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Motor & Outdoor Journalist 安藤眞の         逆説的よろず考現学

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Dec 16, 2014
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みなさん、こんにちは。

「続」という割には、だいぶ間が空いてしまいましたね(^^;。

 ということで、今回は効率の話です。MIRAIを取材した際、何人かに「総合効率はどれくらいなんですか?」って質問したのですが、みなさん口を濁すんですよね。逃げ口上は「我々ができるのはクルマまでで、水素をどう作るかによっても異なりますので」。

 答えを知っていて質問する僕も、相当意地が悪いのですが(^^;、燃料電池自動車の効率って、決して高くないんですよ。

 水素を工業副製に頼っている間は、廃棄物の利用ですからエコだと言えますが、需要が増えれば、天然ガス改質に移行するしかありません。この製造効率の目標は、70%とされています。しかし、できた水素を運ぶためには圧縮する必要があり、このエネルギーが馬鹿になりません。資源エネルギー庁の資料によれば、水素スタンドで充填する段階での効率は2015年で52%、2030年の目標が54.7%に過ぎないんです。

 では、車載用のPEM型燃料電池の効率はというと、45〜50%ぐらいなんですね。高い方の50%を取るとしても、常に最大効率点で運転できるわけではありませんから、大甘の9掛けとして45%。総合効率は掛け算ですから、水素製造に2030年目標値を使っても、24.6%にしかならないんです。

 では、ガソリン/軽油の製造効率はどれくらいかというと、原油から分留する場合は、どちらも85%ぐらいです。現在、量産されているガソリンエンジンの最高効率は38%を超えています。スズキの会長が、「それは”最高”効率だろ? うちのエンジンはJC08モードの平均効率で33〜34%だ」と豪語していましたから、計算にはこの数字を使いましょう。ただし実走行ではJC08モードの7掛けぐらいになりますので、33×0.7=23.1%ですね。これに燃料製造効率の0.85をかければ、19.6%になります。

 さらにスズキは、「2020年代には平均効率40%を目指している」と言っておりますが、この数字を使えば、総合効率は23.8%となり、燃料電池車と0.8%しか差がなくなってしまうんですね。しかもスズキですから軽自動車で作るはずで、価格は100万円以下になると考えられます。

 しかもこれは、エンジンだけの効率です。モーターと組み合わせてハイブリッド化すれば、回生したエネルギーを走行に回すことで、10%ぐらい稼げます。となれば、現状でも22.4%、将来的には27.2%と、燃料電池車の2030年目標値を上回ってしまうんですね。

 もっと言えば、すでに最大効率が40%を超えているディーゼルエンジンを使ってハイブリッド車を作れば、総合効率の点では、今の技術でも上回ることができるんです。

 でも、誰もこのこのことは口にしようとしません(^^;。

 それじゃ何のために水素エネルギーをやっているのかといえば、端的に言って「電池の代わり」なんです。自然エネルギーで発電した電気を貯める手段として、水を電気分解して水素に変えて貯蔵し、必要な時にそれで発電しよう、というのが大きな目的なんですね。

 というわけで、本来ならば燃料電池車は、生活基盤エネルギーが水素に変わった時点で(変わるのか?)登場すべき技術であり、現状では順番がアベコベなんです。そんなものに1台あたり200万円もの補助金を出すのは、税金の無駄づかい以外の何物でもありません。さらに、月販計画台数の約半数を官公庁が税金で買っているそうなので、二重の意味で税金の無駄遣いになっているわけですね。

 予約受注はすでに1000台ぐらいになっているそうですが、おそらくほとんどの人は、実車を見ることなく買っているものだと思われます。納車されたら、後席足元の狭さが堪えきれずに手放す人が続出するんじゃないかと、今から危惧しておりますですよ(^^;。 






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Last updated  Dec 17, 2014 08:33:53 AM
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