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カテゴリ:読書日記
宮部みゆきさんの「荒神」を読みました。表紙、裏表紙の絵がどこか懐かしいと思ったら、この世界の片隅に、の、こうの史代さんが描いていました。
舞台は、ようやく戦乱が収まった江戸時代、戦乱の時代からいがみあっていた、上野、上州の北の方の二つの藩。 ある年、山から鳥も獣も姿を消すという異変がおき、その山の村が得体のしれない怪物に襲われ、村全体が破壊され全滅する。 その怪物って、どんなものかはじめはよく分からなくて、想像もつかないので、これは目撃者たちの勘違いではないだろうかと思って読んでいたら、本当にすごい怪物だった。 どんな感じかと言えば、千と千尋の神隠しの、かおなし、みたいになんでも飲み込み、形も変えられる化け物。目はなくて意思は狡猾で悪意のかたまりのようなもの。 交流のない二つの藩のそれぞれがこの怪物と戦うんだけど、なかなかうまい具合に力を合わせて、というわけにもいかない。 その怪物は、戦乱の時代に作り上げたものが復活した、ということが判明したけど、倒すのは至難の技。人の手には負えない存在になっていた。 という話。 なんか疲れるばかりの物語と思いつつ、夢中で読んでしまいました。 そしたら、今日の東京新聞の平和の俳句に「つくも神」というものが出ていて、日常使っている道具が神になって人に災いや幸いをもたらす、という存在なんだそう。使う人によって良くも悪くもなるとのこと。 荒神も、そういう感じのものだと思えました。 何しろ、力作です! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.01.12 20:31:52
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