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カテゴリ:アラカルト
2.説得するには行動させると良い
人は、言葉や文章だけではなかなか説得されない傾向もあります。 ところが、自分自身があまり信じていないことでも、自分が相手を説得する行為をしている間に、自分自身が説得されてしまう側面があります。 例えば、断酒の会では、新しい入会者があると、まだ完全に酒を止めることができない人に説得役をさせます。そうやって人を説得している間に、自分自身も酒を止めることができるようになるそうです。 多くの宗教が、まだ深い信仰に達していない人に、他人を入会するように勧誘させるのは、この人間心理の応用です。共産主義が、非常に実践を重視したのも同じことです。 3.役割を与える 東大の社会心理学者水原泰介教授は、学生のソ連(現ロシア)人に対する好き嫌いを慈善に調べておき、「君の文章が高校生のソ連観をどれだけ変えられるか調べたい」と言って、ソ連人を好きと答えた学生たちにはソ連人を悪く思いこませる論文を、ソ連人が嫌いと答えた学生にはソ連人に好感を抱かせる論文を書かせました。 その直後に、再びソ連人に対する好き嫌いを調べたところ、なんと60%の人が前とは態度を変えていたそうです。 つまり、論文を書いている間に、自分が説得されてしまったのです。 だから、説得率を高めるには、相手に役割を与えることが効果的です。 4.協力者作りは、結局は人間関係作りです。 「やりたいこと、やらなければならないこと」を行うには、とくに企業などで改革に取り組むような場合には、いかに協力者たる仲間を得るかがポイントになります。 仲間作りには、両者の間に好意と信頼関係がなければ不可能です。 「同じことを言っても、言い手によって納得したりしなかったりする」という一種の物差しが人間にはあります。 だから、他人を納得させるためには、「何を」という内容だけではだめで、「誰が」という言い手にも努力と工夫がいります。 それは結局、良い人間関係作りともいえます。 普段から、笑顔で明るく挨拶を交わし、「はい」と素直に返事を返し、相手の話には快く耳を傾けて、相手の好意を勝ち取っておくだけで、説得率が大幅に上がるはずです。 ・相談する言葉(君ならどうする) ・期待する言葉(君ならできる、期待してるよ) ・ほめ言葉(良くやった、素晴らしい) ・任せる言葉(これは君しかない任せたよ) ・労りの言葉(ご苦労さん、お疲れ) ・感謝の言葉(ありがとう、助かったよ) などを多用し、時間やお金などの小さな約束も守り続けることで、相手との間に深い信頼関係を築いておくことも大切です。 つまり、普段の心がけが説得には大きな影響を与えます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.12.05 05:36:58
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