朱いオレンジ
僕を壊してよさまよっている詩の欠片を解き放ってあげて忙殺され埋もれていくときめきの言葉風化され サビつきやがては風の前の塵と化してしまう真っ向から 立ち向かうことが弱さから抜け出す道と信じてきたしがみつかないで迷わせないで何故 歩みを止めさせる僕は与えられた仕事をこなしていかなきゃならない疾走しようとしてなお足にしがみつく振り向けば 自分の顔があった幾度となく対峙した自分の目指したものなりたかった姿 遠のいて膝を抱えている僕の中の少年にどうか そっとキスをください愛をください無垢なままの心穢れてしまった心具有しているそのまま表現するには勇気がなくて詩にするたびに心は見えなくなるああ在りし日の僕よかりそめの僕を壊して