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カテゴリ:憲法に守られた平和
先日の「いろはにこんぺいとう」の続きです。
憲法で縛られている暴力を、使うために道を開いた「ガイドライン」について。 二見先生の本文では 「1975年、ベトナム戦争に敗北したアメリカは、立て直しを図るべく日本に対して二つのことを迫ってきました。一つは自衛隊の海外派兵を本格的に求めてきたことです。もう一つは財政負担です。」 「(1960年の安保闘争のようなこと)が再び起きないようにするために考え出された方式が「ガイドライン」なのです。国会の批准を必要としない政府間の取り決めで、安保条約をバージョンアップするという姑息なやり方です。」 旧ガイドラインのしかけ その1ー日本の自衛隊と米軍の共同の行動の具体化。 その2ー日本に武力攻撃があった場合だけでなく、「おそれ」のある時も出動できる。 その3ー「周辺海空域」に自衛隊の出動範囲が拡大された。 その4-日本の有事でなくても、極東有事で自衛隊が出動できるようにした。 当時、ある防衛庁幹部は「安保条約に魂を入れた」と言ったそうです。 旧ガイドラインとほぼ同時期に、在日米軍の駐留経費の負担、「思いやり予算」が決められました。 外務省によれば、1978年から2005年までの累計は、約13兆円だそうです。 1992年、米国防総省は 「日本の高額支援のおかげで、アメリカ軍を配備するのに、日本はアメリカ国内を含めて最も安上がりの場所だ」と評価し、95年にナイ国防次官補も「日本が米軍部隊の費用の70%を負担しているのだから、米国内におくよりも日本に駐留させる方が費用がかからない」と言っています。 米軍基地がなくならず、再編、強化されるのは、こういうことだったんですね! 1991年、ソ連崩壊後、安保条約とアメリカの世界戦略を正当化させる新しい論立てが必要になりました。アメリカは「ならずもの国家」を考えつきます。 1996年、クリントン大統領と橋本龍太郎首相が会談し,日米安保共同宣言を発表、安保再定義を行います。 それに基づき 1997年、新ガイドラインが作られました。当時のジャパンタイムスは「戦争のてびき」と、報道しました。新ガイドラインには、アメリカのする戦争に日本がより積極的に加担できるように3つのしかけがあるそうです。 その1-地域限定がない「周辺事態」で出動できる その2ー後方支援という危険なまやかし その3-日本側にアメリカに協力するかどうかを決定するしくみがなく、アメリカが戦争を始めたら「自動参戦」するしくみ。「周辺事態」の発動に国会の承認がいらないこと。 1999年、新ガイドラインに基づき、周辺事態法が制定。 2001年、テロ対策特別措置法 2003年、イラク特措法 武力攻撃事態等対処法(予測事態という規定つき) 本文では 「安保条約は「日本有事」ならびに「極東の安全のために」米軍が出動できるというところから始まりましたが、それが「おそれ」「周辺」へと拡張し、ついに「予測」でもいいということになったのです。」 とあります。 2004年、国民保護法が成立。 第4条 国民はこの法律の規定により国民の保護のための措置の実施に関し強力を要請されたときは,必要な強力をするよう努めるものとする。 第82条 土地等の所有者若しくは占有者が正当な理由がないのに同意(土地の提供)しないときは、都道府県知事は同意を得ないで、当該土地等を使用することができる。 第43条 政府は、武力攻撃から国民の生命、身体及び財産を保護するためにに実施する措置の重要性について国民の理解を深めるため、国民に対する啓発に努めなければならない。 なんだか戦争に向かって「啓発」させられそうな気配ですね。しかし、これらはすでに法律として決められてしまっているのです。 本文ではこう書かれています。 「1951年の安保条約から始まったアメリカへの従属と日米軍事同盟路線は、ここまで具体化され、日本国憲法と相容れない極限まで突き進んできたのです。」 周辺事態法が成立した1ヶ月後には憲法調査会を設置するために国会法が改悪され,2000年1月には憲法調査会が発足しました。同年10月、アーミテージ報告は「集団的自衛権を禁じていることが両国の同盟協力を制約している」として、この制約を取り払うことを日本に求めます。 「この制約」とは憲法九条のこと。憲法九条があるから日本はアメリカの戦争に協力できない。だから変えろ、ということなんですね。 この報告がだされて、改憲に向けての動きが一気に加速しました。05年4月には憲法調査会が5年間の「調査」を終え、「報告書」を提出。11月22日、自民党は「新憲法草案」を発表します。 憲法前文から、侵略戦争への反省と平和に生きる権利を、9条からは武器を持たない、戦争する権利もないという第2項を削り,代わりに自衛軍の規定を入れました。 2006年、「自分の任期中に改憲する」と公言した安倍晋三首相が登場し、日本国憲法は最大のピンチを迎えたのです。」 「国民いじめの政治に対する怒りが自民党を政権から追い落とし、明文改憲はほぼ不可能になりました。 しかし、解釈改憲を含む「壊憲」攻撃は止まっていません。」 「憲法を守り,実現していくためには日米同盟の根っこにある日米安保条約をなくすことが求められている。憲法にささった牙をいまこそ抜くときです。」 ★と、まとめられていました。 米国も海兵隊は「抑止力だ」とは言っていないそうです。刺さった牙を抜く第一歩として、普天間基地の皆さんには、米国本土に帰ってもらったほうがいいのではないでしょうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.05.17 22:58:59
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