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旭陽の 自由に生きていく ブログ

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balloon_150.gif 管理人について

HN / 旭陽(あさひ)
腐、趣味読書、B'z教徒、
海外ドラマ好き、Left my heart in NY。

アッシュを追ってNYまでいきましたが、
今は日本。
私のいる場所が、自由の国。

好奇心がすべての双子座・B型。





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September 23, 2009
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カテゴリ:SS
                    
                                            



火のついていない煙草を咥えたまま、ゴミの後始末まで終えて店の裏口から出てみると、

奴が二人組の男と立ち話をしていた。

染色とは一味違う鈍い輝きを放つ金髪、そして笑い声交じりの会話が理解不能なことから

すぐに二人組は外国人だと知れた。

夜ともなれば、この街に集う人間も多国籍だ。

サラリーマンの腕に豊満な胸すりよせるアジアン、「ブチョー、ブチョー」と片言の

日本語で客引きをするごつい黒人、留学生か観光客か洒落た白人。

ここは本当に日本かと、ときどき真剣に考える。

奴らに視線を戻すと、こちらに気づいた風もなく、会話を続けていた。

大きな声、派手な身振り手振りで語る二人組に対し、奴は冷めたものだ。

右手に煙草、適当な所で相槌を打つくらいで、時折小さく笑う程度。

このまま、声をかけずに帰ろうかと思った。

さすがの奴も、外人二人相手にすれば、「つまらない」とは言わないだろう。

しばらく眺めていると、顔をあげた奴が俺に気づいた。

煙草持つ手を上げ、こちらに歩み来ようとする。

すぐに何か言い募る二人組をひらひらと手で追い払う。

俺でも分かるスラングで悪態をついたが、それ以上食らい着いてくるようでもなかった。

「ナンパか」

「おしいね、スカウト」

「スカウト?」

「ニチョウメで働きませんかーて」

俺は一瞬絶句したが、「うりセンか」と揶揄ってやった。

「外国人バーだって」

「お前がバーテン?」

「人気者間違いなしでしょ」

「自分で言うな」

奴はくふふと笑った。

目が細くなり、口元に笑い皺が寄る。

俺は、この笑い顔が一等好きだった。

とりすましている方が整ってはいる。

が、崩れた瞬間、なんともいえない色が広がる。

人間味とでも言おうか。

俺はしばらく、自分より少し下にあるその顔を眺めていた。

奴が煙草を吸いつける。

伏せられた長いまつげがなめらかな頬に陰影を落とす。

吸い寄せられるように、俺は気が付いたら、奴の項に手をかけ、引き寄せていた。

顔が近づく。

驚いた奴の目が一瞬大きくなる。

薄い色の瞳に、無表情の自分の顔が歪んで映る。

穂先が、触れ合った。

「な、に」

「火」

「え、」

「さっき、やっただろ。返してもらう」

それだけ言うと、咥えっぱなしだった煙草の先を、奴の煙草の先にさらに押し付けた。

じりじりと焦げだす。白い煙が立ち上る。

穂先から奴に視線を移すと、奴は呼吸も忘れたように固まっていた。

やがて突端が煌煌としてくるころ、俺はゆっくりと顔を離した。

奴はまだ固まっている。

俺はそんな奴をおいて、家路目指して歩き始めた。



                    
                                            



*:・゜*:・゜*:・゜*:・゜*:・゜*:・゜*:


羅夢.しゃん、遅まきながらお誕生日おめでとうございます!!

あなたが生まれてきてくれて、わたしはうれしい!

で、くっつけてみたんだけどどうかな・・・煙草の先を(脱兎)


てかおかしいぞ?

スーツ兄さんはもっと鉄壁で微塵も揺らがない人のはずなのに・・・

男の、てか旭陽のS心が・・・いじめたくてたまらないという。

この、全て手に入れてる男をめちゃめちゃにしてやりたい(危険)

はっきり書いちゃいないけどバレてると思います、もうずっと不調でした。

連載ものの更新、去年の11月が最後ですもんね(苦笑)

今も悩みは解決してないし、読み返せば、まるっと削除したくなることがあります。

が、今日に明日に解決することは絶対ないし、片目を閉じて、続けていくことにしました。

今へたっぴなのはしょうがない。

旭陽の十年後に期待してください。

それくらい書き続けてりゃ、進歩あるかなという柔らかな期待(笑)








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Last updated  October 10, 2009 01:57:58 AM
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