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滅び行く「純文学」をこよなく愛し、場合によっては「殉死」してもいい。……かな? あれ?

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2011年01月22日 楽天プロフィール Add to Google XML

1995年の二作品
[ 昭和期・昭和期後半の女性作家 ]    


  『緑色の濁ったお茶あるいは幸福の散歩道』山本昌代(河出書房文庫)

 この小説は1995年に三島由紀夫賞を受賞しています。
 ところで、1995年と言えば、それ以降の日本という国のあり方、特に危機管理と安全保障について、転換点となるような大きな事件が立て続けに二件起こった年であります。この二つの事件ですね。

 一月十七日……阪神淡路大震災
 三月二十日……地下鉄サリン事件
   ~五月十六日……オウム真理教教祖、麻原彰晃逮捕


 で、この年に『緑色の……』が三島賞を受賞し、そして、同年上半期の芥川賞受賞が、

  保坂和志『この人の閾』

なんですね。
 ここで、おやっ、と思った方がきっといらっしゃると思うんですが、どうでしょう。
 実は、私はおやっと思いました。

 というのは、この両作品は、ぱっと見た時とてもよく似ているんですね。
 そして、以前拙ブログで私が保坂和志のこの作品を取り上げた時、この保坂作品の芥川賞受賞には、微妙に大震災と地下鉄サリン事件が影を落としていると言うことを報告いたしました。

 いろいろ書いてあるので、ぜひ、ごらんいただきたいのですが(今私も見てみてびっくりしました。なんと四回にも分けて書いてあります。また『緑色の……』の雰囲気も何となく分かります)、その中に、芥川賞受賞時の選者の論評をいくつか挙げてあります。その中から典型的な部分を少し再録してみますね。

 (略)それはいうまでもない、阪神淡路大震災とオウム真理教事件です。
 選者の選評にもこれが影を落としています。
 実は日野啓三の選評には、以下のような文がありました。

 「バブルの崩壊、阪神大震災とオウム・サリン事件のあとに、われわれが気がついたのはとくに意味もないこの一日の静かな光ではないだろうか。オウム事件に対抗できる文学は細菌兵器で百万人殺す小説ではないだろう。」


 そーかー、じゃ山本昌代の三島賞受賞も同じなのかと思い、ふと、ネットで「山本昌代」と打ってみたんですね。するとある記事にこんな事が書いてありました。

 「1995年、『緑色の濁ったお茶あるいは幸福の散歩道』で三島由紀夫賞を受賞したが、麻原彰晃の逮捕と重なったため、新聞報道されなかったという不遇があった。」

 ……ふーむ。私は寡聞にして知りませんでしたが、そうなんだぁ。
 (しかし私って馬鹿ですねー。1995年度の三島賞受賞作である本作の発行は1994年10月なんですよねー。ホント、馬鹿。)

 えっ? それでは、山本昌代の本作の三島賞受賞と、大震災並びに地下鉄サリン事件は無関係と言うことになるではありませんか。
 じゃ、これはどう考えるべきなんでしょうね。

 えーと、二作の類似から始まったこの話題は、なんだかよくわかんなくなってきましたなー。そこで、わたくし、しばらく、じーーーっと考えてみました。
 そして、はたと膝を撲ち、「ユリイカ!」と叫びました。「そうだったのか!」

 いえ、別にそんな大層な話ではないんですがね。よーするに、こういう事です。

 この二作は、似通っているように見えながら、実は著しく異なっている。

 おいおい似ているといったのはお前じゃないか。……いえ、はい、そうでした。ごめんなさい。実はあまり似ていなかったです。

 ということで、この二作品がいかに異なっているかを、三点の項目にまとめて報告したいと思います。この三点です。

 (1)作品中のエピソード
 (2)語りの視点
 (3)作品を覆うイメージ


 と、書いたところで次回に続きます。
 (上記にも書きましたが、保坂作品なんか四回も書きましたもので。)


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Last updated  2011年01月22日 08時09分09秒
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