おもしろことば 3
おもしろことば 3
『日本語の常識日めくり型カレンダー 2005年版』株式会社トライエックス より
- ☆根回し☆
- もともとは造園用語。木を移植する際に、その周囲をあらかじめ掘って、根を一部切落し、細根を発達させておくこと。
- ☆いらいら☆
- 「いら」は刺(とげ)という意味。チクチクと不快な刺激を受けることをいう。
- ☆猪口才(ちょこざい)☆
- 「猪口」はお酒を飲む「おちょこ」のこと。おちょこほどの才能しかないくせに生意気だということ。
- ☆かったるい☆
- 「腕弛(かいなだるい)」がなまった言葉。「かいな」は腕のこと。本来は腕がだるい状態をあらわす言葉だった。
- ☆物色☆
- 昔、中国の祭礼で生贄にされる家畜は、毛の色艶の良い物が選ばれていた。その選別作業の事を「物色」といっていた。
- ☆のっぴきならない☆
- 「のっぴき」は「退っ引き」と書く。つまり「退っ引きならない」とは、後ろへ引き下がる事ができず、どうにもならない状況の事。
- ☆あっけない☆
- 「あっけ」は「飽気(あくけ)」が訛ったもの。飽気には堪能するという意味があり、「あっけない」は堪能できない気持ちをあらわしている。
- ☆風呂敷☆
- もともとは、文字通り風呂屋で脱いだ衣服を包んだり、足を拭くのに使っていた布の事だった。それが江戸時代以降に物を包む布一般を風呂敷と呼ぶようになった。
- ☆孫の手☆
- 「孫」は本来は「麻姑(まご)」。麻姑は中国漢の時代の美しい仙女。彼女は長い爪を持ち、掻いてもらうととても気持ちが良かったことから。
- ☆ごきぶり☆
- 「御器噛(ごきかぶり)」が転じたもの。「御器」は食べ物を盛るふたつきのお椀のこと。つまりお椀に噛みつくという意味。
- ☆所在ない☆
- 「所在」は居場所という意味。居場所がなくては何もできずに、退屈してしまうことから。手持ち無沙汰であること。
- ☆とんち☆
- 漢字で書けば「頓知」。「頓」は、にわかに、急に、という意味。つまり「頓知」とは、その場に応じて即座に出る知恵のことをいう。
- ☆おべんちゃら☆
- 「べん」は「弁」と書き、話すという意味。「ちゃら」は、でたらめのこと。つまり「おべんちゃら」は、口からでまかせを言う、というのが本来の意味。
- ☆互角☆
- 本来は「牛角(ごかく)」と書き、牛のツノのこと。牛の左右のツノは、大小・長短の差がないので、優劣がつけられないことから。
- ☆でたらめ☆
- 「出たら出たその目」というのが語源。サイコロを振って、その出た目に任せるということ。
- ☆だしにする☆
- 「だし」は昆布や鰹節でとる「出し」。出し汁をとったあとの昆布や鰹節は旨味を取られて用済みになるので、都合の良いように利用することを「だしにする」というようになった。
- ☆伸るか反るか(のるかそるか)☆
- 「伸る」は真っ直ぐ伸びるという意味。曲がった竹は矢に使えないので、矢師が「伸るか反るか(真っ直ぐ伸びるか反り返るか)」と成否を気にしていたことから。
- ☆がってん☆
- 漢字で書くと「合点」。和歌などを批評するときに、優れたものに付けた印を合点といったことから。また、回状(回覧板)に同意し、名前に付けた印のことでもある。
- ☆どんぶり勘定☆
- 「どんぶり」とは、江戸時代の職人が身に付けていた腹掛けのこと。職人達はこれを財布代わりに使い、ろくに計算もせずお金を出し入れしていたことから。
- ☆うのみ☆
- 漢字で書くと「鵜呑み」。鵜飼い漁で知られる鵜という鳥は、魚をかまずに丸呑みしてしまうことから。
- ☆へそくり☆
- 「綜麻繰り」と書く。「綜」という道具を使い、「麻」糸を糸巻きする仕事のこと。つまり、女房達が家計を助けるために「綜麻繰り」をしてためたお金のことをいった。
- ☆冗談☆
- ありふれた話という意味の「常談(じょうだん)」が転じた説と、笑いながら楽しそうに話すという意味の「笑談(しょうだん)」が転じたという説がある。
- ☆よりを戻す☆
- 「縒(よ)り」とは、糸や縄などをねじり合わせること。つまり「よりを戻す」はねじれたものを元に戻すこと。
- ☆あなた☆
- 江戸時代、夫と妻は離れた場所にいたので、妻は夫の事を、あちらのほうの人という意味の尊称で「あるかた」とと呼んでいた。それが転訛したもの。
- ☆漫才☆
- 中世の頃より新年などに祝い言を述べ、舞を舞う「万歳(まんざい)」に由来。それが大正時代、大阪の演芸場などで行われた掛け合い芸「万才(漫才)」となり、のちに吉本興業が「漫才」と表記したものといわれる。
- ☆のろま☆
- 江戸中期、野呂松(のろまつ)勘兵衛という人形つかいの名人がいた。その人形の動作がゆっくりであったため、動作が鈍いことを「のろま」というようになった。
- ☆思うつぼ☆
- 「つぼ」は、ばくちでサイコロを入れて振る「つぼ」。「思うつぼ」とは自分が思った通りの目が出ること。
- ☆飯☆
- 室町時代、貴族の食事を「召し上がりもの」といった。やがて「上がりもの」が省略されて「めし」になった。
- ☆どろん☆
- 歌舞伎や芝居で、幽霊が登場したり消え去る時に太鼓を「どろどろ」と打ち鳴らしたことから。
- ☆珠玉☆
- 珠玉とは「真珠と宝石」という意味なので、小さくて価値のあるものをいう。
- ☆デマ☆
- 煽動(せんどう)、煽動政治を意味するドイツ語「デマゴギー(Demagogie)」を略した言葉。「出任せ(でまかせ)」の略ではない。
- ☆おとなしい☆
- 漢字で「大人しい」と書くように、本来は、いかにも年長者らしく分別もあり、リーダーにふさわしい性格のことをいう。
- ☆侍☆
- お仕えする、そばに控えるという意味の「さぶらう」が語源。つまり、侍とは仕える人のかたわらに常に控え、いざという時に様々な働きをする者たちのこと。
少しずつ増えていく予定です。
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