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カテゴリ:真田fanの日々
幸村主役の真田本で、信幸様のあまりの扱いに涙していた私でしたが、この本は信幸様がタイトルロール!
期待を裏切らないステキな信幸様にウットリでした!! だからといって幸村(この本では「信繁」で統一)が引き立て役というわけではなく、幸村は幸村でカッコよいのでそれにも満足。 とはいえ、主役だけに、もっぱら信幸様の活躍メインで描かれてますけど^^; 冒頭には幸隆様の登場シーンもあってうれしい限り(^^) 晩年の幸隆様が9歳の源三郎に語って聞かせる場面があります。 「自分たちの生きる土台は土地だ。 先祖伝来の地を奪われ、家族は殺された。 民百姓は奴婢となり、女童は売られた。 戦に負けるとはそういうものだ。 真田の地を守れ。 二度と再び他人に蹂躙されることがないようにせよ」 信幸様改め信之様が晩年、心願は何だったか訊ねられ、この言葉を思い出すのがしみじみきました。 父・昌幸公はもちろんのこと、祖父・幸隆様の生き様が信幸・信繁兄弟に与えた影響も大きかったのでしょうね♪ 信幸様の最初の手柄は甲府脱出行。 女子供を率いて、織田の残党狩りを避け、飢えに耐え、襲い掛かる野武士たちを撃退しながら、苦難の末に戸石城に辿り着きます。 その後は北条、上杉と合戦続き。 合戦のたびにすぐ前線に出て行く兄上♪ステキ♪♪ そして、徳川の第一次上田攻め。 この本では、信繁は上杉の人質に行ったまま戻ってきていません。 信幸様の活躍の華々しいこと♪ 敵方の若武者を殺さずに、「惜しめや命」と言い残して駆け去るなんて、カッコいいにも程があります! (作者の創作なのか、言い伝えで残っている話なのか分かりませんけど…) 秀吉との対面、福島正則との誼、家康暗殺の噂に自ら警護に出る話。 そして犬伏の激論と、父弟との別れ。第二次上田攻め。 関ヶ原の後、昌幸・信繁の助命嘆願をするシーン。 細かいエピソードと大きな流れとが組み合わさって、とても読み応えがありました。 松代転封以降のエピソードでは、信繁の遺髪を弔う話で、なぜ信繁が「幸村」になったのか、作者の想像も働いていて面白かったです。 晩年の信之様は、戦国大名の生き残りとして大変尊敬されたとか。 それにしても93歳とは長生きなさいました。 芳名帳をひとりひとり読み上げる姿には、長く生きた者の哀しみが伝わってきました。 右近とのやりとりも面白い。 「殿。ありがたき幸せ。わが父母をお弔いいただいているとは」 「うむ。もう十年もすれば、右近の名を読み上げるぞ」 「十年でござるか。とすると、大殿は百三歳、それがしは八十四歳。 これではまだ大殿もそれがしも生きておりますゆえ、読み上げられませんな」 信之様の最期は、なんというか、もう本当にお疲れ様という感じでございました…。 右近、ちゃんと信之様の手をとって、一緒に三途の川を渡ってね。 まあとにかく、読んでいて幸せな小説でございました。 どちらかといえば淡々とした筆致なんですが、ヘンな濡れ場(^^;)もないし、細かいエピソードも利いていました。 やっぱり私は幸村ファンでなく信之様ファンなのね、と再認識した次第です。。 P.S. この本で私の最近のギモンが解決しました。 大叔父・矢沢頼綱殿について、『謀将・真田昌幸』では綱頼となっていたので、何でだろうと思っていたのです。 WEBで検索しても、両方の名前でヒットするし。 この本によれば、当初は「綱頼」と名乗っていたのが、勝頼に遠慮(?)して頼の字を先に改めたとか。 本当のところはどうなのか分かりませんが、納得しちゃいました。 それにしても、この本の頼綱がまたカッコいい!痺れます!! ↓加盟中! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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