自閉症は新種の水銀中毒という仮説をサリー・バーナードさんたちは発表しましたが、これは勿論、それまで知られていた水俣病などとは違う種類の水銀中毒という意味です。
自閉症スペクトラムに該当する子どもは、1990年代後半に米国で行なわれた調査によると、166人に一人の割合で発見されています。90年代から2003年頃にかけて米国で赤ちゃんたちに実施された予防接種に入っていたエチル水銀がその原因だとしても、実際に発症したのは166人のうち一人だけという計算になります。もしこの仮説が正しいとしても、影響されるのは166人のうち、水銀に対する抵抗力が最も弱い一人、あるいは水銀を排出する能力の最も弱い一人だけということになります。
実際には水銀と無関係の自閉症児も存在すると僕たちは考えています。つまり人数はもっと少ないと思います。ただし、ADHDの子どもたちも含めれば、もっとずっと多いかもしれません。
水俣病のうち、九州で発見された例は、魚を食べることで入った大量のメチル水銀による急性劇症型の水銀中毒と、妊娠中のお母さんたちの食べた魚によるメチル水銀が胎盤を通って赤ちゃんに入った胎児性の水銀中毒です。水俣病に関する本を何冊か読めばすぐに分かることですが、流産も多かったそうです。
こういう水銀汚染の激しい地域で、166人の中で最も水銀に対する抵抗力の弱い赤ちゃんはどうなったでしょう。水俣病になって患者として発見されたでしょうか? 実際には発見されなかったようです。
新潟水俣病の原因になった阿賀野川の流域を含む福島県で行なわれた大規模な調査では、自閉症のような行動の見られる例が急増したそうです。水銀汚染のおきた1965年までに生まれた子供たちの中では1万人に一人未満だったのに対して、3年後に生まれた子供たちでは1万人のうち4人をこえたそうです。阿賀野川を溯った魚の水銀と関係があるのでしょうか?
ただしiRyotaはこの論文を実際に読んではいません。マーク・ブラックシルさんたちの論文に引用されている数字を見ただけです。(リンクは論文要旨です。本文は有料です。)
Blaxill, Redwood & Bernard. (2004.) "Thimerosal and autism? A plausible hypothesis that should not be dismissed."
最終更新日
2005/12/17 06:34:12 AM