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■ビッグ・スリーはもう死んでいる こういう記事がある ―――― ◇ ―――― ○ ビッグスリー救済案先送り 米議会、採決を来月初めに 産経新聞 2008年11月21日(金) 販売不振と資金難で経営危機に陥ったビッグスリー(米自動車3大メーカー)への支援をめぐり、議会多数派の民主党指導部は20日、記者会見し、250億ドルを緊急融資する救済法案の採決を来月初めに先送りすることを明らかにした 採決は同日予定していた また、救済の是非を判断するため、3社に対して経営改善計画の提出を求めた ビッグスリーは緊急融資の早期実現を議会に求めていたが、その行方が不透明となり、ニューヨーク株式市場の株価は急落した 下院公聴会では、ワシントンに来るため社有ジェット機を使っていたことが判明し、経営陣の感覚のズレも問題視された 民主党のリード院内総務は「自動車産業の首脳たちは、米国民と議会にこの救済が最後だと納得させることができなかった」と強調した ペロシ下院議長も「彼らが計画を示すまで、お金を見せることはできない」と述べ、緊急融資の返済を裏付ける収益改善計画を議会に提示するよう求めた 提出期限は12月2日。支援が妥当と判断されれば、議会は同月8日に再招集されるという 一方、民主党のレビン上院議員(ミシガン州)ら、米自動車産業の拠点が集結する中西部各州選出の超党派議員団は同日、低燃費車増産を目的に議会ですでに承認された250億ドルの低利融資制度を転用してビッグスリーに緊急融資する妥協案をまとめた 民主党が今週提出した金融安定化法の7000億ドルの公的資金枠を活用する法案と異なり、ホワイトハウスも「大統領が署名可能な案」(ペリーノ大統領報道官)としている しかし、ペロシ下院議長ら民主党指導者は、環境エネルギー政策の一環である同融資制度を資金繰り支援に転用することに強く反対し、あくまで金融安定化法の適用を主張。現時点で「上下両院で可決でき、大統領が署名できる法案はない」(ペロシ氏)とした ―――― ◇ ―――― 大変なことになっている 要約して言えば、GM・フォード・クライスラーの米自動車大手、いわゆる「ビッグ・スリー」が、最近のリーマンショックで、「ますます」経営危機に陥り、政府に緊急融資という形の救済を求めた しかし、議会(下院)はこれに対して、「納得いく返済計画を提出しろ!」と、ビッグ・スリーに宿題を与えたわけである 言いかえれば、素直に、即座の救済はしなかったのである というのも、この恐慌に近い経済危機の中で全ての国民および経済界が苦しんでいる状況下であるから、如何に米国の基幹産業であるデトロイトに対してであろうとも、自己責任と平等の精神から(今の段階では)特別扱いはしないということである ―――― ◇ ―――― しかし、GMなどは、その宿題提出の12月にも資金繰りに詰まるという予測である また現在の政府・共和党は救済をよしとしていない そうなれば救済は事実上、時間切れになる恐れもある その一方、オバマ次期大統領がビッグ・スリーの救済を唱えているから、最終的には民主党主導で、なんらかの救済が実行される可能性も強い 果たして、このどちらに転ぶのか? 米国と言えばいわずと知れた ・ モータリゼイションの本場 ・ 自動車社会の先駆者 でる 世界に冠たる自動車王国である その米国が、今正に自国の自動車メーカーを全て失うかどうか?という瀬戸際に立たされている もし彼等が全部こけたら、部品メーカーなどの裾野をふくめて、総計、約360万人の労働者が職を失うという大惨事である 事態は予断を許さない重大な局面を迎えているのである ―――― ◇ ―――― ただ、来年からは保護主義的な民主党政権となるのだから、ビッグ・スリーが一時的にせよ、救済されれば、その救済策以外にも、追加的に、いろいろな優遇策・救済策が施策として浮かび上がっては来るだろう しかしこれは、今回の救済策同様、自由主義経済を唱える大本の米国の精神から見て、正反対の施策である すでに米国に進出している日本や欧米の自動車メーカーにすれば、「冗談じゃない!」と言うところであろう 「フェアな競争をしてくれよ!」と言うところであろう しかし、米国はもう、なりふりを構っていられないのである ―――― ◇ ―――― しかし・・・である 私が見るところ、如何に手を尽くしても、もうビッグ・スリーは死んだと思う 企業として、いったん失った競争力は取り戻すことが出来ないと見る その原因は「R&D」である R&D とは、Research and Development 「研究開発」である 自動車産業とは、毎年、魅力的な新型を発表し、環境対策をほどこし、ガソリン以外のエネルギー源に対する対処においても、競争相手と熾烈な競争をくり返して生き残らなければならない過酷な産業である その新型や、環境対策や、新型エンジンの開発には巨額な研究開発費(R&D)を必要とするのである 産業によっては、一度、頭角を現せば、ある一定の期間はそのまま研究開発をそれほどしないでも言い種類の産業もある しかし、自動車産業とは、他産業に対して、優れてR & D 経費が突出した産業であると思う 日本企業の新型開発力、環境対応力、ハイブリッドなど先進的エンジンの開発力の研究開発では、世界でトップである というのも、先進的に、「R&D」に惜しみなく資金を投入しているからである 未来志向であるからである それに対して、米国メーカーは、その分野において後れを取っていた 燃費の悪い大型車を売って平然としてきたのである しかも、今の米国メーカーは、資金繰りに困って、明日の生活費にも困るという、まるであの小室哲哉のような状況である 一時的につなぎ融資を得られても、たこ足、または自転車操業となることは火を見るより明らかである とてもこれから、例えば日本メーカーに追いつき打ち勝つほどに、継続的に R & D に巨額の資金をつぎ込めるほどの資金的余裕が生まれるはずがない しかも、それに加えて今は、自動車産業にとっても大変身を要求されている時代である 原油代金の高騰や、環境対策という今までに無い過酷な条件に対応し得たものしか生き延びることが出来ない、過去にその例を見ない時期である ますます R & D 次第で競争力が違ってくる時代である その結果として、研究開発の成果を反映しないその製品は、当然、今まで以上にその競争力を失い、市場から見向きもされないものとなるだろう まあ、どう見ても、敗者復活のシナリオは見えてこない お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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