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あるきちのお茶・旅行日記

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2012.02.11 楽天プロフィール Add to Google XML

トオサンの桜
[ 時事ネタ ]    

というわけで、いまさらの感もありますが、「トオサンの桜」についてご紹介しておきます。



「トオサン」(多桑)というのは、いわゆる台湾の日本語世代の方々を指しています。

台湾中部の埔里から霧社にかけての道路沿い20kmほどの距離に、桜並木を作った王海清さんという方がいます。

えー、この場所を「お茶好き」の観点から説明しますと、台中から梨山へ向かっていく道の途中です。
霧社で、清境農場・合歓山を抜けて大禹嶺(梨山)方面に行く道と廬山に行く道に分かれますが、その手前ということですね。

梨山へ行く時に通ったので、そういわれてみれば、並木道のようになっていました。
しかし、まさかあれが桜だったとは意識していませんでした。
桜の咲く時期にもう一度通ってみたいものです。


ストーリーは、この方のお話が物語の中心にあり、そこから色々なトオサンたちの話を聞いていくというものです。

どの方のエピソードも、それはそれは壮絶なものです。
なにしろ、日本の統治時代に少年時代を過ごし、その後、国民党による統治に移ったという激動の時代を生きた方々です。

その時代は、映画「悲情城市」などでも描かれていますが、とても過酷な時代だったのです。
#「ひじょうじょうし」と入力したら、変換の第一候補が「非情上司」でしたw

外省人の優遇、不当な差別、そして白色テロなどなど。。。
多難な時代を生きながらも、今の台湾を形作ってきた方々の人生の話ですから、それはもう大変な話です。


そんな時代を生き抜いてこれたのは、日本教育の恩恵が大きいとトオサンたちは語ります。興味深いアンケートの結果も載っています。

 

さて、ここで重要なのが、この本は

決して良い話ばかりを採りあげているわけではない


 ということです。

きちんと当時の日本人との差別などにも触れていますし、それによって悲しい思いをしたというところをきちんと聞いています。
ここが素晴らしいところで、そもそも、当時の統治が良いことばかりであるはずはないのです。

しかし、トオサンたちは、「日本教育は素晴らしかった」ということをよく言います。
私も、台湾在住時には、トオサンたちからよく聞かされてきました。
#この話は、またのちほど。私の台湾観・中国観に相当な影響を与えている出来事です。


が、これを「日本は良いことをしたんだ」と簡単に変換してとらえるのは、どうかと思います。

中には、「日本は間違ってなんかいなかったんだ」「良いことばかりをしたんだ」と得意になっているタイプの本やそういう方もいます。
が、勘違いもはなはだしいと私は思います。
結構、陥りがちな罠なんですけどね。


その点、この本はジャーナリスト的というか、バランスを保って書いてあります。

なので、その手の礼賛本を読んで、どうも嫌な感じを持った方にも読みやすいと思います。
#「桜」というと、パッと咲いてパッと散るという軍国主義的な印象を持ってしまいがちなので、ちょっと損をしている感はありますが。

それにしても、この本にまとめるまでの経緯を考えると、聞きにくいことも聞いているので、取材の苦労は相当あったと思います。
人間、悪いことは忘れたがる動物ですし、誰だって、悪い話はしゃべりたくないですからね。

そこをあえて突っ込んで、話を聞いているのが素晴らしいです。
なかなかできることではありません。

 

ここのところ、「台湾は親日」と言われることが多いです。
が、その裏には、とてもとても深い関わりやたくさんの出来事があります。

良いことばかりをしているから、日本に好印象なわけではなく、マイナスもプラスもたくさんのことがあったのです。
それらを総合して、ギリギリ、プラスの方に傾いてるというのが、正しい見方なんだろうと思います。

とすれば、現在とこれからを生きる我々としては、好意に単に甘えることなく、悪いことはきちんと見つめ直し、良いことを積み重ねていかねばなりません。
信頼関係って、そういうものですからね。
#だから、タクシーで暴れた連中は、まったく許せません。何様のつもりなんでしょうか。

というわけで、ちょっと台湾に興味を持った方には、ぜひ読んでいただきたい本だと思います。
心揺さぶられるお話が満載です。



Last updated  2012.02.12 00:38:57
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