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OVAL☆school

□□□オバルスクールは、毎日のように「なんで?」「どうして?」と考えているオーバちゃんの悩みをみんなといっしょに話し合ってみようというお勉強の場です。

第1回「地域通貨」
  講師:嵯峨生馬さん+ソトコト編集者

第2回「コートディヴォワールのアウトサイダ-アーティスト?どエライじいちゃんブアブレのことを考えてみる」
  講師:真島一郎さん

第3回「サンフランシスコでのしょうがい者も含むアートプロジェクトの報告」
  講師:山本雅美さん

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以下に第2回オバルスクールの報告を掲載します。

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第2回オバルスクール
「コートディヴォワールのアウトサイダ-アーティスト?どエライじいちゃんブアブレのことを考えてみる」
■日 時 2003年7月26日(土)18:00--20:00レクチャー
               20:00--23:30お食事会
■場 所 13坪のアートセンター
■参加者 6名+講師真島一郎氏+オーバスタッフ3名

無事終了し、すごーく濃い一夜を過ごすことができました。
以下、当日の参加者に出したメールです。

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みなさま

きのうは、お集りいただいてありがとうございました。
とっても、良い時間がもてたと感じています。

基調講演の後は、分科会とかでなく、お食事会がいいですねー。
講師+受講者うんぬんでなく、リラックスした感じで、それぞれにお話ができて。

説明し忘れていましたが、お食事のときに、うすくかけていた音楽は、「JUJU」とよばれる西アフリカ(ナイジェリア)の音楽で、ちょうど、ブアブレが幼いながらも臣民として働いていたであろう1930年代ころから50年代くらいの音源のものです。

たぶん、そのころ、ブアブレに鞭をふるっていた黒人と同様、19世紀に奴隷から開放されて帰ってきた黒人たちが、西アフリカにブードウー教を持ち込んだように、西洋の楽器や音楽のエッセンスを持ち帰ってきた中で生まれた新しいアフリカ音楽のひとつです。現代でも、ナイジェリアのキングサニーアデなどのナイジェリアのポピュラー音楽はジュジュと呼ばれているようです。

JUJUとはキリスト教とつながりの深い楽器のひとつであるタンバリンのことで、一節に寄ると、現地ナイジェリアの黒人たちが、白人化してしまった帰還黒人のひとたちのことを「黒いイギリス人」とばかにして呼んでいたのと同様に、軽蔑して「ジュジュ」と呼んでいたらしいです。

とにかく、話はつきないですね。
どうにでも、広がるし、考えれば考えるほど、身につまされるというか。

きのうのメンバーは、(以下、おおざっぱな紹介=余白なしですみません)
福祉施設の施設長
福祉関連NPOでバイトしながら批評を書いている人
シュールレアリスムが好きで、詩や小説を書いている人
文化人類学を学びながら、アジア美術館で学芸員をやってる人
文化人類学を学んだ後パフォーマーとしてニパフなどに参加している人
音楽療法を勉強中の人

残念ながら、元水戸芸の学芸員の方は、体調を崩されてこられませんでしたが、ある意味、バリバリのアート系業界の方(もしくはアート系業界経験者の方)がいらしたら、またおもしろい展開だっただろうなと思います。

たとえば、アジ美で学芸員をしている人が戦争にまつわる人の作品を(間違っていたらごめん)を集めた展覧会を開くにあたって、詳細なキャプションを作ろうとしたところ、「作品が作品でなく、資料になってしまうか
ら、あまり説明をしなくてもいい」といわれたことなど、「作品」や「芸術」にまつわるさまざまな微妙な話なんか、きっとちがう側面から聴けたのではないかと思ったりもします。

実際には、いろいろな場面があるのでしょうが、「芸術」業界では、少なくともその最高峰である美術館の考える「作品」と「そうでないもの」、「芸術」と「芸術でないもの」に関して、話を聞いてみたいのですが、どうもなかなか話す機会ももてません。

話をするには、まず、オーバの活動を、わかりやすく語らなければならないというプレッシャーを感じてしまうのです。

オーバは、常に、この「いかに活動をわかりやすく説明するか」という命題と向き合っていて、説明したいんだけど、説明してしまうと「別物」になってしまうというジレンマと闘っているような感じです。

おかしなもので、活動をするから、説明が必要なのだけれど、その説明をするために、活動をしているんだともいえるのです。

こんな堂々めぐりをしているわたしたちは、よっぽど欲深いのかもしれません。

スタッフ「ス」は「自分はきっと享楽的なんだ」といってました。
この欲望をある程度のお金で解決できていたら、と思うと、「キリギリス」とか「ロータスイーター」といわれても、仕方がないですね、、、、やっぱり。
でも、享楽的なわりには、それほど、楽しいばかりでもない人生って、、、、なんなのでしょうか。

自分の興味のある人たちだからこそ、かかわればかかわるほど、消費に加担してしまう。
そしてなんとか自分にできることといったら、消費を遅らせること。
まさに、オーバの活動そのものって感じです、、、。
重いです、、、。

小学校のときの卒業文集の「将来のわたし」のコーナーに、「何の」ということもなく、ただきっぱりと「研究をしたい」と書いた、あの真島少年も、やはり、あっちの世界とこっちの世界のぎりぎりの線上に立つ学問に身をおいて、今まさに「研究している」事実。そして、だからこそ出てくる「余白」の問題とその「説明のつかない説明」について、真摯に向き合っている姿が、あの後もボディーブローのようにじわじわと効いてきました。

また、きょう、「ブアブレ」というキーワードの元に、ばらばらにやってきて偶然集った人たちも、それぞれの現場において、同様の思いを重ねあわせている感じがあって、お互いに語られなかった話にこそ、共感できたような気がしています。

本当に、終わってみると、なかなか余韻が消えない濃い夜でした。
あらためてみなさんありがとう。
また、ゆっくりお話がしたいです。

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第2回オバルスクール
「コートディヴォワールのアウトサイダ-アーティスト?どエライじいちゃんブアブレのことを考えてみる」

■日 時 7月26日(土)18:00--20:00
■場 所 13坪のアートセンター/要予約
■交 通 JR/東横線「桜木町駅」徒歩2分/地下鉄「桜木町駅」徒歩3分/京急「日ノ出町駅」徒歩10分
■料 金 1500円(ワンドリンク付き)
     20:00ー真島氏を囲んでお食事会
     +1500円(ワンドリンク+夕食代)

今回は、西アフリカ研究の第一人者であり、ヅの小学校時代のクラスメートでもある文化人類学者真島一郎氏をお招きして、オバルスクール第2弾を開催します。

フレデリック・ブリュリー・ブアブレは、 ポストカード大に切った段ボールに、ボールペンや色鉛筆などで、虫や動物 などを描いて、宇宙の意味を語っているます。とはいえ、そのかわいらしいモチーフとは裏腹に、もしかしたら、すごいウンチク親父なのかもしれないって気もしていたりして、まったく謎のじいちゃんなの です。

1948年に神の掲示をうけて以来、文字を発明し、たくさんの書物やドローイングを残してきているという、西洋的にいえ ば、アウトサイダーアーティストのひとりともいえるのかもしれませんが、そこは、アフリカなので話は全然ち がってくるはず。 そんな諸事情も含めて、西アフリカ諸国(特にコートディヴォワールのダン族の木彫りの面の研究者)の研究者 であり、もちろんブアブレ氏の研究もしているという真島氏に、とっくりと変わったじいさんの話でも聞いてみ ようというわけです。

ブアブレの作品を見てみたい人はインターネットで、資生堂ギャラリー>過去の展覧会>ザ・ギンザアートスペースでの展覧会>1994年6月30日-7月31日『アフリカのアーティスト、フレデリック・ブリュリー・ブアブレの「宇宙」』をのぞいてみてください。

真島一朗氏は以下の本の編集、寄稿、翻訳などしています。
文化解体の想像力~シュルレアリスムと人類学的思考の近代~

編集:鈴木雅雄/真島一郎
出版:2000年人文書院
定価:3900円+税

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