有坂放浪記

チベットはきっと寒い。
実家はせいぜい標高1000メートル程度。
チベットは5000メートル以上。
きっと寒い。

今まで旅した場所は、短パンで楽勝な場所ばかり。
せいぜい日本の冬程度。

想像の限界地点に旅する割には、
長袖とジーパン一組しか持ってかないつもりの楽天主義。
きっとその土地には、必要なものが売っている。
はず。


旅するカメラ娘、カナコちゃんが言ってた。
「ありくん、チベットは特別だよ。」
旅する俳優、純ストさんが言ってた。
「僕の中で絶対行かなければならない場所。」

バックパッカーの中でも、攻略困難で、魅力的で、
ゴールデンルートとすら呼ばれているチベット越え。

来月はきっとその辺にいる。

確実に、確実に、
人生のハイライトの一部になるであろうこの旅路。

中国南部からチベットを越えネパール、インドへ。
俺の想像もオーバードライブするが、
実際はそれをはるかに凌駕するであろう、この期待感。

もうすぐ、俺の現実はチベットを越える。