デジタル人材
デジタル田園都市国家構想実現会議という大臣が集まる会議が先週金曜に開催されました。https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai3/gijisidai.html?fbclid=IwAR24WrA-gMxRdjulOrSwWuwQRNX_sTtEDtmNVKY0D9DtrMvAelxPBQ0N608デジタル人材を育成するために各省庁が何をするかなどが共有された感じです。デジタル人材って、なんだろうか?さっぱり分からんという人も多いでしょうが、少しIT業界をご存じならイメージするのはおそらくは「プログラマー」「SE」「データサイエンティスト」「セキュリティ/情報システム管理者」みたいな職種の人ではないでしょうか。デジタル人材は現在不足してるというのは直感的にわかるとして、どのくらい増やすとよいのか?は正直分からないでしょう。インドなどでは情報系の大学卒業生が毎年100万人か200万人ほど生まれているそうです。そこで、国として目標を定めました。今後5年くらいかけて230万人増やすそうです。デジタル田園都市国家構想担当大臣である若宮大臣の資料に掲載されています。https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai3/siryou7.pdf計算式は、(現在の労働人口)x0.3x0.160.3はざっくり3割くらいが変わると世界が変わりはじめるという黄金比率からだということです。0.16はイノベーション理論でいう「イノベーター」「アーリーアダプタ」の比率の合計。スマホ、インターネット、ハイブリッドカーやカップラーメンなど、あらゆる商品・製品・サービスが普及するプロセスを研究してきたE.ロジャーズ博士が提唱したものです。例えばEVはまだ普及理論でいえば一部の人だけの利用に閉じています。多くの人は充電ステーションだとか家の設備とか価格とかいろいろな気がかりがあって様子見です。それでも買う人はいます。新しいものには何か今までにない機能があり、それを試したい人です。そしてどんなだったかを周りに言いたい人。こういう人をアーリーアダプターと呼びます。さらに10年前にテスラを買ったような人はイノベーターです。EVは商品としては出ていましたが走行距離は短く、不調でも見てもらえるディーラーもほとんどなく、おそらく買っても一般的な自動車のような乗り方ができなかったでしょう。むしろ買った後、使いこなすためにいろいろ自分で小道具を作ったり、創意工夫してなんとか乗ったと思います。そういう実現のために自分で足りない機能を手を動かして作ったりして導入してしまうような人、こういう人をイノベーターと呼びます。デジタル人材0.16というのは、このイノベーターとアーリーアダプターを足した値と言われています。デジタルを社会に導入するにはまだまだ日本社会はひどいアナログ、変わることを拒む人、抵抗勢力も多く孤軍奮闘だったり、血だらけで前進めないといけない、そんなことも厭わない変人がイノベーターです。100人に2,3人の比率でしかいません。(日本だともっと少ないんじゃないかとも思いますが)次に、そうやって荒地を実際に歩いていくイノベーターの後について、面白そうな道具を見つけたり、イノベーターが作ったものを使ってみて、「面白い!」「これ便利!」と声をあげる人がアーリーアダプターです。イノベーターは黙々と創る人ですので、そういう人だけでは普及はしません。多くの革新的な製品、サービスがこの世に出たことと思いますが、多くはイノベーターの目に留まっただけで消えていった、それはイノベーターは自ら使いこなすことには高い能力があっても人に宣伝とか、みんなをかき集めて紹介するとか面倒、どうせこの良さは伝わらないと思う性格・性質の場合が多いからです。なので普及にはアーリーアダプターに火がついてからが勝負。ここで宣伝してもらえないものは消えます。今回、国が狙うデジタル人材はイノベーターではなく、アーリーアダプターまで含まれているところがポイントだと思っています。デジタル人材は高い技術を持って開発する人だけを刺しのではなく、誰かが作ったものを利活用し評価をどんどんSNSなどで発信するような人、なんだったらYoutuberなんですね。私が製造技術分野のアーリーアダプターの頂点とも思しき一人は「ものづくり太郎」さん。https://www.youtube.com/channel/UCY9KXoezyo6cp-YwguOOCcg熱く、ものづくりの話をしています。こんな人があと1000人いたら相当違うだろうなとイメージわきます。ここまででないもう少し軽めの人がさらに5万人、もっと軽めが150万人、えぇ劇的に社会変わりますよ。そしてそういう人たちに賞賛されまくる「作り手」があと80万人増えたら、国産で日本が変わるという動きに繋がるでしょうね。こっちは分野が細かく分かれるので80では実際は足りないですが、こっちの人材はアーリーアダプター育成とは違って本当に技術習得に5年、10年かかりますから、目標期間内に絶対たいして増えません。ここは国もわかってるからこそあぁいう数式出してきたんじゃないかなぁと思っています。ということで技術Youtuberで月2本投稿するにはどのくらいの情報収集と勉強が必要だろうか?の視点でデジタル人材をイメージしてはいかがでしょうか?