東野圭吾さんの『真夏の方程式』を読みました。
お盆に読み始めて10日ほどで読了。テレビドラマではおなじみのこども嫌いの先生。ずいぶん前に、映画館で予告編をみて気になっていた小説。こども嫌いの湯川先生がこどもたちに振り回されて、童心に戻ったりするのかと思いきや、子供たちを守りぬくよき大人のポジションに徹しとおすところ、さすがです。警察に属していない教授だからこその到着点、過去の罪が未来へ影をおとさないように、やさしさにつつまれて読了。真夏の方程式 (文春文庫) [ 東野 圭吾 ]読者参加型の謎解きではないので、推理小説の読みたい方にはお勧めできないかも。事前に提示される物的証拠はほとんどなくて、聞き込みの証言から推理が組み立てられてゆく流れ。読者は新しい証言が加わるたびに軌道修正していかなければならない。のですが、その経過を物語の始まりには予見していて、あれこれ準備をほどこしている湯川先生の超人ぶり。結末まで呼んだ後に逆算をはじめて、どの時点で湯川先生が全貌を見極めたのかを、検証してみるのは楽しかったです。湯川先生の隠れた一面にご興味のある方には、絶賛オススメ。