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作家の三島由紀夫は、辞書を読むのを趣味にしていたそうだ。
暇があると、手もとにある国語辞書を読んでいたそうだ。 女優の夏目雅子が、 作家の伊集院静を好きになったのは、 「薔薇」という字が、すらすら書けたからだそうだが、 「薔薇」や「憂鬱」などは、読めても、なかなか書けない字だ。 たしかに、こういう字を、すらすら書くとインテリジェンスを感じる。 テレビのクイズ番組でも、回答を、ちゃんとした漢字で書いているタレントには、品すら感じてしまう。 言葉というのは不思議なもので、 普段の会話をしていても、言葉が豊富な女性に出会うと、それだけで参ってしまうときがある。 そんなこんなで、国語辞書を読む。 辞書とは、ひくものではなく、読むものだと言われているが、 たしかに、暇なときに、国語辞書を読んでいるのはおもしろい。 「私は、ろりろりと振り返った。」 この意味は、おわかりだろうか。 これは、広辞苑に載っていた表現。 「ろりろり」とは、 「恐怖、心配で落ち着かず、興奮している様子を表す副詞」 つまり、これは恐怖に怯えながら振り返った表現なのだ。 ちなみに、「ろりろり」の動詞形は「ろりめく」だそうだ。 思わず笑ってしまう。 こんな問題は、「お茶の子さいさい」? では、この「お茶の子」って、何? かつて、お茶を飲む習慣は、よくあったが、このときの、お茶だけではさみしいので、 いっしょにだす和菓子などのお茶うけのこと。 「お茶の子」は、すぐに食べられるので、「朝飯まえ」。 これが転じて、お茶の子さいさい、となったそうだ。 さいさいは、俗語のはやし言葉ということだ。 お茶を使った言葉は多く、「ちゃかす」は、まさしく、茶のカスのことで、 何のやくにもたたないことから、「ごまかす」「ひやかす」「相手にしないもの」の意味になっていったようだ。 国語辞書の迷宮に迷いこむと、ずるずると、深みにはまり、 とくに秋の夜は、なかなか出てこれなくなってしまうのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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