運を口説こう。

「すみません、どうしても18:00までに病院に行かなくてはならないんです」


元々は16:00にはお客様先から帰社できるはずだった
でも商談中、お客様が1時間離席した「ごめん、Double Bookだったんだ」
頼むよ、おい、私だって忙しいのよ？
仕方なく1時間、待つ

本来16:00過ぎから参加できるはずだった社内会議
お客様先からタクシーで駆けつけ、16:45に飛び込む
そして会議室に入るなり言ったのが冒頭の言葉だ


「あ、そしたらいいですよ、私の前にやって。ちょうど電話しなきゃならなかったとこだし」
仲良くしてくださっている先輩女子が自分の報告を中断し、私に順番を譲ってくれた


行かなくてはならない病院とは
先週の心療内科だ


効くかどうかわからないクスリだ、
先生は1週間分だけ処方してくれた
私を診てくれた先生は火曜日しかいない
つまり今日を逃すと


クスリがなくなる


18:00までに駆けつけたい私の心境は異常だった
あれがなければ
私は毎日
また辛い思いをしなきゃならない
いつ会社にいけなくなるかわからない


それほどまでに
そのクスリは私をラクにしてくれた


彼のことを考えるたびに
頭に入らない、身が入らない仕事のことを考えるたびに
またあの焦燥感が私を襲う
もう、もうイヤだ、お願いだ、彼のことでいい、仕事は仕方がないから
彼の方でいい、忘れさせてくれ、私の頭から消し去ってくれ！
あのクスリがなければ、私はもう、あの眠れない毎日から耐えられない！


17:58に病院のある駅につく
電車に乗っている最中からケータイに番号をスタんばって
降車するなり電話をする


「あの。16:30に電話した者です。今駅についたんです、18:00までに受付しないと
診てもらえないって話でしたけど5分以内に着きますから。なんとかなんとかお願いします！！」


果たして
診察は2分で終了した
よく効きました、寝れました、クスリください。


それで1,600円かよ。ボロい商売だな、まったく。



クスリを入手して一安心だ。



1週間前から今週の土曜日に興味のない男から野球デートに誘われていた。
その試合は観たいけど、アナタとは行きたくない。
だからずっと無視していたけど
昨夜いよいよ催促が来てしまった

「ごめんなさい。その試合は彼と行くんです」

ウソを、ついた



基本正直者で出来ている私は嘘が嫌いだ
だから
いや
それを自分の中の言い訳にして

彼を誘った「土曜日野球行こうよ」



今日の昼、その返事はやってきた
予定があってダメなんですよね、と


あはは、私を誘ってくれてる男と
私も一緒だ
その男は「彼と行く」そうウソをついた私にこう返してきたのだ
「彼氏がいるの知らなかった、ごめんなさい。でも俺はどうしてもAo-iさんと
野球に行きたいんだ。また誘ってもいいかな。俺ってバカかな」


返信、できねーよ、それに。
だって、私も彼に同じことやってるんだもの


…そーかなと思ってたけど残念。
私もその翌日、駅伝大会に出るから、ホントは野球行ってる場合じゃないのよね。
でもね、一緒に行きたかったの


そんな返信をして終了してるんだから
私だって


でもそれもウソじゃないのよね、だから正直アナタを誘うの迷ってたのよ、
翌日走んなきゃいけないんだもの、
私のことを好きだと言ってる単身赴任のおっさんのチームでの駅伝
いいの、だったら土曜日は美容院にでも行って25日の合コンに備えるわ、そういうこと


病院から自宅に帰って
これまでの私なら仕事の続きをするとこだけど
今の精神状態の私に仕事は無理
TVで交流戦の観戦


一度
彼に
SMSを送ったら

返事が返ってきた


…そうなのよね、反応してくれないことは、ないのよ、ね…



でも土曜日は、なんの予定かな。
デートかな。私とは映画とか見てくれないけど
この間、それっぽいこと、FBに書いてたね？勘繰りすぎな節もあるけど。

でもさすがに、なにするの？なんて聞けない。



本当に、病気だと思う。
とっととクスリを飲んで、今日も、寝よう。おやすみなさい。
文章校正しませんのでお許しを。