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言 い た い 放 題 !  アッキー 28 号

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2006.09.30
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カテゴリ:自閉症
ブログで交流しているひねもす母さんの頁に紹介されていた
自閉症児のおばあちゃんの記録、『星の国から孫ふたり』
(門野晴子、岩波書店、2005年)、図書館から借りてきて、
一ヶ月でようやく今日読み終わりました。

よかったよ! 自由と平和を愛し、障害者がいきいきと生活する
米国バークレーで国際結婚、自閉症児二人を育てる娘さんご夫婦
のところへ応援に行く、「ババ」の目から見た、「異星人」の
ような孫をめぐる様々なストーリー。

はあはあと息せき切って子どもの後を追いかけるような大変な
場面でも、すらっと視点を変えて、でも、本当はこうだよねーとか、
スイートなこの子は本当に可愛いな、という風にユーモアたっぷりに
描いてみせる門野さん。こんな風に子どものことを見ることができたら
すてきだなぁと思います。

そして、自閉症の特性について、親の私でもなかなかしっかりと理解
できていないようなことを、さらっと分かりやすく書いてくれている
ところに、さすが、門野さん! と感動。

早期療育のよさ、インクルージョン、自閉症の子どものことを
「それも才能だね」と「評価」してくれるバークレーの人たち。

いいないいな、とってもいいな。こんな街に住んで、行政のサービスとして、
療育のプロにあたりまえのように家に来てもらえる、てこと。

個人的にすてきな指導者を探して、療育教室に自前で通う私たち日本の
親と比べたら、めちゃんこすてきで恵まれてるじゃん。

ついそう思っちゃうけど、いろんなことすべてひっくるめて、
どこでどんな生活を、どんなパートナーと共に過ごすのか、
という選択の場面で、米国ではなく生まれた国の日本を選んでいる
私たち。

「いいとこどり」じゃ、すまないんだよね。

自分たちの街に、自分たちの手で、よりよき場を作っていかないと
いけないんだからね。

そんな風に思いながらも、障害児を育てるなら、こんな街で育てたい、
と心底うらやましくも思うのでありました。

イラクでの戦争や大統領選をめぐる、バークレーならではの
人々の反応や、苦手な英語というハンディにもかかわらず、
コミュニケーションをひろげ、仲間をつくっていかれる著者の
実行力のすばらしさと自由な感性にも、とても心惹かれました。

一つ一つの文章が、1-3頁と短くて、本をふっと手にとり、好きなだけ
読んで楽しめるのがいいですね。ただ、一つ一つの文章が独立して
いるために、じゅばーんととばして夢中で読み進むことはしづらかった。
それだけは、この本の思わぬ短所かも。

自閉症の子どものことを、中国では、「星の子」というように
表現するのだそう。

ロマンティックなそんな言葉をタイトルに使い、オーティズムの二人の
孫たちを「王子と姫」「可愛い、可愛い」と書くおばあちゃんのあったかい
こころ。

子どもたちの写真が載った表紙は親しみやすく、すてきな本だと
思います。え、これが岩波書店の本!? て、思わずビックリしたくらい。

いろんな方に読んでいただきたい、すてきな本だと思いました。







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Last updated  2006.10.01 02:55:55
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