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オルタナティブな旅**
Copyright(C)alterna_life 2006 All Rights Reserved 日常の中にある、ささやかだけれど たしかな何かを探しに 人気blogランキング オルタナティブな旅 [全73件]
「またかよ」舌打ちしながらヤマザキ君が戻ってくる。 「どうしたの?」僕は業務日誌に点検印を押しながら言う。 「例のロッカーですよ、西口の」ヤマザキ君がうんざりした表情で、 小さな応接テーブルの上に、バサッと封筒を放り投げる。 「なんなんですかね?俺らに嫌がらせですか」 「まさか」と言いながら、僕はヤマザキ君の顔を一瞥してから テーブルの封筒… [続きを読む >>]
山手線に乗ったら、乗客がみんな泣いていた。 ああ、これが泣ける電車かと思った。 あいにく僕は泣きたい気分ではなかったのだけれど、 乗ってしまったものは仕方ない。 どうやって泣こうかと考えてたら、僕の前で吊り革を、 雑巾でも絞るように握り締めて泣いていたおばさんと目が合った。 こんなに悲しいことが世の中にあるなんてね、 とおばさんは僕に同意を求… [続きを読む >>]
久しぶりに動物園に行くと、ライオンがくたびれた表情で僕を待っていた。 「どうしたの、元気ないね」僕は言う。 「歳だからね。暑さがあとからくるんだ」ライオンはぐったりとした顔を 自分の腕に乗せたまま言う。 「そうみたいだね」 「お風呂に連れてってくれないかな」ライオンが言う。 僕は少し驚く。お風呂に、というのではなくライオンが 自分からどこかに行… [続きを読む >>]
駅を降りると、夏はそこで行き止まりだった。 真夏の炎天下に、不意に胸の中が空っぽになるような、あの感じ。 何かに似ている。 なんだろう。夏の非常階段のような。 校舎の喧騒を振り切って、一人で夏の非常階段に出たときのような。 2倍速くらいの、ゆるくて速いスピードで 夏の雲が過ぎっていくのを見上げているような。 つかめそうでつかめ… [続きを読む >>]
一週間ぶりに部屋に帰って冷蔵庫を開けたら熊が住んでいて、 僕はあわてて冷蔵庫を閉めた。 部屋を間違えたのかなと一瞬思って、 キッチンを見渡してみたのだけれど、 それはほとんど間違いなく自分の部屋で、 だったら冷蔵庫だけが違うのかもしれないけれど、 冷蔵庫にくっついた何かの景品でもらった 犬のキャラクターのマグネットには見覚えがあって、 だったら僕… [続きを読む >>]
そろそろ寝ようかなと思ったときだった。 ワールドビジネスサテライトが終わって、 港を出る船の汽笛が何度が鳴ったときに、誰かが僕の部屋をノックした。 こんな時間に誰だろうと訝りながら、 ドアスコープを覗いて見るとライオンがいた。 「どうしたのさ」僕は言う。 「いや、悪いとは思ったんだけど。どうしても聞いてほしいことがあって」 なんだか、ちょっと… [続きを読む >>]
そもそものきっかけは、路地の角を曲がったところで 出会った、一匹の猫だ。 彼女は、この辺りでは見かけない顔をしていた。 猫には猫のなわばりというか通り道というのがあって 僕は、この辺りの猫のことはたいてい覚えている。 この路地に新しくやって来た猫だとすれば あまりにも仕草が溶け込みすぎている。 猫も人間同様、新しい土地に足… [続きを読む >>] |一覧| |
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