アラビア書道とその周辺

久しぶりに緊張しました。200人もの紳士淑女の前で、英語で、アラビア書道の説明をし、更に書道のデモを行ったためです。2月20日、有楽町にある外国人記者クラブ(正式名：日本外国特派員協会)のエジプトナイトという催しものに招待されました。集まった方は、エジプト駐日大使以下、大使館関係者、有識者などちょっとハイソな雰囲気です。

始めにアラビア書道について英語でしどろもどろで説明した後、デモを行いました。ハンディカメラが上手く調節できず、アート紙が光って字が見えなかったり、プロジェクターにうまく映らなかったりして、あせりまくりで、やっと終え、そろそろ店仕舞いをと思ったところ、お節介な進行係から、「アラビア語で『外国人記者クラブ』と書いてくれ」との突然のリクエストがあり、慌てて思いっきり下手なナスヒー書体で書いてしまいました（後に証拠隠滅のため、廃棄しました）。わずか15分ほどのパフォーマンスでしたが、緊張と冷や汗の連続で10キロは痩せました。

この後には常見さんのグループのウード演奏、そして冨田ナディアさんのオリエンタルダンスで盛り上がったので前座としてのアラビア書道の役割は果した感じです。会場の皆さんはアラブ音楽演奏とベリーダンスの勢いでアラビア書道のパフォーマンスがあったことを全て忘れてくれたようです。どうもアラビア書道はパフォーマンスに不向きですね（前にも言ったかも知れませんが）。

演奏は常味氏のウード以外にカーヌーン、レク（タンバリンのような楽器）、バイオリンの四重奏です。バイオリンが加わるのは、日本ではなかなか珍しい。各人ともそれぞれ独自の活動をしており、クライアントの要望により集まって一時的にグループを組むそうです。

冨田ナディアさんは陽気なモロッコ人ダンサーで日本語は全く流暢で何でもかんでしゃべるしゃべる。アラビア人ベリーダンサーとしては細身で、上は16歳になる二人のこどもさんがいるとは思えない程のプロポーションをお持ちの美人ダンサーでした。金色のステッキを小道具として使う、一寸変わったダンスでした。今日はお客さんのノリが悪かったと言っていました。各国の大使や元大使の姿があり、奥様同伴の方も多いので、さすがに皆さん（男性の方々）自己規制をされているようでした。彼女から最近の生徒さんについて、「最近ベリーダンスを習いにくる若い女性が増えている。何故か分からない。ベリーダンスをしてもダイエットに効果ないのに」、「若い日本人ダンサーは露出が多いダンス衣装を好む」、「高い衣装もポンポン買うので皆さんお金持ちですね」など色々面白いお話を聞きました。

来年、もしまた呼んでもらえたなら、アラビア書道のパフォーマンスの方法を真剣に考えなくてはならないなと深く反省した次第。


日本外国特派員協会　（ナスヒー書体）