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言葉では通じ合えない人たちの物語。
アカデミー作品賞には納得です。モロッコ、北米、日本でおこる一連の物語。いずれも言葉は通じても心が通じ合わない者同士の物語。 子供をシッターのアメリアに預け、夫婦で海外旅行に出るブラピ夫婦。でも妻の顔は晴れない。しかも旅の途中で銃弾を受ける。辺鄙な田舎のためまともな医者もいなく、救急車も来ない。同行のツアー客は先に行ってしまい、大使館と話してもまともな返事が返ってこない。 その銃弾を発射したのは、放牧を営む一家の末っ子。ライフルをジャッカル退治のために買うが、兄弟は試射を繰り返す。そしてバスを標的にした試射が命中するが、米人観光客相手のテロと間違えられ、兄は警察に射殺される。 そのライフルを譲ったのは菊池凛子の父親。凛子は聾学校に通うが、気持ちは普通の女子高生。部活もやれば、遊びにも行く。しかし何をやっても父親とも友人とも本当に心が通じることはなく、孤独をもてあましている。 アメリアに預けられたブラピの子供達は、アメリアの息子の結婚式のためアメリアと一緒にメキシコへ。結婚式はとても楽しかったが、その帰りに国境で怪しまれ、運転手のサンチャゴは国境を強行突破。警察の追跡を振り切るために、アメリアと子供達を砂漠の真ん中でおろして警察をまこうとする。帰ってこないサンチャゴ。水も食料もなく砂漠に置き去りにされたアメリアは、子供達をおいて一人助けを求めて道を探す。子供たちの誘拐犯と断定されたアメリアは、不法滞在で強制送還に。。 みんな言葉を発しているのに意思が伝わらない。心が通じない。でも最後に、言葉ではない何かでほんの少し、通じあう。何気ない、日常でも普通にある状態を、一連の4つの物語として描くことでクローズアップしている。その断片的な構成は見事。ただ時間軸の交差は、「終極無限」を体験した自分にはまったく印象に残らなかった。 また、アカデミー助演女優賞候補の菊池凛子。さすがにノミネートされるだけあって、印象的な演技をしていた。音声に頼らない分、目や表情、動きで豊かに感情を表出させていた。やっぱり日本人らしい演技ってあるのかなぁ。中華系や韓国系とは異なる魅力。 2時間半、充分に楽しめた作品でした。 公式サイトはこちら 川崎チネチッタ 5/6 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.05.27 21:46:15
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