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SAROMAN BLUE 鈴木健司

SAROMAN BLUE 鈴木健司

06サロマ湖100kmマラソン完走記第2章

入ってきた場所とは反対側からコースに戻る。いきなりダラダラとした登りがあり、悠林館の下にある道の駅サロマ湖まで続く。その前が55キロだ。

55キロ 6時間33分18分 57分31秒

やはり50キロ過ぎの歩きとエイドでの休憩で大幅に時間が掛かっている。毎年この5キロはプラスになるが、最大でも50分以内だった。今回の57分は回復の時間として考えた。少し走ると前方にへろへろのゆきさんの姿が近づいてきた。こちらはキロ7分と言ったペース。57キロ手前で追い付くくらいゆきさんのペースは上がらなかった。

ここは59キロまでは緩やかなアップダウンの繰り返し。ゆきさんと並走すると少し持ちなおして7分半くらいに落ち着いた。並走していると自分の調子が上がらない。フッと力が抜けてしまったので『ちょっと先に行っててください』と言い立ち止まった。両膝に手を掛け大きくため息をついた。さっきと同じ状態だ。しかしお腹には食べ物も入れたので、一時的なものと思い気を引き締めて走りだした。

長い下りを終え、再びサロマ湖畔沿いにコースをとる。対岸にはこれから向かうワッカ原生花園の折り返し近くの橋が見える。あと28キロ先の所だ。肉眼でも霞んで見えるくらいなのだ。もうすぐ60キロ。ここから関門が気になりだすが、まだ余裕がある。ゆきさんにも追い付き、60キロを迎える。

60キロ 7時間11分38秒 38分20秒

キロ7分半ちょっとで刻んでいる計算だ。これからはどこのエイドでどれだけ休むかがポイントになる。70キロ関門8時間45分まではあと1時間33分ある。今のペースならば問題ないが、ここからのエイドは誘惑がいっぱい!63キロのスペシャルを預けているエイド。67キロ手前から施設エイド2つ・白帆・70キロのエイドとたくさんあるのだ。リズムを作るには、全部は寄らないほうが良い。

そんなことを考えながらゆきさんとの並走が続く。ゆきさんとは2年前のこの60キロ地点でも一緒だった。HANAも参加していて3人で並走。しかしその時にはキロ8分以上は掛けられない状況で、非常に厳しかった(リタイア)しかし今回は時間的なゆとりとしっかりとした走り込みがゆきさんを支えていた。80キロさえクリアできれば完走はできるはず。と言うことで、80キロまでのナビゲーターとなった。

話をしながら走ると自然と心拍数も落ち着き無理して走れない。ペースも決して悪くないので、緩やかな登りも走ってパスする。

国道を離れ左折するとキムアネップ岬に向かって下りになる。途中にバケツエイドがあるが、63キロにエイドがあるのでここは立ち寄らない。

キムアネップは自分でも一番ペースが落ちる場所だ。サロマ湖からの風がヒンヤリとしている。昨年はここで歩いてしまい、80キロまでキロ7分にペースアップをしなくてはならなかった。
キムアネップ岬

エイドの手前で『ここでの休憩は2分かな?7時間41分になったら出発ですよ!』後で考えると2分じゃなんもできないな(汗)ゆきさんごめんなさい。

63キロには2つめのスペシャルドリンクがある。テーブルを借りて調合したくさん氷を入れて飲まずにスタート。さらにゼリーを配っていたので2つ貰って走りだす。

エイドを出て左折すると通称『魔女の森』がランナーを迎える。コース唯一の日陰のコースで木々の中を涼しく走ることができる。しかしここがなぜ『魔女の森』と言われているか…それは行けども行けども見えない森の出口。クネクネした道を曲がり見える先は先程と変わらない景色…いつまで続くのか不安にもなってしまうのだ。

65キロ 7時間52分34秒 40分55秒

バケツエイドをパスしてこのタイム。エイド休憩を入れるとキロ8分は掛かっていない。この『魔女森は歩かないと決めたんです!』とゆきさん!これからのエイドの摂り方を説明したが、細かすぎて分かりにくいので、一方的に聞いてもらった(笑)

何度も走っているアート鈴木はあと何回カーブを曲がればこの森を抜けるかを知っている。もうすぐユースホステルというカーブの先に見えてきたのは『へろへろ』の幟だった!
魔女森にて

この応援スタイルは見事だ!としか言い様がない。カーブの先に見えるか見えないの位置に立てた幟。そして応援もない魔女森での突然の声援は最高に嬉しい!ピヨちゃんはご飯中(笑)と言うことでHANAが離乳食片手に車から降りてきて応援してくれた。

まもなくすると魔女森も終わりまた厳しい陽射しへと出ていく。ここから橋を渡ると74キロの鶴雅リゾートまではまったくの平坦となる。ここがペースの作りどころだ。魔女森を抜け、橋の手前の私設エイドで前を行くサルノコさんに追い付いた。なんだか気持ちが悪いようで、食べることができないらしい。苦しい表情ではあるが、なんとか足を運んでいる。

自分は68キロ付近のバケツエイドでCW-Xをがっつり足元まで濡らして冷やした。目の前には『白帆』がある。サロマ湖の名物私設エイドの白帆。暑い時には冷たいおしぼり!寒い時には温かいおしぼりがランナーを迎えてくれる。他にもゼリーやお茶やトマトなど一口サイズの食べ易いものがランナーに優しい。

もうすぐ70キロ地点。まだ時間的は余裕がある。次のオフィシャルエイドはパスするとゆきさんに伝え、白帆ではしっかり補給。

白帆を出発すると屋根の上から大漁旗の応援団『さろまにあん』だ。宿泊にも好評な宿だが、このランナーへの声援も毎年嬉しい!
さろまにあん

69キロを通過しペースも乱れずに走る際には8分以内をキープしていた。予定通りエイドをパスして70キロを目指す。予定としていたギリギリライン8時間40分に対してどのくらいのゆとりがとれるだろうか?その分は鶴雅リゾートのおしること、それ以降のサイクリングコースのアップダウンにとっておかなくては!

70キロ 8時間33分12秒 40分38秒

ここでも40分でカバー!ゆきさんの体調も54キロより格段に良くなっている。いよいよ鶴雅に向かって国道を左折し残り4キロとなる。するとまた前にいたサルノコさんに追い付いた。サルノコさんは『絶対に離れないぞ!』と気合いを入れ今度は3人の並走となった。次の休憩は2キロ先のバケツエイド。ここは昨年も氷の山があり、水浴びには最適だ。
鶴雅までの1本道鶴雅を目指して

おしるこまであと2キロ!の表示を過ぎるとバケツエイドだ。たくさんのランナーが火照ったカラダを冷やしている。鶴雅はもうすぐ!すぐに前へと歩を進める。

鶴雅リゾートは正確に言うと74キロよりも200メートルくらい手前。80キロまでの残り時間と今キープできているペースを計算して、鶴雅での休憩時間を決定する。このままだと9時間ちょうどで到着しそうだ。キロ8分として残り6キロで48分。鶴雅から74キロまでが2分として50分は必要かな?おしるこなどもあるから、少し多めに『9時間6分には出発しましょう!』
もうすぐ鶴雅!
鶴雅では再び応援団が声援をくれる。賑やかなエイドではあるが、一方で建物の影に座り込んでリタイアを決めたランナーも多い。まだまだ時間もあるし諦めるにはまだ早い。
鶴雅リゾート

自分も95年の時、制限時間を経過していないのに77キロでスタッフの車にリタイアを申告したことがあったが、レースを自ら放棄したことに東京に帰ってから後悔した。あの時ワッカの入口まででも走っていたら、来年はこの先も必ず!と精神的にも強くなったはず。皆なんとか最後まで進んで欲しかった。

ここでは昨年食べられなかったおしるこを食べることができた!この74キロにしかないのもポイントだ!そしと残りの26キロのエネルギーとなる。一緒にあったそうめんも食べれば良かったなぁ。
鶴雅リゾート鶴雅リゾート

予定の9時間6分前にゆきさんとサルノコさんは『先に行きます!』と歩きだした。自分はストレッチとHANA&ピヨちゃんとの会話を楽しみ、予定通り鶴雅リゾートを後にした。

鶴雅を離れ少し行くと74キロ。この200メートルの認識の差もリミットいっぱいだと大きな差になってくる。ワッカネイチャーセンターの入口の所で歩いて前を行く2人に追い付くことができた。

ここから先はゆきさんには未知の世界。左側にまだ遠いワッカを走るランナー見ながら、80キロを目指す。道が狭くなるが今回は車を片側規制しているのでランナーは走りやすかった。

75キロ 9時間16分59秒 43分47秒

しばらく進むとサイクリングコースになり道幅が狭くなる。キロ7分半維持するペースは乱れていない。ふと周りには自分を先頭に集団ができはじめている。皆足を引きずり気味に走っているのでたくさんの足音が耳に入ってくるのだ。

70キロを過ぎてから以前から気になっていた腰に違和感を覚えていた。慢性的ではないが、サイクリングコースに入ってからは幾度となく腰に手を当て痛いのを我慢した。

75キロの通過タイムとこのペースを考えれば80キロの関門は問題なさそうだ。一応77キロ付近のバケツエイドにも立ち寄る計画。さらに80キロのエイドは関門地点よりも約600メートル手前になる。それを考慮すれば、余裕は2~3分と言ったところか?

緑館から行っていないトイレにも行きたいが、昨年同様にそのゆとりはない。ワッカに入って行きたくなったらにしよう!後ろに付いてくるランナーはますます増殖中?道に広がっているので早い人が前に出られないようだ。少し左に寄り先に行かせる。
マイケルさん撮影 77キロ付近

予定通りバケツエイドに到着。風を感じない所ではやはり暑さが気になる。またもやCW-Xを濡らし、シューズまでたっぷり濡らして走りだす。

思ったよりもこのサイクリングコースに入ってから坂道がない。いつも相当へばっているから?今の調子が良いことなのだろう。気持ち的にも楽になった気がしたが、やはり腰にある違和感は残ったまま徐々に痛みの間隔は狭くなっていった。

もうすぐワッカの入口が見えてくる。ランナーの集団から徐々に自分が後退…自分が遅いのではなく周りのランナーが早くなっている。やはりワッカを前にして関門時間が気になるところなのだろう。

自分は自分のペースを維持するだけでもここまでかなりの脚を使っている。相当な疲労感が腰を中心にあるので、無理をせず集団から1歩離れた。

周りのペースに乱されない走り。もちろん一人では走れない時にはペースを作ってもらい、付いていく必要もある。自分は練習量が少ないタイプなので、正直付いていくことで先の不安に繋がる。確実に自分のペースで走らなくては完走も微妙なのだ。ここで我慢できる脚があるかないかで、差が出てくるのだなと感じた。

それでもウルトラのこの走りは自分のスタイル!これで10回完走して来たんだ!速くなくていい自分の走りで13時間を目一杯楽しもう!

そしてワッカの入口に到着した。ここは出てくるランナーはあと2キロ地点。しかもサブ10を目前にゴールを目指している。かたやあと600メートル先の関門に向けて必死になるランナー。対照的だ。しばらく進むとゴールに向けてのランナーはサブ10達成が難しくなりその表情が歪んでくる。

さて80キロのエイドは3つ目のスペシャルドリンク!後半最後の20キロのエネルギーを補給だ!しかしここまだ関門前!ゆっくりはしていられない。急いでスペシャルを作り先を急いだ!

残り500メートルからは登り坂になる。時間はまだある。しかしトイレにも行きたい!トイレは関門の手前だった気もする。さあどっちだ?(笑)

残り時間は3分を切りまだ関門は見えない。ゆきさん・サルノコさんも一緒に関門目指して必死に頑張っている。そして見えてきたトイレ(汗)やっぱり手前だ…。仕方なく関門をパスすると同時にトイレも通過した(笑)
80キロ関門 2分前 80キロ通過!

80キロ 9時間58分01秒 41分01秒
残り20キロだ!

関門を通過し一安心。ここから先は20キロで3時間ある。ここまで一緒に頑張ったゆきさんは『自分のペースで先に行ってます!』と先を急いだ。

一方サルノコさんはここまでの走りで疲労が溜まっているようだ。食べられないと気持ちの面でも苦しいだろう。自分はスペシャルを飲み干し、関門最終ランナーを確認してから少しずつ歩き始めた。

ここワッカ原生花園は80キロ~97キロまでのサロマ湖100キロウルトラマラソンのクライマックスでもある!サロマ湖とオホーツク海に挟まれた細~い道をただひたすらに進む。

名前の通りたくさんの花がランナーを迎え、大自然の中を気持ち良く走ることができる。が、アート鈴木は正直、ゆっくり花を見ている暇はない。細かいアップダウンが行けども行けども続き時間との駆け引きに手一杯だ。(もちろん余裕のある方は違うだろうが…)

しかし今回はサロマンブルーメンバーとして決めていたことがある。それはワッカを折り返してくるランナーに『ガンバです!』を言い続けること!

もうすぐゴールのラスト5キロを頑張るランナー!かたやワッカにやっとの思いで辿り着いたアート鈴木。この条件で声を掛けられるのは基本的には自分の方だ。しかしゴールを目指すランナーにも苦痛の表情が見られる。サロマンブルーとしてワッカを頑張っているランナーを応援すると決めていたのだ。

もちろん応援するのは折り返してくるランナーだけの為ではない。自分自身に向けても声援というか喝を入れているのだ!ワッカの折り返しまでは約8キロこの往復17キロを気持ち良くリズム良く走るにはこれが一番良いのだ!

10時間ギリギリで80キロを通過しているので一緒に参加しているマークさん・takedaさん・サンバかおりんさんはもうワッカを抜けてしまっているだろう。しかしたくさんのお客さんやお世話になっている『へろへろ』の方々が走っている。お客さんを見つけては写真を撮るのも楽しみの一つだ。
イガ姉さん

そしてワッカを見渡すことができる本当の入り口!帰り道はラスト4キロとなる地点だ。陽射しが強く照りつけるが、オホーツク海から吹く風は長袖を着ていても少しヒンヤリする。
ワッカ入口


登り坂を少し歩いていると若い男性が『きついですね。これで完走できますかね?』と聞いてきたので、『ここは走ったり歩いたりで行けば間に合いますよ!そのペースで行けばエイドでしっかり休んでも走れれば行けますよ!』と答えた。
諦めずに頑張れ!

ここからは予定通り80キロ過ぎの休憩を挽回するべくキロ8分を維持する。そして帰ってくるランナーに『ガンバです!』の声。みるみるペースは上がり7分台に近づくが、知り合いを見つけてはまたまた写真撮影の繰り返しだ。サルノコさんをかわしても撮影地点で追い付かれてしまう。
速いぞ!へろへろと御走足

すると前方に前半20キロ手前で軽快な走りで抜いていった夜久さんの姿が近づいてくる。『どうしたんですか?まだ間に合いますよ!』『いやもう走れないんだよ…。応援のいる所で止めようと思ってね。』『そんな~ここまで来たんですから!頑張りましょ?』後ろからサルノコさんも追い付いてきた。
夜久さん無理ですか?

やはり足が進まないようである。一緒にゴールを目指したかったが、夜久さんを残して前を急いだ。

ワッカの応援部隊は前日に行ったネイチャーセンターから入った所だ。ランナーにとってはかなり先の85キロ過ぎにあたる。見知らぬ人に声を掛けても、皆笑顔や手を挙げて応えてくれる。中には声援にビックリするランナーもいた。サロマンブルーメンバーで後ろを走っているといかにも余裕で走っていると思われる。ましてや折り返してくるランナーを応援していては尚更だ。

しかし僕のことをよく知っている方はわかってくれるだろう。これがアート鈴木の実力だと…。厳しいマークさんには『ちゃんと練習してる!どのくらい走ってるの!』と店に電話を頂くが、『あまり走れてないんですよね…。』といつもの調子だと何も言うこともなくなってしまうようだ(汗)

早くは走りたいが走れない。やはり練習不足だなと今回つくづく感じた。85キロまではペースを回復し良い感じで来た。

85キロ 10時間41分39秒 43分38秒

そして応援部隊が待つワッカネイチャーセンターの入口へと近づいてきた。『へろへろ』の幟が見え手を振って応える!しかしHANAとピヨちゃんがいない。泣いてしまったので車へ戻っているようだ。復路ではまた会えるだろう。

ここからはたくさんの知り合いランナーが目白押しだ。こちらからは逆光になってしまうので向こうから声を掛けて頂くことが多くなる。この付近で誰かに『急がないと間に合わないよ!』と言われ、90キロの関門時間を11時間15分と勘違いし始めた。


86キロを過ぎ10時間55分くらい…あと3キロを20分!?急がないと!これがまずかった…。冷静に考えればワッカの中は90分で10キロをクリアすればいいのに…気持ちダッシュに近い走りをして脚を使ってしまった(たぶんキロ6分くらい…)

折り返して90キロの関門が見えてくると折り返しまではあと1.5キロ往復で3キロとなる。ここで関係者の方が『あと3キロ30分ですよ!間に合いますよ!』の声!『えっ?』それを聞いてふっと力が抜けてしまった。もちろん今の余力でキロ6分で走ってしまった分の代償は大きい。

折り返しまで1.5キロだが、なかなか走りだすことができなかった。少し血糖値も下がりフラフラとした感じに…戻ってくるランナーへの声援としお飴で回復を図る。
15キロでは一緒だったのに足は大丈夫ですか?初完走を目指す62歳!

いつも見慣れた景色だ。遠くに河口近くにある小さな小屋が見えてきた。もうすぐ折り返しだ。サロマ湖は2つの河口がありオホーツク海と繋がっている。その河口に架かる橋を渡れば未舗装の道の先に見えてくる折り返し地点。
ゆきさんワッか中快調です!座骨神経痛が痛そうです折り返しまでもう少し河口

この先に行くとワッカの森とワッカの水があると言う。折り返し地点をそのワッカの水にしてもらいたい気持ちもあるが、この先は細い道が続くので、自然保護の為にも難しいと感じた。
やっと着いた折り返しワッカを戻る

さていよいよワッカ原生花園を折り返し100キロのレースも10キロちょっととなった。90キロまではあと1.5キロ。関門には問題なく到着できそうだ。まだ折り返しを目指すランナーも多く声援を贈る。

90キロ 11時間25分52秒 44分12秒
90キロエイド

昨年の3分前とさほど変わらないタイム。気持ち的には焦ることもなく確実に歩を進められている。絶対に完走できる!

エイドに着くと富士五湖をご一緒したマイケルさんに会った。『ストーカーのように付いてこさせてもらいましたよ(笑)』記念の写真を撮ってもらいました。
マイケルさんと

すると前方の草むらに座り込みグッタリとしているサルノコさんを発見!駈け寄って声を掛けるとあまりの空腹からかすごく眠気に襲われてしまったらしい…。なかなか喉を通らないようなので、エイドに戻り水を1杯貰いそこに『オキシショット』をタップリ注入!

『空腹時に効果絶大です!シャキッとしますから飲み干してください!僕のガス欠もこれで回復しましたから。』声を掛けると『本気で寝てました…』とサルノコさん。

一旦止まってしまうとオホーツク海からの風が冷たい。サルノコさんはビニールを持っていたのでTシャツのうえに重ねて寒さをしのいだ。歩きだせそうだったので、ゆっくり先に走りだした。

ワッカの中は常にアップダウン!平らに感じるところはあまりない。疲れているから特にそう感じるのだろう。後ろのサルノコさんを気にしながら走っては歩き走っては歩きを繰り返す。

90キロのエイドから次の往路85キロのエイド95キロエイドと往復の為にテントを構えた立派なエイドがランナーを迎えてくれる。ボランティアの学生の応援に『ありがとう!』と答えまだ先の長いワッカの出口を見つめる。ここはまだ92キロ付近まだまだ出口は見えない。

サルノコさんも徐々に回復しここからまた並走となった。次の95キロまでもう少し。下り坂がいつもならば嬉しいのに脚を踏張るたびに痛みが出るので走れない。遠くにブルーのテントを確認してから手元の時計に目をやる。

12時間08分を過ぎたところ。ラスト5キロには45分は残したい。まずはエイドまで頑張ってペースを作ろう。2人のリズムはゆっくりながらも確実に進んでいった。エイドではトイレにも行きたかったが、入ったらどのくらい掛かるか分からなかったのでまたしてもパス・・・54キロから行きたいのに行っていない(汗)まあ仕方ないか。集中していれば行きたくならないもので・・・。再び足元までたくさん濡らした。足の裏の痛みが大きくあるが冷やすことで問題ない。

95キロ 12時間15分53秒 50分01秒

サルノコさんの回復を待っていたのと95キロエイド利用で50分。しかし走り出せば確実に8分で走っている。残りの5キロで50分掛かる心配は全くしていなかった。ワッカの最後には大きな登り坂が待っている。距離にしてはほんの少しだがかなり急な坂だ。入ってくる時には先を見渡せて気持ちの良いところだ。その坂は残り4キロの地点となる。そこから先は下り中心だし、ラスト2キロからは平坦だ。サルノコさんとも『あの坂までは走っていきましょう!』と走り出した。

今年はいつもよりもランナーの数が多いような気がした。このワッカのこの時間はいつもポツリポツリの間隔になるのが、1キロ先まで連なっているように見える。目標の坂付近には本当にランナーが多い。でも皆確実に前に進んでいる。

95キロからの1キロはなんと7分台前半まで回復!ラスト5キロと言うことで気持ち的にも乗ってきた感じだ。しかしこの坂は登れない・・・。ゆっくりと呼吸を整えて登り切り振り返った。
最後の坂 ラスト4キロまた来年ワッカ!

いつもここで思うことは『ありがとうワッカ原生花園。来年はどんな姿で迎えてくれるのか?待っていろよ!』

ワッカ原生花園のサイクリングも先程の坂が折り返し地点。ここからはまた木に囲まれた細い道を入口まで進んでいく。途中には約3時間前に通過した80キロ地点もあり、やっと戻って来たなと言った感じだ。細かなアップダウンが疲労した脚にダメージを与える。そしてやっとこの坂を下ればワッカの出口というところまで辿り着くと、『よし、あと少しだ!』と気持ちペースが上がる。最後のエイドステーションでも高校生が精一杯の声援をくれる。水を1杯貰って走り続けた。

並走していたサルノコさんとはここでお別れ。自分のペースが少し上がって来ていたので、十分間に合うし『先に行ってください!』と。65キロ過ぎからずっと走ってきたので一緒にゴールしたい気持ちもあったが、今回はHANAとピヨちゃんがゴールで待っている。少し余裕がないと・・・キロ7分をキープし常呂町スポーツセンターを目指した!
ラスト2キロはあっという間だった。昨年はtakedaさんと並走したが走り続けられる状況でなく、200メートル走っては歩きの繰り返しだった。今年は違う!ラスト1キロの地点が来ても全く歩くこともなく、前を走るランナーの背中を追った。そして徐々に沿道にランナーを迎える応援の方が増え始める。

『お帰りなさい!!よく頑張ったね!』最高に嬉しい言葉だ。途中で応援してくれていた方なども居て嬉しかった。そして少し先の林の向こうにあるのがゴール地点だ。段々と応援が多くなり『アート鈴木頑張れ~!』や『最年少バンザーイ!』の応援もあり驚いた!そしてゴールに向かって右折する手前にピヨちゃんを抱えたHANAを見つけた。『一緒にゴールする?』とHANA。『もちろんでしょ!』

ピヨちゃんを右手で抱え最後の直線をゆっくり走り出した。両側には声援も多くそれに答える。一昨年、昨年と1人でのゴール。そして今年は念願の3人でのゴールだ。今年のゴールシーンのポイントはピヨちゃんがちゃんと前を向けるかってこと(笑)

丹代さん撮影にゴールまで50メートル。
丹代さん撮影!


そしてちょっと前の人と近いけどゴ~~~~ル!
ゴール!?ゴール!?ありゃ?ゴール!?

あちゃ~(笑)やってしまいました(汗)
応援の人に気を引かれたかな??残念ながらピヨちゃん後頭部披露(笑)ゴールライン後は前向いたのに~!

100キロ 12時間56分23秒 40分30秒

少し遅れてサルノコさんもゴール!HANAと応援でご一緒したへろへろの皆さんも揃ってゴールした。今回はサロマンブルー登録年ということもあり、ゴール後18時20分までに足型を取ってもらわなくてはいけない。たくさんのお客さんとゴールの喜びを味わいつつも時間を気にしているアート鈴木(笑)皆で記念撮影などを行なったりしてから『足型取りに行って来ます!!』と足早にサロマンブルー控え室へと向かった。


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