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第7官界彷徨

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2015.08.09
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 公園の山栗の実です!風に煽られて落ちていました。今年は不作みたいで動物たちの食料が心配です。

 NHKラジオ第二放送、佐藤勝明先生の古典講読の時間、芭蕉の紀行文を読む、は鹿島紀行。

 まずは俳諧の変遷を五月雨句より、のつづき。

 前回は貞門の「五月雨は~哉」の句など。それらと、貞享7年、1687年の芭蕉の五月雨句3句みると、芭蕉の句が従来の五月雨句にない新しい詠み方をしているのがわかる。このとき、芭蕉は新たな本意を確立していたのだった。

 今の歳時記にあたる、北村季吟の山之井(正保4年、1647年刊)の五月雨の紹介をされた。幾つもの五月雨句を挙げ、しょろしょろ川も大井川をあざむくような句、晴れ間もあらず降り続く態をあらわす・・・とのこと。

 当時は、見たことや感じたことをそのまま17音に表す、という考え方はなかった。山之井は、題材をどうまとめれば良いか、の一種のマニュアル本として使用された。

 では、談林派の五月雨句を。

*五月雨に世界や水のうつわもの  こうせい (世界という言葉は竹取物語にもある古い言葉・五月雨はあたり一帯を水に浸してしまう)

*五月雨は塩ならぬ海の世界哉  そりつ (五月雨のために地上が塩水でない海になっている。典型的な、五月雨は~哉の形)

*五月雨や世界の飛び石富士浅間 がんしょう (降り続く五月雨は富士や浅間を世界の飛び石にするんだよ。)

  談林の五月雨句も連歌や貞門とさほど変わっていない。こうしたものを見た上で、貞享4年の芭蕉の五月雨句:*五月雨や桶の輪切るる *髪生えて容顔青し  *五月雨ににおの浮き巣・・・を読めば、それらがいかに新しいかわかる。句のあり方が、根本的に変えられつつあるのだ。

 では、鹿島紀行。

今 までの行程では、馬も満足そうに群れ歩いている鎌ヶ谷の原から、ふさでは網代漁の漁師の家で休み、白楽天の詩にもある、魚の生臭いにおいのする・・・を思 い、鹿島では根本寺の仏頂和尚を訪ねて一泊する。句を詠むことができず不本意ではあるけれど、かの清少納言も自分の味方であると思い至る。

 ここまで、自分たちの句をひとつも載せていない。これが鹿島紀行の特色で、「言うべき言の葉もなし」→句ができない自分を演出。このあと、文章から句集への大きな転換を見せる。

 句集を呼び出すのは、仏頂和尚の一首から。

本文= おりおりにかはらぬ空の月かげも
       ちぢのながめは雲のまにまに  和尚

 月はやし梢は雨を持ながら     桃青

 寺にねてまことがほなる月見かな  桃青


 雨にねて竹おきかへる月見かな   曽良
 月さびし堂の軒端の雨しづく    宗波
  

  和尚の歌は、どんな折にも変わらない空の月だけれど、雲の流れによって景観は大きく変えている。不変の月、変化の雲、これは禅の思想、不易流行にもつながるのだった。

 和尚の歌が呼び水になったように、詩心がほとばしり出た3人の訪問者の句が並ぶ。ここで読者は同行者の名を知ることになる。

*月はやし・・・は、木々の梢には雨のしずくがついたまま、空には月が高速で走っている

*寺にねて・・・寺に宿って、自分は敬虔な面持ちで月見をしている。これは西行の

  *嘆けとて月やはものをおもはするかこち顔なるわが涙かな  のイメージも

*雨に寝て・・・雨が止んで竹が起き返ったように、私も起きかえって月見をしている

*月さびし・・・お堂の軒端に雨のしずくして、月もなにやら寂しげだ。

本文=神前

 此松の実ばえせし代や神の秋    桃青


 ぬぐはばや石のおましの苔の露   宗波

 膝折やかしこまりなく鹿の声    曽良

*此松の・・・見事なこの松を見れば、これが生えた昔をはるかに思う神前の秋であることよ

*ぬぐはばや・・・神が降臨なさったという要石なれば、苔の露もぬぐってさしあげたい

*膝折や・・・神前では神の使いである鹿も、膝を折ってかしこまった姿で啼いている。

 ☆紀行文から、一気に句集へと変化した鹿島紀行。編集の妙が冴えてます!

 

 

 






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最終更新日  2015.08.09 20:48:26
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