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カテゴリ:探訪
![]() 11月12日に中央公民館で講演会を聴講した後、この石鳥居を幾度も見ながら通り過ぎていましたので、帰路に訪れてみました。少し前にご紹介した白長神社のある丘陵地の西側になります。 ![]() 石鳥居の傍に、「下居(オリイ)神社」の案内板が設置されています。内容は後で触れていきます。 ![]() ![]() 鳥居を通り過ぎると、左側にこれらの案内柱が立っています。 左は、この神社の森一帯が「下居神社文化財環境保全地区」であることを示す標識です。 右は、この下居神社が、旧宇治郷(宇治町)の下居(シモイ)地区の住民によって管理されてきたこと、社殿は江戸時代の建立で京都府登録文化財であることを説明しています。 ![]() この神社に祀られていたこの写真の神像三体と狛犬一対は、現在歴史資料館に寄託されていることが併せて記されています。 ![]() この神社の案内と観光案内標識を兼ねたものも設置されています。 ![]() ![]() 参道に沿って、東側に大木が植えられています。右は通り過ぎてから振り返った景色。 ![]() 参道を進むと、先に石段が見え、右側は児童公園になっています。 その奥に小堂が見えますので、傍まで行ってみました。 ![]() ![]() 格子戸越しに、お地蔵さまが見えます。地蔵堂です。 ![]() ユーモラスなお顔が描かれています。おもしろい。 ![]() ![]() 朱塗りの明神鳥居が建てられていて、額束のところに「権現」とあります。 神社名或いは神名でないのが珍しいと思います。権現とは、「仏・菩薩が日本の神に姿を変えて現れること(たもの)。(昔の神の尊号の一つとして用いられる)」(『新明解国語辞典』三省堂)という意味ですので、この尊号だけでは一般的過ぎます。区域外の私にはわかりづらい・・・・。 ![]() ![]() 石段を上がった後、境内地の参道を歩みますと、参道の先に社殿が見えてきます。 ちょっとした小高い山の上が削平されて境内地になっているような感じです。 左側の大木の手前に、 ![]() ![]() 秋の野のみ草刈り 葺き宿れりし宇治の 京(ミヤコ)の假廬(カリイオ)し思ほゆ 「この歌は、皇極天皇の大和から近江への行幸につきそった額田王の歌と伝えられ、 『秋の野の草を刈って、その草で屋根を葺いて泊まった、宇治のみやこの仮小屋の ことがなつかしく思われる』という意味である。 平成4年10月 宇治市 」 (駒札転記) 皇極天皇とは斎明天皇のことでもあります。 下居神社のあるこの地は、天皇が行幸の途中に行宮(アングウ)を営んだ趾地といわれているそうです。「宇治のみやこ」の場所だとか。 『万葉集』を確認しますと、第7番目の歌として収録されていて、「額田王の歌 いまだ詳らかならず」と記されています。 (資料1) さらに、石鳥居傍の案内板には、「明日香親王別業地跡とも伝えられている」との説明も記されています。 ![]() ![]() 朱塗りの瑞垣に囲まれた本殿です。 ![]() ![]() 狛犬像の代わりに、石灯籠が一対、拝所の両側に配置されています。 西之屋形風の石灯籠です。 ![]() ご祭神は、伊邪那美命 (イザナミノミコト) 創造神 速玉男命 (ハヤタマオノミコト) 水の神 黄泉事解男命(ヨモツコトワケオノミコト) 祓(ハライ)の神 です。 当社の創祀時期は明らかでは有りませんが古社だそうです。 本殿は、三間社流造桟瓦葺の建物。 ![]() 本殿に向かって、右斜め前にこの境内社があります。流造の屋根の小社です。 ![]() 近くで拝見しましたが、特に掲示がなく、祭神は不詳です。 あとは社務所の建物があるだけです。 少し寂れた感じすら受ける静寂な雰囲気に囲まれた神社でした。 参道を戻るとき、 ![]() ![]() この句碑が建立されていることに気づきました。 残念ながら私には判読できない文字があります。句碑のご紹介に留めます。 ![]() 参道を引き返し、JR奈良線の宇治駅に向かいます。 参道両側は紅葉した落葉が降り積もっています。幹線道路までの静かな歩みのひとときです。 下居神社探訪をこれで終わります。 序でに触れておきます。講演の中での話から、確かめてみたくなったこと。 JR宇治駅前を通るとき、 ![]() ![]() これが郵便ポストであることは認識していました。お茶の宇治だから茶壺になぞらえてPRを兼ね創られたものか、それくらいにしか考えていませんでした。 ポストの正面の下に、こんな銘板が設置されていることを、講演の中で宇治を意識するイメージの一例として聞き、初めてその由来を知ったのです。 ![]() 「宇治市制施行50周年」を記念して、この茶壺型ポストを2001年3月23日に設置したとのこと。 このポストの設置時点では、はや10年余の時を経た宇治市民になっていたのですが、知りませんでした。知らないことばかり・・・・。 そこで、調べてみますと、この茶壺型ポストのモデルとなった茶壺が、ここから徒歩10分ほどの場所にある宇治茶の老舗「堀井七茗園(ほりいしちめいえん)」の店頭に並べられているそうです。今度はそれを序での時に見て来ようと思っています。(資料2) ご覧いただきありがとうございます。 参照資料 1)『新訂 新訓 万葉集 上巻』 佐佐木信綱編 岩波文庫 2) 京都府内の珍しい郵便ポストーここから手紙を出してみたい!ー :「COCO-KYOTO」 補遺 神像と狛犬 下居神社 宇治史探検No.010 :「ええとこ発見うじ」 堀井七茗園 ホームページ ネットに情報を掲載された皆様に感謝! (情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。 その点、ご寛恕ください。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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