テーマ:最近観た映画。(38556)
カテゴリ:その他の映画
ストーリーは、冒頭にある人物がオートバイの事故で亡くなるところから始まり、その男の葬儀でロレンスの話題となり、当時のエジプトはカイロへと時間は戻っていく。 フェイサル王子の軍に合流するため、道案内一人を雇って砂漠を渡るロレンス。しかし、道案内のベドウィンが違う部族の井戸の水を飲んだ咎で殺されてしまう。ただ一人でフェイサル王子の軍にたどりついたロレンスは、アカバ攻略のため奇跡の砂漠横断をアリを将とする50名のベドウィンの勇者たちと成し遂げる。そこでハウェイタットと一団となり、アカバのオスマントルコ軍を背後から急襲して見事アカバを攻略する。 こんどはカイロの司令部に行くために、シナイ半島を横断するロレンス。付き人の一人が流砂に呑まれるもなんとかたどりつき、司令部の将校喫茶でもう一人の付き人とレモンソーダを飲み干すロレンス。 それからはアラブを走るトルコの鉄道を爆破して戦果を上げ続け、ベドウィンたちの信頼を得て、ロレンス自身も「自分は特別だ」と思い始めるが、トルコ軍支配下の都市デラアにアリと潜入しているときにトルコ軍に誰何され、怪しまれて拷問を受ける。 「アラブはもうたくさん」と転属を願い出るが、アラブの戦士たちの支持を得たロレンスを英軍が簡単に手放すはずもなく、それならばとロレンスは、先頭にたって「アラブが一番にダマスカスに入ろう!」とベドウィンたちを導く。英軍到着の1日前にダマスカスに入ったベドウィンたちだったが、そこで部族間の反発がいかに根強いものか、議論はまとまらずロレンスはダマスカスで天国と地獄を一遍に見ることになる。。 いやぁ、まず最初の「オーバーチュア」から雰囲気が盛り上がってきました。真っ暗な画面に音楽だけが鳴り響く。そして砂漠の光景の見事なこと!アリの登場シーンは、最初はなにかゆらゆらと地平線に影のようなものが見えるなーと思っていたら、徐々に蜃気楼のように形がでてきて、ついには人の姿になる。それをずっとカメラを回し続けて撮っているのです。 またロレンスが50人のベドウィンを連れてアカバへ向かう隊列も、恐らくは砂丘の頂上や砂漠の岩の上から、えんえんとロケで撮ってるんです。朝も昼も夜も、荒涼とした砂漠が続くのですが、その光景が戦慄するほど綺麗なんです。そして、アカバ攻略の戦闘シーンや列車を襲うシーンといったアクションシーンも全景が観られて、全員本物でロケしてるんです。 途中の休憩では「インターミッション」でやはり最初と同じく真っ暗な画面に音楽が鳴り響くという粋な休息タイム。 たぶんこの作品が現代でつくられたら、相当のCGの量になることでしょう。しかし、本物のロケ撮影にしか出ない迫力、絶対にCGでは感じられない美しさがスクリーンには存在しました。 また、ベドウィンの部族間の仲の悪さは現代のアラブのまとまりのなさに通じるものがありますな。そしてこの当時(オスマントルコ帝国の支配からの解放)から英仏の裏協定があり、今の人為的な国境線(だって砂漠の真ん中に直線で国境があるんだぜぇ?)や、中近東のトラブルにまで繋がってくるのかなんて思ったり。ちょっと映画を観終わった後にこのへんのことを調べてみたら、ヨルダンやらサウジの王様も歴史があるわけではなく、つい最近王様になったのだとわかりました。 ストーリーも冗長でなく納得の227分で、観客を飽きさせることがありません。伝説の傑作はやはり素晴らしいものでした。このような大作を映画館のスクリーンで観ることができて、映画ファン冥利に尽きるというものです。 公式サイトはこちら。 1/11 新宿テアトルタイムズスクエア お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.01.21 23:00:40
[その他の映画] カテゴリの最新記事
|
|