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カテゴリ:家庭科
ミス、ミナコ、サイトウこと、齋藤澪奈子さんの本「超一流主義」が棚から出て来たので久しぶりに読んでみました。付録の4コマ漫画が「中尊寺ゆっこ」で、1993年の本なのに2人とも亡くなってしまったなんて、世の無常を思います。
帯には吉本ばななが、「この知性、この美しさ、このかっこよさ。私はこの時代にこのヒロインと同席できたことを幸福におもう」と手放しでほめてあります。 ミスミナコは1956年東京で生まれ、高校卒業後渡欧、物理科学とルネッサンス美術史を学び、上流社会の友人たちと過ごした華麗なヨーロッパ生活を中央公論社から「ヨーロピアンハイライフ」として上梓。脚光を浴びました。5ヵ国語を話し、物事をアッパー、ロウヤーと分けての発言に、おんなの子たちのカリスマ的存在となるも、その経歴を疑うマスコミもいました。鼻持ちならない態度が災いしてそしりも受けたけど、その心意気にファンもいっぱいいました。バブルのあだ花だったかも。 いくつか紹介します。 ☆「ステイタスの正体」 「ここ数年、ステイタスという言葉がひんぱんに使われるようになった気がする。一億総中流の意識を持った日本人にとって、この言葉は特別な魔力を持っているかのようである。そして一番悲劇的なのは、とにかくステイタスシンボルとされている物質を手にいれればもうそれだけで自分のステイタスが上昇すると考えている人があまりにも多いことだ。」 「高級品を身につけていればつけてるほど、そして気取っていればいるほど、ミス ビヘイビアは致命的にその人のステイタスをおとしめるわけだから、身のまわりの物を高級化したら、自分自身の文化度もきちんと高級化しないと」 「文化度を高めるにはどうしたら良いのだろうか?文化度という目にみえないものを高めるには、お金だけの力ではどうにもならない、決定的なルールが存在している。それは自らの美意識を高めることである。美意識を育むには、客観性をとぎすませて自分自身をよく見つめること以外に考えられない。心のゆとりがもたらす深い自己確信が身につくことが大切。」 ☆「ネガティブな善人」 「世の中にはイデオロギーや民族性、そのほかの全てを越えてたった2つの考え方しか存在しない。一つはポジティブな物の考え方でもう一つはネガティブなそれだ。そして人間の一生の明暗を決定的に左右するカギは、私たちがどちらを選ぶか、にある。」 *みなさんの想像どおり、ミスミナコはポジティブをすすめているんですね。 「どちらを選んでもいいのに、なぜ多くの人は好んで、またいとも簡単にネガティブな道を選ぶのだろう。」 「それはきっと、ネガティブにものを考えるほうが何の努力もいらないからだ。困難が目の前に立ちはだかったとき、負け犬になるほうが楽だからだ。勇気なきネガティブは人生を送るネガティブな善人たちに、いつの日か覚醒のときは訪れるのだろうか、、、。 (*まあね、強者の論理といえなくもないけど) *日本中がバブル景気にわいたけど、結局は庶民は身体を駆使して金持ちを太らせるだけだったみたい。10年前にミスミナコは言っています。 「日本は、国を強く豊かに、国民は弱く貧しく。企業は豊かに、個人は貧しい」なんて。 *「ロウヤーな価値観は今すぐ捨てて、気高くアッパーな日々をおくりましょう」なんていいつつ、ミスミナコは結構若いうちに亡くなってしまいました。今生きていたら、生き方に迷う団塊ジュニアたちにメッセージを送り続けてくれたでしょうにね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.01.07 13:55:14
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