法規は、個別の景観利益も保護していると認定。「計画は景観を侵害するもので、政策判断は慎重になされるべきだが、よりどころとなる調査・検討が不十分、不合理な場合は裁量権の逸脱にあたる」と判示した。】 橋は「道路を通して便利にしたら地元が便利になる」の目的計画。 「便利さ」と「景観」の天秤を、裁判所が決めるものではないと思うが、 判決は、「まず、ちゃんと見えるところに天秤を置きなさい」というもので、 「どっちを取れ」とは言ってない。 冷静な判決といえる。 ◇原告「対立望まない」 県や市に協働呼びかけ (同10/2広島地方版) 【・・原告団長の大井幹雄さん(69)は「昨日の敵は今日の友。すぐに融合できる」と自信を見せる。松居秀子事務局長(58)は「またゼロからの出発。行政、住民共々、再度調査していきたい」と述べた。 原告弁護団の山田延広弁護士は、計画に賛成している人たちに対し「この判決をもって、もう一度、県や福山市の説明に正当性があるか判断してほしい。そうすれば、弁護団や住民の一部が、個人的問題として反対しているのではなく、もっと大きな日本国中の利益があるとわかるだろう」と呼びかけた。藤井裕弁護士も「判決は鞆を魅力あるまちにする第一歩だ」と力説した。・・】 ◇県「到底承服できぬ」 控訴は今後検討 【・・判決に対して「景観は大事だとの認識はずっと持っている。漠然ととらえられた景観利益と(県が出した)投資効果との比較の中で、極めて客観性に乏しい結論だった」と批判。また、「今回の計画は景観を侵すものだとは思っていないし、公共性の高いもの。地区のほとんどすべての方が計画を望んでいる」として、「現在の案を推し進めるのが最良であるとの気持ちに全く変わりない」と話した。】 県のコメントが、「思い」「気持ち」だけに終始して、 判決のいう「調査・検討の不十分なままの決定」に、 「いや、十分調査・説明をしました」と、異議を申し立てできないのは、 たぶん、判決内容を理解してないんだろう。(いや、してるからこそ?) (じつは、私は、広島県の観光地で実際に行ったことがあるのは「鞆の浦」だけ。 のんびりして、じつに風情のあるところです。) 港をパスして福山方面に抜けるなら、「グリーンライン」というのも別にある。 のんびりした、せまい町に「いい道路」を作っても、 「ぬけ道」通過車両が増えるだけで、地元の役には立たんと思う。 京都の「天橋立」に道路を作って、宮津市から丹後半島まで直結したら便利だよ… って、地元の人は誰も言わんでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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