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テーマ:好きなクラシック(2280)
カテゴリ:音楽
今日は、サントリーホールに来ています。もちろん、昨日に引き続き、ゲヴァントハウスを聞きに。
今日のプログラムは、メンデルスゾーンの交響曲第5番『宗教改革』と、ブルックナーの交響曲第4番『ロマンティック』です。しかも、メンデルスゾーンの『宗教改革』は、通常演奏されている版とは違う、ホグウッド改訂による『初期稿』だそうです。楽しみです。 ネットで予約したからでしょうか、席は、思いっきり前で、2列目。 コンサートマスターの足もとって感じです。実は、昨日もこんな感じの席で聴いていたんですが、この席、実はとても正解です。 今回のゲヴァントハウス管弦楽団は、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンを昔ながらの対向配置にしてありました。この場所だと、第1、第2、それぞれが立体的に、完璧に聞き分けられるので、聴いていてものすごく楽しいんです。 さて、メンデルスゾーンの交響曲第5番『宗教改革』、『初期稿』は、ずいぶんと違っているんですね。最後の終わり方も違いますし、第4楽章の冒頭、有名な『神はわがやぐら』のメロディーが出てくるところも、フルートのソロがより長いフレーズを演奏します。それがとても美しいんです。 ここを聴くだけでも、この『初期稿』、充分価値があると思いますョ。これは、ぜひCDになってほしいですね。以前、音楽学会の記事のときにも書きましたが、今後は、メンデルスゾーンの作品も、ブルックナーの作品のように、演奏時に『18・・年版』みたいな表示が行われるようになっていくのかもしれませんね。 ゲヴァントハウスの演奏ですが、とても熱のこもった、すばらしいものでした。今日のコンサート・マスターは、また、ひときわ激しい演奏をするんですね。『宗教改革』の第1楽章が終わったときに、すでに弓の毛が2本くらい切れてましたョ。 シャイーと、コンサート・マスターの熱気がメンバーに伝わるのか、今日は昨日以上に燃え上がっている 感じでした。正直、こんなゲヴァントハウスは聴いたことがないくらいですね。彼ら独自の音色が、焼けた鉄のように熱を帯びたそのニュアンスと、『宗教改革』のニ短調という調性がとてもマッチして、他では作り出せない見事なサウンドを生み出していました。これは一生ものの体験でしたね。 ブルックナーの交響曲第4番『ロマンティック』も、たいへんな熱演。第1、第2ヴァイオリンのトップも、体をのけぞらせるようにして掛け合っていたり、それはそれはエキサイティングな演奏でした。終演後、シャイーもとても満足そうでしたが、しかし、しかし…、どうなんでしょうか、あのテンポ。 ブルックナーにしては、テンポが揺れ過ぎではないでしょうか。それに、箇所によっては、妙にセカセカと速い。ピリオド奏法的な解釈だったら、違和感はあるものの、納得できる可能性もあるかもしれませんが、今回の解釈は明らかにモダンで、あまり根拠を感じさせないものだったような気がします。そこが少し残念でしたね。そんなブルックナーの交響曲で、アンコールもなく終わってしまったのは、かなり消化不良的な終わり方でした。何で、今回のツアーはアンコールをひとつもやらないんでしょうか?? 2回のコンサートを聴いてみて、シャイー時代になって、ゲヴァントハウス管弦楽団は、昔ながらの個性を維持しつつも、本当にフレキシブルで、グローバルなオーケストラになったように思いました。ブルックナーでみせたパフォーマンスや、マーラーの交響曲でのベルアップによるパフォーマンスなどもそうです。また、メンバーが若くなっていることもありますが、以前に比べてとてもエネルギッシュになりましたね。それに、今回の『宗教改革』にしろ、CDで発売されている『スコットランド』や、マーラー版のシューマン:交響曲全集など、シャイー得意の「発掘系」のレパートリーも増えています。これからのゲヴァントハウス管弦楽団、とても楽しみですね。
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最終更新日
November 15, 2009 01:53:54 PM
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