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中国茶・台湾茶と旅行 あるきちのお茶・旅行日記(旧館)

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2016.08.14
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今年の5月26日にプーアル茶の専門書が発売されました。


大益普洱茶の品質鑑定


プーアル茶の大手メーカー・大益が出している本の日本語翻訳版です。

主編者の呉遠之さんというのは、大益グループの総帥。
プーアル茶業界というか、中国茶業界の超大物です。

で、読み終わってから気がついたんですが、翻訳はなんと北京在住のライターの原口純子さん。
翻訳は、原文に忠実で、かなり直訳的なのですが、恐ろしいほど正確に翻訳されていますし、様々な専門用語(特に化学用語や製茶用語)もきちんと調べて翻訳されています。
さすがだなあと思ったのですが、なるほど納得の人選でした。
#大手メーカーの資金力が無いと、とても実現できない本ですね(^^;)


<大益について>



この本を出している大益というのは、旧国営工場だった勐海茶廠が民営化して生まれた企業グループです。
かつてプーアル茶は昆明茶廠(1)、勐海茶廠(2)、下関茶廠(3)、普洱茶廠(4)という4つの国営工場が基本的に生産を独占していた時代があり、いわば由緒正しい大手の工場です。
#( )に書かれた数字はプーアル茶を知るポイントでもあります。詳しいことは自分で調べましょうw

元々が国営工場であっただけに、量産品の生産が得意分野です。
なので、家内制手工業的な作り方ではなく、近代化された大がかりな生産を行っています。

お醤油で喩えるなら、木桶で丹念に作っているような街の小さな醤油屋さんではなくて、醸造学を駆使して大きな金属タンクで仕込んでいるようなキッコーマンとかヤマサみたいなメーカーさんですね。
こだわりのある人には物足りないかもしれませんが、ある程度の品質のものを適正な価格で多く広める会社です。


<本のレベルについて>



この本、「プーアル茶の専門書」と帯に書いてありますが、本当に専門書です。教科書的な専門書です。
情け容赦なく、遊離アミノ酸とかテアルビジンとかブドウ糖リン酸エステルなどの化学用語がバンバン出てきますし、製茶や鑑定の部分については、高級評茶員クラスの知識・素養が無いと、ほとんど歯が立たないと思います。
カラー印刷で美しい写真なども合間に入っているのですが、きちんと読もうと思うと免疫が無い方は、きっと目を回すと思います。
私も購入してすぐにサラッと流し読みしましたが、途中で集中力が切れて頭に入らなくなり、しばらく”積ん読”してました(^^;)

「日本国内で、この本をスラスラ読みこなせる人は、おそらく百人に満たないのではないか・・・」と思われる本です。
これまで日本で販売されてきた中国茶の本を仮に”小学生の教科書”とすると、これは”大学生の教科書”レベルです。
日本国内で行われている中国茶インストラクターのコースでも、教授されるのは、せいぜい中学生レベルの知識止まりなので、茶に関する知識水準の彼我の差を思い知らされることでしょう。
何しろ、中国の大学には「茶学部」なんてのがあるぐらいですからね・・・

まあ、それでも中国茶やプーアル茶の専門家を名乗るような方は、「この本に食らいついて読み解いてやろう」程度の気概は必要だろうと思います。
再販がされるような本では無いと思われるので、今のうちに買っておくべきかと。

一般の方は、通読を目指すのではなく、必要なところを拾い読みするぐらいで十分ではないかと思います。


・・・と、いきなり読む気を挫いておいてなんですが、本の概略をw


<本の構成>



本の章立てとしては、以下の通りです。

○第一章「普洱茶について」

この章では、プーアル茶の基本的な部分を解説しています。
第1節はプーアル茶の定義で、国家標準に基づいたプーアル茶の定義をしています。以前、このへんとかこのへんとかで、私も紹介してますが、ほぼ同内容ですね。標準ベースでやると当然なんですが。
第2節は普洱茶の種類で、製法(生茶と熟茶)、保存(乾倉と湿倉)、外形、ブレンドの有無など。このへんまでは比較的平易な内容です。
第3節は普洱茶の加工技術ということで、製法について細かく紹介しています。ここで要注目なのは、勐海独自の製法として、晒青毛茶を作る際の工程に”渥黄”と呼ばれる発酵工程が入っているのを紹介していることです。

毛茶の製法というのは、簡単に書けば、茶摘→殺青→揉捻→乾燥なんですが、実際には細かな工程があり、そこで様々な物理変化や化学変化が行われて、お茶の成分が変化して、香りや味を生み出します。
なので、お茶を知るなら製法を知らないと話にならないのですが、そこを細かく書いている点は、さすが専門書!です。
ただ、この製法はあくまで勐海のものであって、これを読んだからといってプーアル茶の全ての製法が分かるわけではありません。念のため。


○第二章「ヘルシーな普洱茶」

この章では、プーアル茶に含まれる成分を紹介し、それが健康にどのような影響を与えているのかを記述しています。
第1節は、普洱茶の健康に良い成分として、プーアル茶に含まれる様々な成分について生茶と熟茶のそれぞれについて紹介しています。
第2節は、それらの成分を踏まえて、どのような効果があるかを、やはり生茶と熟茶のそれぞれについて記述しています。
ただ、このへんは未だ研究途上な所でもあるので、やや生煮えな感じもあります。お茶の機能性の評価には時間がかかるので、このへんは現時点ではこのように考えられている、という程度に留めて読む方が良さそうです。


○第三章「大益普洱茶」

この章は大益についての紹介ページです。
第1節は、大益グループについてで、勐海茶廠からグループがどう発展してきたのかを簡潔に記しています。
第2節は、大益普洱茶の価値で、企業の強みとして生産技術や勐海という土地の優位性について記されています。
第3節は、大益の早期の製品ということで、コレクター垂涎の紅印、緑印、黄印などの製品やその他の製品について簡単に紹介されていて、ビンテージもののプーアル茶を追う人には基礎的な内容になるかと思います。
第4節は、大益の現代の製品で、現在の大益の製品ラインナップの紹介です。ほぼカタログですねw
第5節は、大益普洱茶の判別で、7542のような数字の読み解き方を紹介しています。

○第四章「普洱茶の審査評定と品質鑑定」


この章がこの本の核心的な章で、プーアル茶の審査方法について紹介されています。
第1節は、普洱茶の審査評定技術で、プーアル茶というよりもお茶の鑑定の基本的な事柄について、簡潔に紹介されています。評茶員のクラスで最初に習う部分です。
第2節は、普洱茶の品質鑑定の技巧で、実際にプーアル茶を鑑定する際、どのような現象が出ていたら、それが生産・製造過程におけるどのような問題点に繋がるかなどを紹介しています。評茶員の方なら、おそらく歓喜する内容で一番面白い部分だと思います。ただし、評茶の概念が入っていないと、読んでもあんまり分からないと思います(^^;)

○第五章「大益普洱茶の品質鑑定実例」

この章では、大益の現行製品のテイスティングレポートが延々続きます。
全部で約80ページほどと本全体に占めるページ数のボリュームはきわめて多い章です。
全部頭に入れば大益のお茶には相当詳しくなるでしょうが、それがどのようなメリットになるかは・・・
第1節は生茶、第2節は熟茶と分かれており、お茶の簡単な紹介と各お茶の外観、水色、香気、滋味、葉底についてのテイスティングコメントがついています。
ただ、このテイスティングコメントは日本語に翻訳されているのが、惜しいところ。原文で載せてもらっていたら、評茶員の方のとても勉強になる教材なのですが・・・
一応、巻末の付録二に普洱茶の審査評定の用語集というのがあり、中国語の対訳があるので照らし合わせて読めば良いのですけれど。


○第六章「普洱茶を淹れる」

この章ではプーアル茶の淹れ方について紹介しています。
ただ、大益は自分の茶道流派を立ち上げており、その流れに沿ったものになっているので「○○すべき」「○○をしてはいけない」という記述が多く、非常に流派然とした章です。
詳しく知りたい方は、この流派の教本が、先に日本語訳で出版されているので、それを参考にされても良いかと思います。
一応、基本となるべき茶器の種類や茶を淹れるコツなどは網羅されています。



<どのような方に勧められるか>



この本は、プーアル茶に関するかなり専門的な内容が日本語で得られるという点で、非常に貴重な本です。
が、内容的にかなり難しい印象があるため、日本で一般的に流布している情報を覚えた程度では歯が立ちません。
そのため、読みこなせる方は非常に限られると思います。

そこが非常に悩ましい点で、「良い本ですよ!」とあまり思い切って勧められない点でもあります。
が、中国茶をきちんと極めようとか、中国茶の専門家になろうと思っている方は、購入する価値があるでしょう。

この本に書かれている内容をきちんと理解し、それを一般の方に分かりやすく伝えるということこそが、今の中国茶業界には求められていることなので。
プロフェッショナルになるには、どのようなことを学ばなければならないかを知る上では大変役に立つと思いますし、自分の足りない部分が明確になると思います。


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大益普〔ジ〕茶の品質鑑定 [ 呉遠之 ]


基礎茶式 [ 呉遠之 ]





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Last updated  2016.08.14 06:14:06
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