みんなイチローに見える・・
え~と、今回は落ち込み日記です・・。先日ヒロの学校で進路説明会がありました。進路といってもヒロの場合はそのまま高等部へ進学。学年のみなさんもみなさんそうされるようです。高等部へ上がるときは、外部から入検で入ってこられた方と一緒に同じ高1となるわけですが、この外部からこられるというみなさんは、地域中で過ごしてこられたみなさんだから、たいていのみなさん「できる」わけです。「できる」という表現でひとくくりにするのは違ってるかもだけど、ものすご~くシンプル化するとこのワードに・・。私は地域中の親の会に入っていますから少しなら様子もわかるんですが、基本的には何もかも自力でされてます。そこに親やクラスメート、先生方の見守り、フォローが入るだけです。*中には重度のハンデをおして地域中を選ばれた方ももちろんおられます。地域の中で暮らしたい、というのはときに親のとても大きな願いですから。ともあれヒロのように100%の介助が必要な子とはもう全く違う・・。今の学年のみなさんの中にヒロを置いても、ヒロは相対的にかなり「できない」ですから、来年以降はますますギャップを感じるようになるんだろうなぁ・・。生徒さんを順番に並べるっていう発想がもうおかしい。ヒロなりの成長なり、進歩なりを見て。それはもうすっごくわかってること。普段は、ヒロの1mmの歩みを100m(10万倍だなっ)に拡大するような心持ちで過ごしています。でも一歩離れてみれば力量は一目瞭然。身辺自立、ゼロ。発語、ゼロ。知的好奇心、非常に不足。集中力、非常に不足。理解力、かなり不足。模倣力、ゼロ。物を持つ(物理的に物を持つ)こと、基本嫌い。両手をそれぞれに動かすこと、まず不可。つまり物事を教え込むってことに非常に困難をきたすわけです。たとえば、左手で紙を持って右手ではさみを使う、という基本的な技、ヒロにとってはクリア不能と思われる技なので、学校の作業や課題の時間は非常に苦労している様子。学校の先生にさえ、ふとした折にまぁ、使えるようにはならへんやろけどね・・と言われたほど。何も感じなかったといえばウソになるけど、全くもってごもっとも。はさみの穴に指を入れることがも受け入れらないし、切ることの意味さえわからない。ならばせめてヒロにも扱えそうなはさみを買おうと探して、先ごろカスタネットはさみ、 切るたびに音が鳴ります!ギフトに最適!【即納】送料無料★ユニバーサルデザイン☆カスタネッ...価格:5,250円(税込、送料込)というはさみを買って学校でお預けし、使っていただいているのですが、指を入れなくても使えるバリアフリーはさみでさえ介助がいるし、先日はごねて触るのもイヤだったとかで、なんだかねぇ・・。そんな連絡帳を見たあとに今回の進学説明会。いろいろ説明を聞いたあと、高等部棟の見学に行きました。教室でやってることは中学部の延長という部分もあるので、これといって感じることもありませんでしたが、びっくりしたのは、上のクラスの方の作業実習の時間。「本物の」作業をしておられました。手芸キットに入っているボンドの注入作業。2×3×1cmくらいのビニールの容器(タレなんかが入ってるようなアレね)に大きいチューブに入ってるボンドを、あふれないように、足りなくないように、注入していました。あと、段ボールの接着作業もしていました。ノリをつけた接着面を上からギュッと押しをかけるという作業です。ノリをつけた状態で生徒さんが持ってくる段ボールをあうんの呼吸で押しをかける生徒さんが受け取るんですが、受け取り方にコツがあり、息が合わないとズレてしまうのだそうで・・。ボンドの方は大手通販会社へ納品。段ボールの方は大手文具メーカーへ納品。工賃は全額生徒さんに還元されるそうで、そのお金でたとえば外食の時間などを用意するんですって。働く楽しみをここで覚えさせてもらうというわけですね。作業をしておられる生徒さんの中には、どうして知的障害の学校へ来られているの?と悩むような方もおられます。先生とは普通に会話してるし、突然の親の大群の来訪にも動じる様子さえなく・・。ヒロと同じクラスにいる女の子の母Sさんに、思わずみんな”イチロー”に見えるねと言ったらほんとだね・・と・・。そのSさんはご主人と小さな会社をしておられるんだけど、来月からヘルパーステーションを立ち上げるのだとか・・。昨年そんな話を聞かせてくれていたんだけど、それが今年にもう実現ってすごすぎるよ・・。ヘルパーステーションを経営して資金を作り、ゆくゆくは作業所やグループホームを立ち上げたい、そんな夢を持っておられるとのことでした。なんでその発想に?要は高校卒業後に我が子を安心して通わせられる先がない/あっても入れる保障がないから。いずれ親は先に逝く。それなら我が子を自分の作ったシステムの中に住まわせ、安心したいから。そんなお気持ちでおられるそう。残念ながらヒロの学校の高等部では重度の生徒さんへの支援はどうしても薄くなる傾向にあるらしく、現高3、現高2の知ってる方から出るお話、なかなか辛いものがあります。その中にヒロを置くのか・・。高等部という近未来にさえ、もう雲が立ち込めている感じだし、卒後ときたら、現状の成長曲線ではどうやっても「生活介護」。そこさえ市内には十分なチョイスがないようで、知り合いの高2の方は、◎◎っていう施設がとにかく一旦は受け入れをしてるからそこ行っとけば?と言われてかなり頭に来た、という話からも重度の将来はよさそうじゃないニュアンスが漂ってきます・・。「行っとけば?」の後ろには投げやり感もにおいます・・。イチローじゃなくていい。せめてグラブを手にはめることができ、バットが持てることができ、というレベルにでもなればまだ練習のやりようもあるというものだけど、それだってグラブを手にはめる意味、バットを持つ意味がわかってこその話。ヒロはそこがまずわかんない。さらに今はまだ精神的土砂崩れが続いていて、回復の目途どころか、な状態です。手厚い中学部の大切な時間がざるで水をくむように、こぼれ落ちていくようながっかり感はどうやって埋めたらいいんだろ・・。私が焦ってもヒロは回復しない。子どもは絶対評価で育てよう。わかってはいるけれど、高校進学がいよいよ視野に入ってきたこの時期、それを日々の励みにするにはあまりにも無理がありますわ・・。卒後は「学校」じゃない。誰でも温かく受け入れてくれる環境はもうないのです。相対評価で卒後は決まり、それは親の人生に関わってくるのです。あからさまにあえて言うなら、使える子から決まっていく・・。それは普通の人にもたいてい当てはまるといえる社会のルール。ハンディのある子どもの場合、そのルールはさらに厳しく当てはまる・・。高等部進学はその覚悟を決めていくための3年になるんだろうな・・。気持ちはすっきりしなくて、ヒロの状態が厳しいからストレス解消もままならない。そんな中、ナッツをかんだ拍子に歯が欠けて、歯医者に行くことも決まっちゃったよ・・。さらに今朝ヒロは久しぶりに発作しちゃって送っていくことになり、がっくり、です。送っていくことになるとその日のペースが一旦”ちゃぶ台がっしゃーん!”でご破算になるので、気持ちの建て直すのにヒマがかかりますし、物理的に用事も片付かなくなっちゃう・・。天気もすっきりしないし、あ~あ・・。