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アトムカンフーこと阿藤寛の日記

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2010年08月01日 楽天プロフィール Add to Google XML

「成長と安全域」ベンジャミン・グレアム
[ 株 ]    

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 投資の真髄 ~偉大な投資家の言葉に学ぶ~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  
 〔 第21号 2006/11/06 〕 671部発行

        
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
 【main contents】 成長と安全域(ベンジャミン・グレアム)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 前回の内容と関連して、成長と安全域のかねあいについて
 考えてみたいと思います。

───────────────────────────────――――

 
 もしも、企業の実態価値の最大の部分が経営者の質、業態、
 それに楽観的な成長予想などで占められるようになると、
 安全余裕率はほとんど残らなくなる。

 一方実態価値の大きな部分が
 計測可能な定量的要素の集積として考慮されるとすれば、
 投資家として値下がりのリスクは限られたものになる。

 
 (『株で富を築くバフェットの法則』ダイヤモンド社より)

───────────────────────────────――――

 
 グレアムは、生涯何度か破産寸前の憂き目に遭い、
 安全で健全な投資というもののフレームワークを
 作成することに生涯をささげました。

 その過程で、グレアムはあやふやな定性的要素を退け
 誰もが計測可能な定量的な分析によって
 投資をすることにたどり着きました。


 誰にもわからない将来の期待ではなく、
 誰もが調べることができる過去の実績によって
 投資の決定をしました。


 価格を構成する要素が、定量的で数値化できるものでなく、
 経営者の質、業態、楽観的な成長予想で占められるとき、
 安全域はほとんどなくなるといっています。


 彼の投資の特徴は、
 将来のあやふやな期待成長には一銭も払わないことです。


 日本一の個人投資家といわれる竹田和平さんも、
 同じようなことを言っています。
 
 自分が長年経営をやってきた経験から、
 企業の将来を予想することがとても難しいことを
 体感してきたからだそうです。

 自分の会社の未来もわからないのに、
 他の会社の未来がわかるわけがないといっています。


 しかし、成長性というのも数値化できますよね。
 ここに一つの落とし穴があると思います。

 例えば、5年連続増収増益、成長率何%達成ということになると、
 数字で表現されているだけに、
 さもその企業の成長が確実なものにみえてしまいます。

 成長が確実視されるようになると、
 市場はその企業にプレミアムを支払うことになります。
 あたかもその成長が永遠に続くかのように・・・。

 そんな時に、安全域はほとんど残っていません。


 いくら数値化されても、成長に関する数字を基に投資するのは、
 かなりのリスクを伴います。
 その成長が確実である裏付けをとるためには、
 相当の調査、分析が必要になるでしょう。

 それをしないで、成長銘柄に投資することは、
 投資の範疇から大きくはずれた行為になると思います。
  

 次回はそれを踏まえた上で、
 バフェットがどうやって永久保有に値する成長銘柄を
 見つけているかについてとりあげたいと思います。

【本日の関連文献】
-----------------------------------------------------------------------


株で富を築くバフェットの法則新版チによるバフェット評があります。
  バフェットがどういう投資をしていたかを具体的な
  ケースを取り上げ紹介しています。
  僕は2段階DCF法をこの本で学びました。

  

最終更新日  2010年08月01日 22時20分36秒
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2010年07月31日

「真の成長」ウォーレン・バフェット
[ 株 ]    

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 投資の真髄 ~偉大な投資家の言葉に学ぶ~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  
〔 第20号 2006/11/02 〕 669部発行

         
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
 【main contents】 真の成長(ウォーレン・バフェット)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 企業の成長は、一般に株主にとって好ましいといわれています。
 今回は、バフェットが成長についてどう考えているのかを
 とりあげてみます。 

───────────────────────────────――――

 
 売り上げ、利益、資産の成長は、投資の価値にプラス、
 またはマイナスされるが、
 「成長」は、対投下資本利益率が平均を超えるとき
 ―――つまり、投資額一ドルについて少なくとも
 一ドルの市場価値が作り出されるとき―――
 には「価値」を加え、その増加要因になる。

 しかし、投下資本に対する利益率の低い企業では、
 成長は株主にとって害になる。

 たとえば、航空業は信じられないほどの急成長を遂げた。
 しかし、利益率が低いため、
 株主はみじめな立場に置かれてきた。                         

 (『株で富を築くバフェットの法則』ダイヤモンド社より)



───────────────────────────────――――

 
 株式市場で成長ほど投資家を惑わすものはありません。
 
 高い成長率は、高い株価となって市場で評価されます。
 しかし、バフェットは成長イコール価値の増加とは考えていません。


 低い投下資本利益率しかあげられない企業では、
 成長は逆に株主にとって害になるといっています。

 成長がみこまれる産業には注目が集まるものです。
 
 ケインズの美人投票理論のように、
 そういった企業に投資すれば
 短期的には大きな利益を得られるかもしれません。

 しかし、これまでの歴史を見る限り、
 成長から生まれる投資家たちの期待と楽観と狂熱は、
 悲惨な結果を多く生み出しています。

 ここでとりあげられている航空業もその一つです。
 航空産業は大いなる成長と拡大を遂げましたが、
 利益率は低いままでした。
 巨額の投資のほとんどは、
 株主に見返りをもたらしませんでした。

 ぱっと思いつくだけでも、ハイテク、IT、
 バイオ、ナノテク、宇宙産業など様々な成長産業が思い浮かびます。

 しかし、その産業の拡大がそのまま
 株主にとっての価値の増大にはつながらないことを
 しっかり心に銘記しとくべきなのだと思います。


 バフェットは、投資額一ドルにつき、
 少なくとも一ドルの市場価値が作り出されたときに
 価値を加えるといっています。


 投下した資本が低いリターンしかもたらさなければ、
 いくら売り上げ、利益、資産が増えても、
 投資家の注目を集めても結局株主には低いリターンしかもたらしません。

 
 ばら色の未来が広がる企業の中で、
 本当の成長を遂げる企業をみつけたいものですね。
  

-----------------------------------------------------------------------
【本日の関連文献】
-----------------------------------------------------------------------

株で富を築くバフェットの法則新版

↑冒頭にピーター・リンチによるバフェット評があります。
  バフェットがどういう投資をしていたかを具体的な
  ケースを取り上げ紹介しています。
  僕は2段階DCF法をこの本で学びました。


最終更新日  2010年07月31日 19時53分15秒
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2010年07月30日

「グレアムの実質利益」
[ 株 ]    

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 投資の真髄 ~偉大な投資家の言葉に学ぶ~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  
〔 第19号 2006/10/30 〕 663部発行


 こんにちは。阿藤寛です。
 昨日知人にあってある企業のポジショントークをしました。
 話せば話すほど、より魅力的に思えてくるのは不思議ですね。

 
         
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
 【main contents】 グレアムの実質利益
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 企業は毎年利益を公表しますが、会計の自由さから
 実態以上に大きな利益を計上することも可能です。

 そういった粉飾利益に対処するために
 グレアムが提唱するシンプルで強力な方法を紹介します。
 

───────────────────────────────――――

 
 グレアムは企業の実質利益を単純明快に定義する。
 
 支払い配当プラス一株当たり純資産額の増加額、
 すなわち通常は任意準備金を加えた
 利益剰余金の変動で示される数字である。                

         

 (『マネー・マスターズ列伝』 日本経済新聞社刊)

───────────────────────────────――――

 企業の利益は会計上操作しやすいものです。
 特別利益を計上したりすることによって、
 実際には悪い決算の見栄えを良くすることができます。
 
 そういったことを見抜くために分析が必要なわけですが、
 このグレアムの方法を使って簡単にチェックすることができます。


 単純に考えて、純利益は配当に回さない限り、
 純資産に組み入れられるはずです。

 資産を切り崩して利益に見せかけることもできますが、
 それでは当然純資産は減ってしまいます。

 また、企業によっては計上された利益が
 どこかへ消えてしまうこともあります。
 
 このグレアムの実質利益を計算することで、
 株主にとっての実質利益を簡単に計算することができます。
 
 新たに組み入れられる数字が
 簿価でしかないという弱点もありますが、
 計算の簡単さと、分析のヒントになるという点で
 とても役に立つ方法だと思います。


 それでは実際に計算してみましょう。
 紀文フードケミファ(4065)の数字を見てみます。

 まず一株あたりの純資産の増加額を調べます。
 それは、今期の純資産から前期の純資産を
 引くことによって求めることができます。


 紀文フードケミファの場合、
 2006年度の一株あたり純資産は508円、
 2005年度は437円です。

 2006年度の純資産増加額は71円になります。
 そこに2006年度に支払われた一株当たり配当18円を加えます。

 これで2006年度の実質一株利益が求められます。
 実質一株利益は89円だったということです。

 2004~2006年にかけての公表利益と実質利益です。

 年度   公表利益  実質利益
 2004    62.7    64
 2005    88.1    89
 2006    89.6    88

 紀文フードケミファは、
 この3年間実質利益と公表利益に差がなく
 ほとんど一致していることがわかります。

 企業が単純なほど誤差が小さい傾向にあるようです。

 
 株式分割や公募増資など資本移動がありますと
 計算が少し面倒くさくなりますね。

 そして、連結決算で構造が複雑な企業は純利益が
 そのまま純資産に組み入れられるわけではありません。
 また、海外比率が多い企業は
 為替の差益の影響も考慮に入れる必要がありそうです。

 すべての企業の分析に役に立つ
 というわけではないかもしれませんが、
 計算してみるとまた違った視点で
 企業をみることができるかもしれません。


 以下少し調べて遊んでみましたので、
 参考にしてみてください。


★実質利益と公表利益にほとんど差がない企業

・スターバックス(2712)
年度 純資産増加額 配当 実質利益 公表利益 
04    132     0   132    133.1 
05    826     0   826    826.1 
06    1149    100  1249   1251.0


★実質利益と公表利益に少し誤差のある企業

・日本オラクル(4716)
 年度 純資産増加額 配当 実質利益 公表利益 
04    -3    110   107   125
05    -17    125   108   133
06     10    140   150   149.5 


・東京製鐵(5423)
 年度 純資産増加額 配当 実質利益 公表利益
04 86 4 90 80.8
05 325 6 321 326
06 218 20 239 218


★実質利益と公表利益の差に開きがある企業

・NTTドコモ(9437)
 年度 純資産増加額 配当 実質利益 公表利益
05   8221    1500   9721   15771
06   6654    2000   8654   13491


・ソニー(6758)
 年度 純資産増加額 配当 実質利益 公表利益
05 308 25 333 175.9
06 329 25 354 122


 この取り上げた例では、紀文とスタバは、
 実質と公表利益の間にほとんど差がありません。
 日本オラクルは純資産を少し崩しつつ配当をしていたことがわかります。

 ドコモは公表利益、ソニーは実質利益が大きくなってますね。


 この公表利益と実績利益の差を切り口に、
 なぜそうなっているのかを調べることで
 より企業の理解を深めることができそうです。

-----------------------------------------------------------------------
【本日の関連文献】
-----------------------------------------------------------------------


マネーマスターズ列伝

↑単に読み物としても楽しめる上に、
 投資に役立つアイデアが詰まった名著です。
 作者のジョン・トレインさんも敏腕投資家だそうです。


最終更新日  2010年07月30日 21時06分09秒
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2010年07月27日

「道の中央を行く」ベンジャミン・グレアム

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 投資の真髄 ~偉大な投資家の言葉に学ぶ~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  
〔 第18号 2006/10/26 〕 657部発行

         
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
 【main contents】 道の中央を行く(ベンジャミン・グレアム)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 今回は、賢明なる投資家の補遺にある
 「株式投資の新たなる投機性」から、
 投資で中道を行くことについて考えたいと思います。
 

───────────────────────────────――――

 
 道の中央を行きなさい(Medius tutissimus ibis)

 この原則は投資家とその投資顧問にも有効であると、
 私は考えています。
 

(『新賢明なる投資家下』パンローリング刊)               

            

───────────────────────────────――――

 
 かつては、企業の信用格付け、
 つまり財務的健全性や事業の安定性と、
 その投資の安全性はおおむね正比例の関係にありました。

 信用格付けの低い企業は投機性が高く、
 信用格付けの高い企業は投機性が低かったのです。

 
 しかし、この1958年の講演でグレアムは
 株式投資に新たな投機性がでてきたということを指摘しています。

 というのは、企業が健全で優良であるほど人気が集まり、
 投資家および投機家が群がり値段が釣りあがる
 という現象が起こってきたのです。


 その結果として、かつては安全だった
 信用格付けの高い優良企業への投資が
 投機性の強いものになってしまいました。

 これは当然現在でも当てはまりますよね。


 グレアムは縦軸を投機性、
 横軸を信用格付けというグラフを描くと、
 U字の曲線を描くだろうといっています。

 信用格付けの低い企業では、その事業自体に投機性があり、
 信用格付けの高い企業では、その信用や
 成長性による期待からうまれる人気によって
 投機性が高まっているということです。

 グレアムはこのU字グラフの中央にこそ、
 安全域のある銘柄があるのだということをいっています。

 魅力的な企業に投資家も投機家も集中する結果、
 中央にある銘柄は本質的価値より
 低い評価がつきやすいというのです。

 
 さらに、中央の銘柄だけに対象を絞っても、
 十二分な選択肢があたえられるだろうともいっています。


 今となっては当たり前かもしれませんが、
 投資家の人気や熱狂が、投機性をもたらすという
 ことは知っていて損はありません。

 投機性をさけて中道にある企業に
 投資することを心がけたいですね。


-----------------------------------------------------------------------
【コラム】バリュー投資は中道か?
-----------------------------------------------------------------------
 
 哲学や倫理学の世界では、人の理想的な姿は中道にある、
 ということがいわれています。
 個人的にその考え方が好きなんですよね。
 
 このコラムでは、グレアムの考え方を発展
 (?こじつけ?)させて、
 バリュー投資が中道である、
 という趣旨でコラムを書いてみます。



 おおざっぱに投資家を
 3つのグループに分けて考えてみましょう。

 
 第一のグループは、
 市場平均と同じレベルのリターンを求める投資家です。
 彼らはインデックス投信に積み立てて投資します。
 グレアムのいうところの防衛的投資家に近いイメージです。

 
 第二のグループは、とにかくできるだけ大きなリターンを求める
 投資家の一群とします。
 投機家の多くもここに含まれます。
 できるだけ大きなリターンを得るために
 取引回数も多く、レバレッジも使います。

 
 第三のグループを、
 グレアムやバフェットの考え方をベースに投資をする、
 バリュー投資家のグループとします。

 彼らは企業の価値と価格の差に注目して投資します。
 求めるリターンは、年平均15%~20%程度、
 または市場平均プラス何ポイントというところです。

 これは、グレアム、バフェット、シュロス、
 ルエインなど代表的なバリュー投資家が
 実際に叩き出したリターンを基にしています。


 かなり恣意的ですが、こうやって3つのグループに
 分けるとバリュー投資家の中庸性が浮かびあがります。


 まず、求めるリターンについてです。

 
 市場に一番多いグループは、
 できるだけ大きなリターンを求める
 第二のグループなんだと思います。
 
 一夜で大金持ち、とまではいかなくても
 デイトレードや信用取引などを駆使して、
 短期間でできるだけ大きな利益を目指します。
 
 欲望むき出しの貪欲なグループです。


 それに比べると、バリュー投資家であるには
 バフェットの言葉をかりれば
 「抑制された貪欲さ」が必要になります。

 より多くの利益を求めつつも、
 価値と価格の差に安全域のない取引はしません。
 年間20%前後のリターンを求めつつ、
 長期にわたって投資し、複利の力で資産を築くことを考えます。

 また、市場平均をねらいインデックス投信を買う
 第一の投資家グループと比べれば、貪欲であるともいえます。


 次にかける労力について考えて見ましょう。
 
 第1グループの投資家は、ほとんど労力がかかりません。
 例えば積み立てて決まった投資信託に
 投資するとすれば、売買の判断はほとんどいりません。

 
 第2グループの投資家は、日々かなりの労力を投入します。
 また判断を迫られる回数も他のグループと比べると桁違いです。
 人によっては毎日数十回の判断が必要になるかもしれません。

 
 第3の、バリュー投資家のグループは、
 日々知識の積み重ねをしつつ、
 いつでもバットを振れるように構えています。
 
 第1グループに比べれば多くの労力を投入しますが、
 売買はさほど多くはありません。
 労力についても真ん中あたりになるのではないでしょうか。
 

 以上とりあえず2点ですが、
 バリュー投資家が中道を歩いている
 というポイントをとりあげてみました。
 この2点からも、バリュー投資は中道であると
 いえると思うのですがいかがでしょうか。


 しかし、中道であることは非常に難しいものです。
 人間である以上、むやみに貪欲になったり、
 または怠惰になったりしてしまうことは避けがたいものです。


 バリュー投資家であり続けるには、
 投資の世界で中道にいる必要がありそうです。
 そんな「抑制のきいた貪欲さ」を持ち続けられる人が、
 どれだけいるのだろうと思ったりもします。


 ちなみの僕は怠惰なほうにいきがちです(笑)。

-----------------------------------------------------------------------
【本日の関連文献】
-----------------------------------------------------------------------


新賢明なる投資家(下)
新賢明なる投資家(上)
↑今回とりあげた「株式投資の新たなる投機性」が
  読めます。
  あとグレアムの考えの中でも最も重要な「安全域」が
  1章まるごと論じられています。


最終更新日  2010年07月27日 23時11分49秒
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2010年07月26日

「投資対象をしぼる」ウォーレン・バフェット
[ 株 ]    

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 投資の真髄 ~偉大な投資家の言葉に学ぶ~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  
〔 第17号 2006/10/23 〕 649部発行

         
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
 【main contents】 投資対象をしぼる
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 今回は、バフェットが株主への手紙の中で引用している
 ケインズの言葉を紹介します。

───────────────────────────────――――

 
 時が経つにつれて、私がますます確信を深めていることがあります。
 それは、正しい投資法というのは、
 投資家自身がその何がしかを理解していると信じ、
 かつその経営陣を完全に信頼する企業に、
 かなりのまとまった額を投資することだということです。

 とりたてて自信を持つべき根拠がないにもかかわらず、
 自分がほとんど理解していない多くの企業に
 投資を分散することでリスクを限定できる
 などという考えは誤りです・・・・・・
 人間の知識や経験は疑うべくもなく限定されたものであり、
 私自身完全に自信を持てる投資対象が
 同時に二、三社以上存在することなど、めったにないのです。
  
 
(『バフェットからの手紙』パンローリング刊)                           

───────────────────────────────――――

 この文章は、ケインズが1934年に友人に宛てて送った
 手紙の内容ということです。
 まるでバフェット自身が書いた文章かと思うほどに
 彼の考え方を表現していると思います。

 ケインズといえば、投資家、経済学者、ジャーナリスト、思想家、
 官僚と幅広く活躍し、マクロ経済学を立脚させたことで有名です。

 それほどの天才と、バフェットが
 完全に自信を持てる投資対象が同時に
 二、三社以上存在することはめったにない、といっています。


 常に、良さそうな企業はあります。
 しかし、その投資が成功するには、
 単に企業の事業素質が良いことに加え、
 経営陣が信頼できるか、そして市場でどんな値段がついているか、
 ということも大切になってきます。

 すべての条件がそろう完全な投資対象は、
 同時に二、三件しかないということです。

 もちろん市場全体には
 もっと多くの完全な投資対象があるに違いありません。
 しかし、1人の人間の持つ知識や経験は限られたものです。


 銘柄分析をしていると、次から次へと良さそうな銘柄はみつかります。
 しかし、完全に自信が持てる銘柄はめったにありません。

 天才で二、三件なら、凡人では一つみつけられれば
 良いくらいかもしれません。
 
 わけもわからず分散投資をしたところで、
 それは全くリスクを減らすことにはならないと
 いうことも頭に入れておきたいですね。


________________________________________________________________________

-----------------------------------------------------------------------
【コラム】美人投票
-----------------------------------------------------------------------
 ケインズの株式投資に関する理論で、
 もっとも有名な概念として「美人投票」というものがあります。
 株の入門書などを読むと必ずというほど載っている有名な話です。

 例えば、一番美人な人を当てると賞品がもらえる
 というイベントが開催されたなら、
 自分が美人と思う人ではなく、
 他の人が美人に選びそうな人を選ぶ必要があります。

 株式市場も同じように、実際の価値や自分の評価よりも、
 他人が良いと思うであろう企業に投資することで
 利益が得られるという考え方です。

 このたとえはとてもわかりやすく、
 実際に株式市場は短期的にみれば
 人気投票のような動きをするため、
 真理をついていて、とても良い方法のように感じられます。


 しかし、他人がどう考えるのかを予想することは、
 簡単なことではないと思います。
 ミスターマーケットの機嫌を読むことは、容易ではありません。
 ケインズはこのことを以下のように表現しています。

───────────────────────────────――――
 
 われわれが、平均的な意見はなにが平均的な意見になると
 期待しているかを予測することに知恵を絞る場合、
 われわれは三次元の領域に達している。

 さらに四次元、五次元、それ以上の高次元を実践する人も
 あると私は信じている。

───────────────────────────────――――

 ケインズはわりと肯定的ですね。
 確かに高次元の読みができる人も存在するでしょう。
 しかし、それを実現するには
 恐ろしく明晰な頭脳が必要だと思います。

 参加者全員がそれほどの高次元の予測ができるとはとても思えません。

 それよりはグレアムが提唱した、市場でのいきすぎた評価と、
 実際の価値の差を利用する方法のほうが
 単純ではるかにたやすいと思います。

 バリュー投資家にとって、
 美人投票理論はあまり関係のない話といえそうです。
 ある一面で真理をついているものの、
 実際に利用するのは非常に困難な気がします。

 しかし、短期志向の投資家(投機家?)さんと、
 売買回数が増えるほど儲かる証券会社の都合がある限り、
 この魅力的な話はいつまでも語られていくのでしょうね。


-----------------------------------------------------------------------
【本日の関連文献】
------------------------------------------------------------


バフェットからの手紙
↑バフェット本は数あれど、バフェット自身のペンで全編が
 つづられている唯一の本です。バフェットが会長を務めるバ
 ークシャー・ハサウェイという会社で毎年発表している「株
 主への手紙」を大学教授のローレンス・カニンガム博士が、
 テーマごとに編集した内容です。
 バフェットを知る上で最高のテキストです。




最終更新日  2010年07月26日 23時39分01秒
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2010年07月22日

「ノーをいえる利点」ウォーレン・バフェット
[ 株 ]    

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 投資の真髄 ~偉大な投資家の言葉に学ぶ~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  
〔 第16号 2006/10/19 〕 618部発行

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
 【main contents】 「ノーをいえる利点」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 今回は、投資家にとってノーをいえるということが
 どういった利点をもたらすか、について
 考えてみたいと思います。

───────────────────────────────――――

 
 バフェットは経験から、
 よい銘柄の場合は決断を下すのはやさしいが、
 対象が芳しくない場合は、
 なかなか結論がでないことを知ったという。

 判断が難しいときは、あえて追わない。
 彼が躊躇なく”ノー”を言うのは、
 グレアムの教えが見にしみているからだ。

      《中略》

 この”ノー”を言える能力は、
 投資家にとって計りしれない利点だという。
  
 
(『株で富を築くバフェットの法則』ダイヤモンド社より)         

                  

───────────────────────────────――――

 ある程度バリュー投資に関する本を読んでいると、
 買える銘柄が限られてきます。

 例えば『バフェットの銘柄選択術』を読むと、
 「こんな銘柄ないよ!」と叫ぶほどに
 買える銘柄がみつからないことに気づきます。

 おそらくほとんどの銘柄に「ノー」を
 叩きつけることになってしまうでしょう。


 しかし、これは大きな利点をもたらしてくれます。

 まず、対象を絞ることができます。
 例えば4000社近くが上場している日本市場のなかで、
 一定の銘柄を選ぶことは至難の業です。

 しかし、バリュー投資というものさしを使えば、
 明らかに理不尽な価格がついている銘柄を除外し、
 対象をかなり絞ることができます。
 
 選択の幅をせばめて、
 ババを引く確率を劇的に下げることができます。
 
 これは、損失を限定して元本の安全を確保するという、
 投資の本質に近づくために不可欠なことだと思います。


 次に、市場で渦巻く欲望の嵐から
 距離をとることができるという利点が考えられます。

 「ノー」がいえるということは、
 自分の頭で判断していることの証です。
 ミスターマーケットと一緒に
 ダンスを踊っていないことの証明です。

 市場では毎日どれかの銘柄が大幅に上昇し
 誰かが大儲けしています。
 しかし、それがどの銘柄にいつ起こるかは誰にもわかりません。

 にも関わらず、自分が動かなかったせいで
 大損してしまったような気分を持ってしまうこともあります。
 この強欲こそが一番おそろしいものだと思います。

 何かをしていないと不安になってしまうのは、
 人間の性かもしれません。
 
 しかし、前にとりあげたバフェットの言葉にあるように、
 わからないゲームに勝ったところで
 本当にゲームに参加してるといえるのでしょうか。

 バフェットは、40年の経験で
 重大な結果をもたらしたといえる決断をしたのは
 12回を数えるのみだ、といっています。

 どれだけ見逃しても、
 投資を続けている限り必ずチャンスはおとずれます。

 市場の非効率は今日明日に
 なくなってしまうということはないでしょう。
 40年前もあったし、たぶん20年後もなくなりません。

 自分が非効率性の助けにならないことです。
 判断が難しいときは、見逃してもかまわないのです。
 そして、簡単に決断ができるときだけ
 行動にでればよいのだと思います。

 
 自分がわからないことにきちんと「ノー」をいえることに
 誇りを持ちたいものですね。

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【本日の関連文献】
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株で富を築くバフェットの法則新版
↑冒頭にピーター・リンチによるバフェット評があります。
  バフェットがどういう投資をしていたかを具体的な
  ケースを取り上げ紹介しています。
  僕は2段階DCF法をこの本で学びました。

億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術
↑バフェットの投資法を実践するためのポイントを集めた名著です。
 ワークブック形式になっているので、
 ポイントを問題でテストすることができます。






最終更新日  2010年07月22日 20時57分46秒
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2010年07月21日

バフェットの情報源
[ 株 ]    

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 投資の真髄 ~偉大な投資家の言葉に学ぶ~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  
〔 第15号 2006/10/16 〕 577部発行

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
 【main contents】 バフェットの情報源
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 今回は、バフェットが企業の価値を見定めるために、
 情報をどうやって手に入れているのかについて取り上げます。


───────────────────────────────――――

 
 目をつけた企業の年次報告書を読み、
 次にその企業のライバル会社の年次報告書を読みます。
 これが主たる情報源です。
  

 (『ウォーレンバフェット 自分を信じるものが勝つ!』ダイアモンド刊)       

                    

───────────────────────────────――――

 バフェットは、年次報告書から主たる情報を得ているといっています。
 年次報告書とは、有価証券報告書のことだと
 思って間違いないでしょう。

 
 有価証券報告書は、企業のホームページもしくは、
 EDINETで読むことができます。

 かつては企業に問い合わせて送ってもらわない限り
 手に入れることができなかったようですが、
 現在はネット環境の充実によって、
 誰でも即座に手に入れることができるようになっています。
 
 便利な時代に投資をはじめられた幸運をかみしめたいものです。


 普通に考えれば、簡単に手に入れることができるようになれば、
 そのぶん競争相手も増えて、有報を読んだところで
 超過リターンを得るというのは難しくなる気もします。

 しかし、実際には誰もが安い手数料でお気軽に投資が
 できるようになった影響で、
 せっかくの環境を生かしきれていない
 人が多いのが現状だと思います。


 有価証券報告書を読みこなすには、
 ちょっとした努力と根気がいります。
 少なくとも半年くらいは、勉強しないと難しいでしょう。

 半年以上勉強して、市場平均に勝つ程度のリターンを目標にする
 という作業を喜んでできる人はやはり多くはなさそうです。
 この参入障壁って結構すごいのかもしれません。


 バフェットはさらにライバル企業の年次報告書も
 主要な情報源としてあげています。
 比べることによって、その企業の強みや弱み、
 そして事業素質がよりいっそう浮かび上がってくるからです。

 
 ライバル企業を調べることは、
 他の著名な投資家さんも勧めていますね。

 新興国投資で有名なジョン・テンプルトン、
 史上最高のファンドマネージャーといわれた
 ピーター・リンチなども、
 ライバル企業を調べることの大切さを強調しています。


 また、ライバル企業がどの会社なのかを知るのには、
 企業のIR担当者に直接たずねるのが一番良い方法のようです。
 リンチはそれをたずねる事によって、
 もっと良い投資対象をみつけることが
 多々あったということを語っています。


 しかし、年次報告書はあくまで主たる情報源であることも
 忘れてはいけないと思います。
 バフェットは、半期、四半期報告書はもちろん、
 かなりの数の経済雑誌、そして多数の新聞を
 すべて読みこなしているといいます。

 相棒のマンガーも我々は経済雑誌から
 かなりの情報をえているといっています。
 もちろん、雑誌の情報で投資を決定することはなく、
 あくまで知識をストックするために読んでいるのでしょう。

 膨大な知識に裏づけされているからこそ
 思い切った集中投資が可能になるのでしょうね。




最終更新日  2010年07月21日 20時04分48秒
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2010年07月19日

「独自思考」ベンジャミン・グレアム
[ 株 ]    

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 投資の真髄 ~偉大な投資家の言葉に学ぶ~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  
〔 第14号 2006/10/12 〕 573部発行


 こんにちは。阿藤寛です。

 KAPPAさんの
 『東大卒医師が教える科学的「株」投資術』を読みました。
 評判どおり素晴らしい本ですね。
 文系の自分にはちょっと難しい部分もあったので、
 何回か読んで理解を深めていきたいと思います。


 運や勘しか頼るものがなかったウォール街に、
 証券分析という概念を作り出し、投資の世界に
 科学を持ち込んだグレアム。

 グレアムが目指していた、
 誰もが健全な投資を行えるようなフレームワークの作成。
 その最新発展形として、この本は決定版であると思います。


 一方、バフェットやピーター・リンチの本を数冊読んで、
 彼らのマネができると思ってはいけない、
 という指摘は耳が痛いものがあります。

 このメルマガはまさに、彼らの投資法に学ぼうという意図で
 発行していますからね(笑)。
       

 前号でも取り上げましたが、バフェットの考え方は、
 「世界一になろうと思ってなった天才」のいっていることで、
 普通の人には真似できない部分もある
 ということも認識しておくべきかもしれません。

 とはいえ、バフェットの言葉には
 普遍的な内容も多く含まれていることにも
 間違いないと考えています。


 これからも役に立つと思う考え方や言葉を
 紹介し続けていきたいと思います。
 多くの人の投資へのモチベーションを
 少しでも高められたらと思っています。
 それでは、本題いってみましょう。

         
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
 【main contents】 独立思考
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 今回は独立して考えることについて取り上げたいと思います。


───────────────────────────────――――

 
 バフェットは、グレアムから他人とは独立して考えることを学んだ。
 健全な判断に基づいて、合理的な結論に達したなら、
 他人の意見は無視することだ。

 グレアムは
 「他人が同意するかどうかでは君の考えの成否は決まらない。
 君のデータ、論理が正しければ、君の意見は正しい」と教えている。
 
  
 (『株で富を築くバフェットの法則』ダイヤモンド社より)         

                    

───────────────────────────────――――

 ミスター・マーケットに振り回されてはいけない、
 ということは以前にもとりあげました。

 しかし、感情によって激しく動く株式市場で、
 ミスター・マーケットと距離をおくには、
 普段から独自の思考を持てるように
 する必要があると思います。


 グレアムは、自分の信念の礎を、
 詳細な分析によってもたらされた
 データや論理によって築きました。

 また、グレアムは、
 バフェットがいくら熱心に銘柄をすすめても、
 自分がすべての点で納得できない限り、
 決して投資しなかったそうです。

 そのため、バフェットはかなり無念な思いを
 抱いていたそうですが、
 このグレアムの姿勢には大いに影響を受けたともいっています。


 KAPPAさんも指摘されていましたが、
 個人投資家の間のコミュニティに参加することによって、
 大きなバイアスを知らぬ間にかけられている
 危険性は自覚しておいて損はないと思います。


 あくまで自分の基準で考えるという
 グレアムのような姿勢というのは大切だと思います。

 
 自分よりできる投資家さんが買っている、
 というのを安心材料に数えるのはいかがなものでしょうか。

 僕は投資をはじめた当初、
 積極的にネットで取り上げられてる銘柄を外していました。
 
 今思うと恥ずかしいのですが
 「マネしていたらこの人たちに勝てない」
 と本気で思っていたのです。

 結局マネしていたほうが儲かっていた気もしますが(笑)、
 上昇相場にも助けられたのもあって、
 それなりの成果を得ることができました。

 一番大きいのは、自分が考えて選んでも
 大丈夫という確信が得られたことですね。


 グレアムの他人がどう思おうと、
 自分が完全に納得しない限り投資しない、
 という姿勢には学ぶべきところがあると思います。


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【コラム】機械的投資法の落とし穴
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 統計によって出されたデータを見せられると、
 人は無条件に信じてしまうことが多いようです。
 科学的根拠といっても、それは過去のことであり、
 これからどうなるかということに確証はない
 ということも認識しておく必要があると思います。


 機械的投資法で市場平均に勝てることを主張した名著に
 『ウォール街で勝つ法則』(オショーネシー)
 という本があります。
 
 REFIGHT研究所で取り上げられていることでも
 有名ですよね。

 その本の中でオショーネシーは、一年間のリターンが最も高く、
 5年連続で利益が前年を上回り、
 PSRが1.5倍未満の50銘柄を買っていれば、
 市場平均を大きく上回ることができるといっています。
 
 1954~94年の間に年平均18.2%の利回りが
 記録されていたということです。

 しかし、『新賢明なる投資家上』によると、本を出版後、
 鳴り物入りで組成されたオショーネシーの
 4つのファンドの成績はさんざんだったようです。

 4本とも市場平均に惨敗し、うち二つは下落がおおきく
 ファンドは停止に追い込まれたということです。

 ある期間に通用する方法があっても、
 それが多くの人に浸透してしまうと、
 有効性はなくなってしまうということでしょう。

 グレアムの提唱したネットネット株戦略についても、
 アメリカではもはや市場平均に勝てないというデータが
 でているそうです。

 多くの人がしている戦略で、
 自分だけが超過利益を得られるということはありえません。
 あくまで人気のない戦略であることが重要なのだと思います。

 もちろん、低PER、低PBRなどの戦略は、
 その時点で人気がないことも表しているので
 普遍的だと思います。

 ただ、唯一とか確実とかいうことは絶対にないということは、
 頭に入れておいたほうがいいかもしれませんね。


 個人的にはその上でのファンダメンタル分析が
 成果を高めると思っています。

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【本日の関連文献】
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●東大卒医師が教える科学的「株」投資術

絶版。アマゾンマーケットプレイスには在庫あり。
↑たくさんの研究データをまとめてあります。
 この本一冊分のデータを抽出するのに
 どれだけの時間やコストがかかっているでしょう。
 是非読んでおきたい一冊です。



株で富を築くバフェットの法則新版
↑冒頭にピーター・リンチによるバフェット評があります。
  バフェットがどういう投資をしていたかを具体的な
  ケースを取り上げ紹介しています。
  僕は2段階DCF法をこの本で学びました。


新賢明なる投資家(上)


最終更新日  2010年07月19日 21時49分01秒
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2010年07月18日

「グレアムの理論」ウォーレン・バフェット

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 投資の真髄 ~偉大な投資家の言葉に学ぶ~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  
〔 第13号 2006/10/09 〕 573部発行

           
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
 【main contents】 グレアムの理論
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 今回は、グレアムの考え方とバフェットの考え方の違いに
 ついて考えてみたいと思います。
 グレアムの理論についてバフェットが語っているところを引用します。


───────────────────────────────――――

 
 グレアムの理論は、
 優れた運用成績を残すためのものではないし、
 単なる流行でもない。
 彼が説いていたのはあくまで健全な投資です。
 せっかちにならずに健全な投資を追及すれば、
 誰でも大きな資産を築けると私は考えています。
 少なくとも、貧乏になることはありません。
 どちらかと言えば、後者の効用のほうが大きいと思います。 
 
   
 (『ウォーレンバフェット 自分を信じるものが勝つ!』ダイアモンド刊) 

                             
───────────────────────────────――――

 
 バフェットと師匠のグレアム。
 2人の投資に対する姿勢はもちろん重なっていますが、
 2人の根本にある目的には明確な違いもあります。

 2人とも投資を知的ゲームととらえていたことは
 共通していますが、その目的となる行動規範は大きく異なっています。


 グレアムは、証券投資を健全に初心者でも理解でき、
 実践できる方法を確立することを生涯の目的に
 していたように思います。

 自分が大きく儲けるよりも、
 誰しもが確実で安全な投資ができるようになるための
 フレームワークを作成することに注力していたのです。

 
 グレアムが生涯を通じて何度か破産の危機を体験していることや、
 残した財産の額によって、グレアムの投資家としての手腕や
 その理論に疑問を抱く人もおられるようです。

 しかし、その事実によってグレアムの功績が
 揺らぐことはありません。
 破産の危機を何度も体験したからこそ、
 誰でもできる健全な投資の確立に尽力する
 強いモチベーションを抱けたわけです。


 対してバフェットは、
 証券投資で一番になることを志していました。
 バフェットは世界一のお金持ちになるという
 強いモチベーションを持っていたのです。

 その執念はハンパなものではないと思います。
 お金を増やすというゲームに
 彼ほど入れ込んでいる人はいないでしょう。
 
 最近3年ぶりにバフェットの伝記、
 「ビジネスは人なり、投資は価値なり」を読んだのですが、
 改めてバフェットの天才性やその信念を感じることができました。


 何号か前に、キャッシュポジションの話を少ししましたよね。
 グレアムは基本的に株はポートフォリオの75%を上限に、
 残りは債権または現金で持っておくことをすすめていました。

 それに対してバフェットは、価格さえよければ
 フルインベストメントするべきだと考えていました。
 バフェットにしてみれば、
 明らかに価値より割安なことがわかっていて、
 すべてを投資しないことはバカげていると感じていたようです。


 バフェットのように強いモチベーションを持ち、
 分析のためなら手間を惜しまず
 妥協を一切しない投資家なら、それは理にかなっています。

 しかし平均的な、投資を本業とせず
 かける時間も限られている投資家さんにとっては
 グレアムの言葉に従って、
 ある程度のキャッシュポジションを持っていたほうが
 平常心を保つためにも効果的でしょう。


 これからもバフェットの言葉や考え方を、
 このメルマガで多くとりあげていきます。
 しかし、バフェットがいっているのは、
 世界一を目指してそれを実現させた
 並外れた男の経験を踏まえた一般論であるということも
 考慮に入れておいたほうがいいかもしれません。

 
 そして、僕がバフェットの教えに学ぶ前に、
 一般の投資家が健全な投資を学ぶためのフレームワーク作成に
 人生を捧げたグレアムの教えを学んでおくことはとても大切だと
 感じていることをつけ加えておきます。


 最後に2人の目的としたところをまとめてみます。

 グレアム
 投資初心者が健全な投資を行えるようなフレームワークの作成

 バフェット
 投資で世界一の大金持ちになること
 お金を増やすというゲームを楽しむこと
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【本日の関連文献】
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バフェットの投資原則新版
↑バフェットの語録がテーマごとにまとめられています。
 このメルマガの最高のネタ本です。
 投資に興味がなくても楽しめそうな一冊です。
 装丁もカッコ良くなっていい感じです。


ビジネスは人なり投資は価値なり
↑バフェットの伝記本です。
 90年代前半までのバフェットの来し方や
 考え方がもっともわかりやすく読めます。
 同時に、株式市場というものがその50年間どういう動きをみせたのか、
 という歴史を学ぶこともできます。
 またそれにバフェットがどう対処してきたかを
 読み解くのも楽しい一冊です。


新賢明なる投資家(上)
 ↑証券分析を著したグレアムが、個人投資家向けに書いた
 賢明なる投資家になるための入門書です。
 しかもこの新版は現代に対応した解説もついて
 よりいっそう為になる一冊になっています。
 またその解説が面白いんだ、これが。



最終更新日  2010年07月18日 21時29分48秒
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2010年07月17日

「ミスターマーケット」ベンジャミン・グレアム
[ 株 ]    

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 投資の真髄 ~偉大な投資家の言葉に学ぶ~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  
〔 第12号 2006/10/05 〕 567部発行

           
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
 【main contents】 ミスターマーケット
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 バフェットの師匠であるグレアムは、投資で成功するためには
 市場の変動に対する心構えが最も大切な要素であると言っています。

 その市場の変動に対するために、
 グレアムが生み出したキャラクター「ミスターマーケット」について
 取り上げたいと思います。

 グレアムの著作より、バフェットの手紙の記述のほうが
 わかりやすいので、そちらを引用します。


───────────────────────────────――――


 彼(注:グレアム)が言ったのは、
 「市場の値付けというのは、あなたの個人事業のパートナーである、
 ミスター・マーケットという名の非常に世話好きな男によって
 なされたものだと考えなさい」という言葉です。

 ミスター・マーケットは必ずや毎日現れて値付けをして、
 その価格で彼があなたの持ち株を買うか、
 彼の持ち株をあなたが買うのです。
 

 (『バフェットからの手紙』パンローリング刊)
 
                                  
───────────────────────────────――――

 
 株式市場というのを、情緒不安定な一人の男として例えた
 このグレアムのアイデアは、最高のメタファーだといわれています。

 あなたが、買う買わない、売る売らないにかかわらず、
 ミスターマーケットは週五日、毎日あなたに値段を
 提示しにやってきてくれます。


 どれだけあなたが無視したところで、この世話好きな男は、
 次の日も次の日もあなたに値段を提示しにやって来てくれます。


 そして彼には情緒不安定なところがあります。
 彼が上機嫌の時には企業の良いところしか見えません。
 そのためそんな時には非常に高い値段を提示してきますが、
 逆に落ち込んでいるときには世界がこの世の終わりに
 向かっているかのような低い値段をつけます。

 たとえ企業が安定した財政状況にあるとしても、
 彼の値付けは機嫌によって毎日変わるのです。


 もちろん私たちもそんなミスターマーケットの一員です。
 必要以上に躁鬱が激しくなっていないかどうか、
 チェックすることは大切だと思います。
 そのためにはある程度市場と距離をとること、
 歴史を知ることも大切だと思います。

 市場とクールに付き合っていくには、
 やはりある程度余裕をもって市場に臨むことが重要な気がします。
 そうすれば、ミスターマーケットは最近えらい上機嫌だな、
 また馬鹿げたことをやっているぞ、と冷静に見えてくると思います。


 自分で考えることができ、自分で企業の価値評価が
 できる投資家なら、わざわざ彼の考えを聞こうとは思わないでしょう。
 ましてや彼の考えに影響を受けて行動を共にする、
 ということはないでしょう。

 ここでもう一箇所バフェットの言葉を引用します。

───────────────────────────────――――

 
 ミスター・マーケットはあなたの助けをすることはあっても、
 あなたを手引きすることはありません。
 あなたが役立てることができるのは、
 彼の知恵ではなく資力なのです。
 
 もしある日、彼が目立っておどけた調子で現れたら、
 彼を無視するのもいいですし、
 あるいはその状況に付け込むのも一案です。
 だがもし彼の手に落ちてしまえば悲惨な目に遭うでしょう。

 ミスター・マーケットよりはるかに企業の価値評価に
 たけているという自信があなたにないのなら、
 真の意味でゲームに参加しているとはいえないでしょう。

 「30分以上ゲームに参加していて誰がカモか分からなければ、
 あなたがカモなのだ」とポーカーでいうように。

 (『バフェットからの手紙』パンローリング刊)


───────────────────────────────――――


 自分で企業の価値評価ができなければ、
 真の意味でゲームに参加していることにならない、
 とバフェットはいっています。

 ミスターマーケットの評価に付け込むこむには、
 やはり彼以上に分析ができなければなりません。
 
 彼の動きをみて彼以上にうまく立ち回るという方法も
 ありますがが、それはバリュー投資ではないですよね。

 
 最近の日本の株式市場でいうと、ミスターマーケットは
 新興市場でかなり神経質で情緒不安定になっています。
 日経平均やTOPIX採用銘柄などの大型株は
 おおむね彼の気に入っているようですが、
 小型株には懐疑的なように見受けられます。

 あなたも一緒になってこのまま新興市場の崩壊を見届けるか、
 それとも彼が不機嫌な間に企業分析をしっかりして
 バリューな企業を探していくのか。
 
 方針を検討してみてはいかがでしょうか。
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【本日の関連文献】
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バフェットからの手紙
↑バフェット本は数あれど、バフェット自身のペンで全編が
 つづられている唯一の本です。バフェットが会長を務めるバ
 ークシャー・ハサウェイという会社で毎年発表している「株
 主への手紙」を大学教授のローレンス・カニンガム博士が、
 テーマごとに編集した内容です。
 バフェットを知る上で最高のテキストです。


新賢明なる投資家(上) ↑第8章にミスターマーケットの話が載っています。
 証券分析を著したグレアムが、個人投資家向けに書いた
 賢明なる投資家になるための入門書です。
 しかもこの新版は現代に対応した解説もついて
 よりいっそう為になる一冊になっています。
 またその解説が面白いんだ、これが。


最終更新日  2010年07月17日 22時23分39秒
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